『Love Stories。』

日向理

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Chapter.2

Episode.21

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 「やっぱり陽介さんって凄い人なんですね^^」

「いやいや、『凄い』とかってのはあくまで

 …って

 前にも言いましたね 笑」


 「なんだか魔法使いみたい♪」

「魔法使い?」

 「ただ何かを言うんじゃなくって、それを
  私たちに実際に体感させてくれるんですもん」

 「終わった後もみんな「楽しい楽しい!」って…」
 「それこそ子供みたいにはしゃいでましたよ♪」

「でも僕は単に気付いてないものに気付かせただけで」
「特別なことは何もしてないんですけどね^^」

 「でもそれが私達にとっては
 『目から鱗』な事ばかりで」

 「私達が気付かなかったことに気付いてるって事が、
  単純に「凄いなあ~」って思います^^」


「僕は只その場で思いついた事を言ってるのに夢中で、
 終わってドドーッと疲れが出ちゃうんだけど 笑」

 「え?(;・∀・)」


 「あれって事前に考えたりとか…
  してなかったんですか?」


「全然なんの準備もしてないっす 笑」
「準備をしちゃうと逆に、
 自分で自分の思考を柵で囲んじゃうっていうか」
「自由な発想が出来なくなっちゃうんですよねぇ」

 「・・・」

「ん?」

 「やっぱり魔法使いだ…」


「はは 笑」
「だからそんなんじゃないですって」


「…ふぅ」
「ちょっと休憩」

 「相当パワー使ってるんですね、魔法をかけるのに」

「だから違うよ 笑」

 「ふふ♪」



「ああ腹減ったぁ~」


 「・・・」


 「じゃあ一緒にご飯食べません?」

「え?」

 「近くにちょー美味しい
  とんかつ屋さんがあるんです♪」


「…とんかつ」

 「もちろん私の奢りで^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

 「マヂです♪」

             「行きましょう!!」

 「ふふ、元気になった 笑」

 「あ!陽介さん!」
                  「ん?」


 「そっちじゃないです 笑」











                 ガラガラガラァ…

          「2名さまお待たせしました~」


                  「あ、はい!」

       「いらっしゃいませ~」

             「奥の席、どうぞ~」

      「ありがとうございます^^」

 ギィー

ギギィー

     「お茶は温かいのと冷たいのと
       どちらになさいますか?」

「あったかいので」

 「じゃあ私も^^」

     「こちらメニューになりますので
   お決まりになりましたらお声がけください」

「あ、はい」


「うわ、すごっ!」

 「ん?」

「もうあんなに並んでる…」

 「ここ取材NGなお店なんですけど、
 口コミだけでいつもお客さんいっぱいなんですよ♪」

「へぇ~」



  「はい、お茶とおしぼりです^^」

 「ありがとうございます^^」


 「最初、坂口さんに連れられてここきたんですけど、
  その一度で直ぐハマっちゃいました 笑」

「へぇ~」

「光一さんって結構グルメなんですね」
「合奏前に教えてもらったコーヒー屋さんもそうだし」

 「あ、『ケッツァール』も行ったんですか!」
 「あそこの珈琲も美味しいですよねぇ♪」

「いや、僕はまだ舌がお子ちゃまなので 笑」
「ジンジャーエールを飲んだんですが、
希ちゃんが初コーヒーデビューで
『エルサルバドール』ってのを頼んで」

 「あ!だからさっき「エルサルバドール!」って
 言ってたのかぁ!笑」

「そしたら希ちゃん、すっかりハマっちゃって」
「お店の人ともすっかり仲良くなってた 笑」
              「お待たせしました~」

「…って超美味そう~」

 「ここ、どれも美味しいんですけど」
 「この「ミックス定食」がイチオシです^^」
 「ロースとヒレとメンチが一緒になってて」
 「特にメンチがもう…ちょーー美味しいんです♪」

「もうそれで決まり!」

 「ふふ 笑」

 「すみませ~ん!」

               「はーい」

 「お待たせしました、お伺いします^^」

 「ミックス定食2つで^^」


  「ミックスをお2つ、ですねぇ^^」
     「ご注文は以上で」
 「はい^^」

        「では少々お待ちください^^」

          「8番さん、ミックス2つでーす」


 「で」

 「奢る代わりと言ってはなんなんですけどぉ」

「ん?」

 「敬語なしで話しても大丈夫ですよ」
 「私、陽介さんよりも歳下ですし^^」

「すぎしたさんって」

 「二十歳前です^^」
 「あと杉下さんってあまり呼ばれ慣れてないんで、
  坂口さんみたいに下の名前で呼んでください♪」

「( `д´)b オッケー!」


 「陽介さんって、

  さのっちさんのサークルだけなんですよね」

「うん」

 「じゃあ高校の時って楽器なんだったんですか?」

「ん?」
「何にもやってなかったよ」

 「え!?」

 「吹奏楽部じゃないんですか!?」

「うん」
「高校ん時はバスケやってた」

 「じゃあ中学とかで…」
「中学は帰宅部」

 「じゃあ吹奏楽の経験って…」

「ないよ」

 「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

「うんマヂで」

 「じゃああの合奏でボコボコ出てきたのって…」

「高校んときに興味があって、1回友達に頼んで、
 合奏を見学させてもらったんだ」



 「で?」


「「で?」って?」


 「その後の展開とか…」

「ん?」
「それだけだよ?」

 「えー!1回だけであんな魔法を!?」

「だから魔法じゃないって 笑」

 「お待たせしましたぁ、ミックス定食2つです~」

「うわっ!美味そう~!」

 「…絶対魔法使いだ」
   「はい、ご飯とお味噌汁です^^」
「ん?」

 「いえ、なんでも!」

  「ご飯とキャベツ、おかわり自由ですので^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

    「ふふ、まじです^^」

「いっただきまーす!」

 「いただきます♪」

ぱくっ

「うんまっ!!」

 「でしょー^^」

がつがつっ

 もぐもぐ

「んーしあわせー(*^ω^*)」

 「うふ^^」

がつがつっ

 「陽介さんって本当美味しそうに食べるんですね♪」

 もぐもぐ


「だってマヂ超美味しいんだもん~」


「あー、しあわせー(*^ω^*)」


 「ふふ♪」
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