『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
44 / 132
Chapter.2

Episode.21

しおりを挟む

 「やっぱり陽介さんって凄い人なんですね^^」

「いやいや、『凄い』とかってのはあくまで

 …って

 前にも言いましたね 笑」


 「なんだか魔法使いみたい♪」

「魔法使い?」

 「ただ何かを言うんじゃなくって、それを
  私たちに実際に体感させてくれるんですもん」

 「終わった後もみんな「楽しい楽しい!」って…」
 「それこそ子供みたいにはしゃいでましたよ♪」

「でも僕は単に気付いてないものに気付かせただけで」
「特別なことは何もしてないんですけどね^^」

 「でもそれが私達にとっては
 『目から鱗』な事ばかりで」

 「私達が気付かなかったことに気付いてるって事が、
  単純に「凄いなあ~」って思います^^」


「僕は只その場で思いついた事を言ってるのに夢中で、
 終わってドドーッと疲れが出ちゃうんだけど 笑」

 「え?(;・∀・)」


 「あれって事前に考えたりとか…
  してなかったんですか?」


「全然なんの準備もしてないっす 笑」
「準備をしちゃうと逆に、
 自分で自分の思考を柵で囲んじゃうっていうか」
「自由な発想が出来なくなっちゃうんですよねぇ」

 「・・・」

「ん?」

 「やっぱり魔法使いだ…」


「はは 笑」
「だからそんなんじゃないですって」


「…ふぅ」
「ちょっと休憩」

 「相当パワー使ってるんですね、魔法をかけるのに」

「だから違うよ 笑」

 「ふふ♪」



「ああ腹減ったぁ~」


 「・・・」


 「じゃあ一緒にご飯食べません?」

「え?」

 「近くにちょー美味しい
  とんかつ屋さんがあるんです♪」


「…とんかつ」

 「もちろん私の奢りで^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

 「マヂです♪」

             「行きましょう!!」

 「ふふ、元気になった 笑」

 「あ!陽介さん!」
                  「ん?」


 「そっちじゃないです 笑」











                 ガラガラガラァ…

          「2名さまお待たせしました~」


                  「あ、はい!」

       「いらっしゃいませ~」

             「奥の席、どうぞ~」

      「ありがとうございます^^」

 ギィー

ギギィー

     「お茶は温かいのと冷たいのと
       どちらになさいますか?」

「あったかいので」

 「じゃあ私も^^」

     「こちらメニューになりますので
   お決まりになりましたらお声がけください」

「あ、はい」


「うわ、すごっ!」

 「ん?」

「もうあんなに並んでる…」

 「ここ取材NGなお店なんですけど、
 口コミだけでいつもお客さんいっぱいなんですよ♪」

「へぇ~」



  「はい、お茶とおしぼりです^^」

 「ありがとうございます^^」


 「最初、坂口さんに連れられてここきたんですけど、
  その一度で直ぐハマっちゃいました 笑」

「へぇ~」

「光一さんって結構グルメなんですね」
「合奏前に教えてもらったコーヒー屋さんもそうだし」

 「あ、『ケッツァール』も行ったんですか!」
 「あそこの珈琲も美味しいですよねぇ♪」

「いや、僕はまだ舌がお子ちゃまなので 笑」
「ジンジャーエールを飲んだんですが、
希ちゃんが初コーヒーデビューで
『エルサルバドール』ってのを頼んで」

 「あ!だからさっき「エルサルバドール!」って
 言ってたのかぁ!笑」

「そしたら希ちゃん、すっかりハマっちゃって」
「お店の人ともすっかり仲良くなってた 笑」
              「お待たせしました~」

「…って超美味そう~」

 「ここ、どれも美味しいんですけど」
 「この「ミックス定食」がイチオシです^^」
 「ロースとヒレとメンチが一緒になってて」
 「特にメンチがもう…ちょーー美味しいんです♪」

「もうそれで決まり!」

 「ふふ 笑」

 「すみませ~ん!」

               「はーい」

 「お待たせしました、お伺いします^^」

 「ミックス定食2つで^^」


  「ミックスをお2つ、ですねぇ^^」
     「ご注文は以上で」
 「はい^^」

        「では少々お待ちください^^」

          「8番さん、ミックス2つでーす」


 「で」

 「奢る代わりと言ってはなんなんですけどぉ」

「ん?」

 「敬語なしで話しても大丈夫ですよ」
 「私、陽介さんよりも歳下ですし^^」

「すぎしたさんって」

 「二十歳前です^^」
 「あと杉下さんってあまり呼ばれ慣れてないんで、
  坂口さんみたいに下の名前で呼んでください♪」

「( `д´)b オッケー!」


 「陽介さんって、

  さのっちさんのサークルだけなんですよね」

「うん」

 「じゃあ高校の時って楽器なんだったんですか?」

「ん?」
「何にもやってなかったよ」

 「え!?」

 「吹奏楽部じゃないんですか!?」

「うん」
「高校ん時はバスケやってた」

 「じゃあ中学とかで…」
「中学は帰宅部」

 「じゃあ吹奏楽の経験って…」

「ないよ」

 「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

「うんマヂで」

 「じゃああの合奏でボコボコ出てきたのって…」

「高校んときに興味があって、1回友達に頼んで、
 合奏を見学させてもらったんだ」



 「で?」


「「で?」って?」


 「その後の展開とか…」

「ん?」
「それだけだよ?」

 「えー!1回だけであんな魔法を!?」

「だから魔法じゃないって 笑」

 「お待たせしましたぁ、ミックス定食2つです~」

「うわっ!美味そう~!」

 「…絶対魔法使いだ」
   「はい、ご飯とお味噌汁です^^」
「ん?」

 「いえ、なんでも!」

  「ご飯とキャベツ、おかわり自由ですので^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

    「ふふ、まじです^^」

「いっただきまーす!」

 「いただきます♪」

ぱくっ

「うんまっ!!」

 「でしょー^^」

がつがつっ

 もぐもぐ

「んーしあわせー(*^ω^*)」

 「うふ^^」

がつがつっ

 「陽介さんって本当美味しそうに食べるんですね♪」

 もぐもぐ


「だってマヂ超美味しいんだもん~」


「あー、しあわせー(*^ω^*)」


 「ふふ♪」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

じれったい夜の残像

ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、 ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。 そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。 再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。 再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、 美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

乗り換え ~結婚したい明子の打算~

G3M
恋愛
 吉田明子は職場の後輩の四谷正敏に自分のアパートへの荷物運びを頼む。アパートの部屋で二人は肉体関係を持つ。その後、残業のたびに明子は正敏を情事に誘うようになる。ある日、明子は正敏に結婚してほしいと頼みむのだが断られてしまう。それから明子がとった解決策 は……。 <登場人物> 四谷正敏・・・・主人公、工場勤務の会社員 吉田明子・・・・正敏の職場の先輩 山本達也・・・・明子の同期 松本・・・・・・正敏と明子の上司、課長 山川・・・・・・正敏と明子の上司

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...