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Chapter.2
Episode.22
しおりを挟むガラガラガラァ…
「お?陽介が顔出すの久しぶりだな」
「本州大のほう行かなくていいのか?」
「今はそれぞれで練習してもらってる段階だから」
「次の打ち合わせまでは行かなくてもへーき」
「拓也はなんか浮かんだか?」
「んー…俺の「なんかちげー」は、
あんま進展しないやつばっかだかんな」
「例えば?」
「『恋人』って甘ずっぱい感じがするけど、『愛人』って
ちょっといかがわしさ漂うのはなんでだろうとか」
「確かに 笑」
「恋も愛もよーわからんけど、愛を感じた人に
「俺の愛人になってくれ!」って言ったら
確実に引っ叩かれるだろ 笑」
「結婚してるからと言って、
『愛情』が伴ってるとも限らないしな」
「お見合い結婚や政略結婚だってあるんだし」
「日本で言う『愛人』って、浮気相手や
セフレの最終形態なイメージ 笑」
「じゃあその『愛する人』の呼称を
考えればいいんでない?」
「やだよ、そんなん」
「めんどくせー」
「もっと双葉氏の時みたいにワクワクすんのやりたい」
「そういえば美咲ちゃんは
もう浮かんだんだって?」
「そうなんだよぉ」
「でも女しか分からんやつみたいだから、
全然教えてくれない 笑」
「仁美さんと2人でそれやってる」
「じゃあ拓也も対抗して
男しか分からんやつとかやれば?」
「男しか分からんやつ…格闘技とか少年漫画とか…」
「それじゃそういう研究会入ったほうがはえぇしなぁ」
「…やっぱ、エロかな 笑」
「今までにないAVとか? 笑」
「おお!それいいかもな!」
「根幹のそれ自体変えりゃ新しいもんになるんだろ?」
「! 」
「AVってアダルトビデオ、大人のビデオなんだよな」
「じゃあその根幹のエロを無くせば、
新しいもんになるんじゃね?」
「エロの代わりに
成立するもんってあんのかよ 笑」
「盆栽とか
…錦鯉とか!」
「お前「今までにないAVだ!」って言われて
観て、錦鯉が泳いでたら「すげー」って思うか?」
「速攻キレるね 笑」
「だろー 笑」
「『性欲』ってのは種の保存っていう、生き物にとって
一番大事なもんをさせるために
存在する欲求だかんな」
「そう簡単に代わりは思いつかないだろう」
「電気屋でAVコーナーとか見ると、
一瞬ドキッとするもんな」
「え!?」
「こんなオープンに売っていいんですか!?って」
「それだけ日本のヤローには、『AV=エロ』
ってのが刷り込まれちまってるからな 笑」
「コホンッ」
「!?」
「!?」
「な~に男同士、
部室のドア開けっぱで話してんのかなぁ」
「美咲ちゃん、
部室に入れず困っちゃってるよぉ」
「そういう話は帰ってからするよーに」
「はーい…」×2
「分かればよろしい」
「美咲ちゃーん、もう大丈夫だよ~」
「し、失礼しまーす…」
ガラガラガラァ…
「美咲ちゃん、陽介に
聞きたいことあんだってさ」
「俺に?」
「男じゃ分からんやつなら無理だよ?」
「そっちは希ちゃんと、双葉と
4人で進めてるから大丈夫」
「うわ!双葉氏、元気にしてた?」
「うん^^」
「忙しそうだけど環境が変わっただけで、
双葉は全然変わってなかった 笑」
「で、聞きたい事って?」
「あの私、歌も好きで」
「アカペラサークルにも入ってて」
「!」
「拓也ぁ、アカペラだって! 」
「うっせ!( *`ω´)」
「ん?B組ってアカペラに
なんか因縁でもあんの?」
「…なんもないっす!」
しーん…
「ああ!笑」
「B組、久々の罰金 笑」
チャリン♪
「んで?」
「プロの歌手を目指すべきかどうかで悩んでて」
「サークルでは上手いって言ってくれる人が
結構多いんですけど…」
「よーすけ前に言ってたでしょ」
「他のひとが上手いって言ってるのを
聴いて、「なんかちげー」ってなるって」
「俺ちょっと腹減ったんで」
「なんか食ってくる~!」
「ういー」
ガラガラガラァ!
ガラガラガラァ!
「あれ?B組、
お昼ラーメン食べに行ってなかった?」
「あいつ昔っから音楽が苦手で」
「成績もずっと1だったし、
授業もサボったり寝てたりしてたから 笑」
「本格的な話になる前に逃げたってことか」
「なるぅ~」
「んで美咲ちゃんの話だけど」
「はい」
「結局は、美咲ちゃん自身が
『どんな歌手になりたいのか』、
そこだけだと思うよ」
「どんな歌手に…」
「今の『プロの歌手』って
大学受験の『志望校』のようなもんで」
「スクール通ったりするのも予備校通うようなもんだし」
「大学受験もさ『合格』がゴールになっちゃってて
何のために大学に行くかすっこ抜けてる人多いでしょ」
「よーすけはなんでうちの大学入ったの?」
「『失われた古代文明!』ってのが好きだから、
考古学とか言語学とか学びたくって入った」
「コーヒー屋さんで言ってったやつだね♪」
「『プロの歌手』になりたい」
「そういう『志望校』に入るだけなら、
一般大衆の望んでるものを
ピンポイントで狙っていけば、
直ぐになれんじゃない?」
「美咲ちゃん、可愛いし」
「そんなことは 照」
「よーすけが珍しく持ち上げてる 笑」
「その代わり飽きられる可能性は高いけどね」
「そして突き落とした 笑」
「ふふ 笑」
「陽介さんっぽいです^^」
「そうではなく『志望校』に受かった先、
そこをスタートに何を表現していきたいか」
『鈴原美咲』にしか表現できない
歌の世界を構築・確立すれば
長く愛される歌手になれると思うけどね」
「よーすけってさぁ…」
「ん?」
「最近ますます、
おさむしぃっぽくなってきたね 笑」
「笑」
「話がなが~い!笑」
「笑」
「どっちかというと」
「『自分にしかできない音楽をやりたい』
って気持ちが強いかもしれません」
「じゃあせっかくウチのサークル入ったんだし」
「なんかちげーって『逆算』して、
自己探究していけば?」
「まだ1年生なんだし」
「…そうですね」
「なんか陽介さんに相談して漠然とだけど
先の自分が見えたように思います!」
「ありがとうございます!」
ガラガラガラァ!
「いやぁよかったよかった^^」
「治氏!」
ガラガラガラァ!
「これで安心して陽介にサークルを任せられる」
「どれくらいから聞いて。。」
「んーっとねぇ」
「『どんな歌手になりたいか』ってとこらへん」
「わりかし最初!Σ(・□・;)」
「アタシはちょこっと窓が開いたので気付いた 笑」
「相談できる先輩がいてよかったね、美咲ちゃん^^」
「はい!」
「んで美咲ちゃんは…」
「はい?」
「明後日で2ヶ月経つからね^^」
「あ!そうだ…」
「来年までの辛抱だから、美咲ちゃん」
「そしたらおさむしぃいなくなるし 笑」
「えー」
「陽介、勿論敬語禁止令も伝統で受け継ぐでしょ?」
「ん?受け継がないっすよ?」
「あ」
「ぬあぁぁ!」
笑×3
チャリン♪
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