『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
45 / 132
Chapter.2

Episode.22

しおりを挟む

                ガラガラガラァ…

「お?陽介が顔出すの久しぶりだな」
「本州大のほう行かなくていいのか?」

  「今はそれぞれで練習してもらってる段階だから」
    「次の打ち合わせまでは行かなくてもへーき」

          「拓也はなんか浮かんだか?」

「んー…俺の「なんかちげー」は、
 あんま進展しないやつばっかだかんな」

        「例えば?」

「『恋人』って甘ずっぱい感じがするけど、『愛人』って
 ちょっといかがわしさ漂うのはなんでだろうとか」

       「確かに 笑」

「恋も愛もよーわからんけど、愛を感じた人に
「俺の愛人になってくれ!」って言ったら
 確実に引っ叩かれるだろ 笑」

     「結婚してるからと言って、
  『愛情』が伴ってるとも限らないしな」
 「お見合い結婚や政略結婚だってあるんだし」

「日本で言う『愛人』って、浮気相手や
 セフレの最終形態なイメージ 笑」

   「じゃあその『愛する人』の呼称を
      考えればいいんでない?」

「やだよ、そんなん」
「めんどくせー」

「もっと双葉氏の時みたいにワクワクすんのやりたい」

     「そういえば美咲ちゃんは
      もう浮かんだんだって?」

「そうなんだよぉ」
「でも女しか分からんやつみたいだから、
 全然教えてくれない 笑」
「仁美さんと2人でそれやってる」

     「じゃあ拓也も対抗して
   男しか分からんやつとかやれば?」

「男しか分からんやつ…格闘技とか少年漫画とか…」
「それじゃそういう研究会入ったほうがはえぇしなぁ」

「…やっぱ、エロかな 笑」
     「今までにないAVとか? 笑」

「おお!それいいかもな!」
「根幹のそれ自体変えりゃ新しいもんになるんだろ?」

「! 」
「AVってアダルトビデオ、大人のビデオなんだよな」
「じゃあその根幹のエロを無くせば、
 新しいもんになるんじゃね?」

       「エロの代わりに
   成立するもんってあんのかよ 笑」

「盆栽とか

 …錦鯉とか!」

「お前「今までにないAVだ!」って言われて
観て、錦鯉が泳いでたら「すげー」って思うか?」
 
「速攻キレるね 笑」
        「だろー 笑」

「『性欲』ってのは種の保存っていう、生き物にとって
    一番大事なもんをさせるために
      存在する欲求だかんな」

 「そう簡単に代わりは思いつかないだろう」

「電気屋でAVコーナーとか見ると、
 一瞬ドキッとするもんな」
「え!?」
「こんなオープンに売っていいんですか!?って」

  「それだけ日本のヤローには、『AV=エロ』
  ってのが刷り込まれちまってるからな 笑」

                   「コホンッ」
「!?」
           「!?」
                 「な~に男同士、
      部室のドア開けっぱで話してんのかなぁ」

                  「美咲ちゃん、
         部室に入れず困っちゃってるよぉ」

     「そういう話は帰ってからするよーに」

       「はーい…」×2

     「分かればよろしい」

    「美咲ちゃーん、もう大丈夫だよ~」


              「し、失礼しまーす…」


                 ガラガラガラァ…



  「美咲ちゃん、陽介に
   聞きたいことあんだってさ」

         「俺に?」
  「男じゃ分からんやつなら無理だよ?」

  「そっちは希ちゃんと、双葉と
   4人で進めてるから大丈夫」

「うわ!双葉氏、元気にしてた?」

  「うん^^」
  「忙しそうだけど環境が変わっただけで、
   双葉は全然変わってなかった 笑」

        「で、聞きたい事って?」

              「あの私、歌も好きで」
         「アカペラサークルにも入ってて」

            「!」
       「拓也ぁ、アカペラだって! 」
「うっせ!( *`ω´)」
  「ん?B組ってアカペラに
  なんか因縁でもあんの?」

「…なんもないっす!」


          しーん…


「ああ!笑」

      「B組、久々の罰金 笑」



         チャリン♪





         「んで?」


   「プロの歌手を目指すべきかどうかで悩んでて」

    「サークルでは上手いって言ってくれる人が
              結構多いんですけど…」

  「よーすけ前に言ってたでしょ」
  「他のひとが上手いって言ってるのを
   聴いて、「なんかちげー」ってなるって」

  「俺ちょっと腹減ったんで」

          「なんか食ってくる~!」

          「ういー」

                 ガラガラガラァ!




                 ガラガラガラァ!

  


  「あれ?B組、
   お昼ラーメン食べに行ってなかった?」


    「あいつ昔っから音楽が苦手で」
     「成績もずっと1だったし、
  授業もサボったり寝てたりしてたから 笑」

    
  「本格的な話になる前に逃げたってことか」
  「なるぅ~」


     「んで美咲ちゃんの話だけど」

                     「はい」

     「結局は、美咲ちゃん自身が
     『どんな歌手になりたいのか』、
       そこだけだと思うよ」

                「どんな歌手に…」


     「今の『プロの歌手』って
   大学受験の『志望校』のようなもんで」
「スクール通ったりするのも予備校通うようなもんだし」


「大学受験もさ『合格』がゴールになっちゃってて
何のために大学に行くかすっこ抜けてる人多いでしょ」

   
  「よーすけはなんでうちの大学入ったの?」


 「『失われた古代文明!』ってのが好きだから、
  考古学とか言語学とか学びたくって入った」

  「コーヒー屋さんで言ってったやつだね♪」


    「『プロの歌手』になりたい」

  「そういう『志望校』に入るだけなら、
     一般大衆の望んでるものを
    ピンポイントで狙っていけば、
     直ぐになれんじゃない?」

    「美咲ちゃん、可愛いし」

               「そんなことは 照」
  「よーすけが珍しく持ち上げてる 笑」

 「その代わり飽きられる可能性は高いけどね」
    
  「そして突き落とした 笑」
                   「ふふ 笑」
            「陽介さんっぽいです^^」

  「そうではなく『志望校』に受かった先、
 そこをスタートに何を表現していきたいか」
    『鈴原美咲』にしか表現できない
    歌の世界を構築・確立すれば
 長く愛される歌手になれると思うけどね」


  「よーすけってさぁ…」

         「ん?」

  「最近ますます、
   おさむしぃっぽくなってきたね 笑」
                      「笑」
  「話がなが~い!笑」

         「笑」
 
               「どっちかというと」
      「『自分にしかできない音楽をやりたい』
         って気持ちが強いかもしれません」


 「じゃあせっかくウチのサークル入ったんだし」
    「なんかちげーって『逆算』して、
       自己探究していけば?」

      「まだ1年生なんだし」

                 「…そうですね」


      「なんか陽介さんに相談して漠然とだけど
        先の自分が見えたように思います!」

            「ありがとうございます!」
                 ガラガラガラァ!


        「いやぁよかったよかった^^」

         「治氏!」
                 ガラガラガラァ!

        「これで安心して陽介にサークルを任せられる」

    「どれくらいから聞いて。。」

「んーっとねぇ」
「『どんな歌手になりたいか』ってとこらへん」


    「わりかし最初!Σ(・□・;)」

  「アタシはちょこっと窓が開いたので気付いた 笑」

「相談できる先輩がいてよかったね、美咲ちゃん^^」

                    「はい!」

「んで美咲ちゃんは…」

                    「はい?」

「明後日で2ヶ月経つからね^^」

                 「あ!そうだ…」

  「来年までの辛抱だから、美咲ちゃん」
  「そしたらおさむしぃいなくなるし 笑」

「えー」
「陽介、勿論敬語禁止令も伝統で受け継ぐでしょ?」

     「ん?受け継がないっすよ?」


                      「あ」



        「ぬあぁぁ!」


          笑×3




         チャリン♪
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。 渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!? 合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡―― だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。 「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき…… 《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

クールな御曹司の溺愛ペットになりました

あさの紅茶
恋愛
旧題:クールな御曹司の溺愛ペット やばい、やばい、やばい。 非常にやばい。 片山千咲(22) 大学を卒業後、未だ就職決まらず。 「もー、夏菜の会社で雇ってよぉ」 親友の夏菜に泣きつくも、呆れられるばかり。 なのに……。 「就職先が決まらないらしいな。だったら俺の手伝いをしないか?」 塚本一成(27) 夏菜のお兄さんからのまさかの打診。 高校生の時、一成さんに告白して玉砕している私。 いや、それはちょっと……と遠慮していたんだけど、親からのプレッシャーに負けて働くことに。 とっくに気持ちの整理はできているはずだったのに、一成さんの大人の魅力にあてられてドキドキが止まらない……。 ********** このお話は他のサイトにも掲載しています

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...