『Love Stories。』

日向理

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Chapter.2

Episode.17

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                   コンコンッ


「はーい」

                  「陽介です!」

「どうぞー」


                 ガチャッ キィ~



                 「失礼します!」


                 「失礼しまーす」

                「し、失礼します」

                     パタンッ


「お、君が小鳥遊さんの知り合いの」
                「み、緑川希です」
「ここの吹奏楽団で指揮を振ってる、坂口光一です」

        「あれ?治氏は?」

「吉岡にスキップ教えてる 笑」

               「ウケる 笑」

「そのうち戻って来ると…って
 戻ってきた 笑」
                 ガチャッ キィ~

       「いやぁ、吉岡くん、体がちょー硬い」

 「彼、『スキップ出来ない』才能があんのかも」
                     パタンッ

「いらない、その才能 笑」
                「あは 笑」

 「お、君が希ちゃんか」
 「はじめまして、佐野治です^^」

                「私は仁美さんから
        おさむしぃの話を聞かされてたので」
  「はじめましてな感じがあんまりしないかも 笑」

「ちなみに希ちゃんは今いくつ?」
                   「18です」


          18!?


「さのっち、18の希ちゃんにも
 敬語禁止令出すの? 笑」
 「勿論 笑」

「出すんだ 笑」

「さのっちは気にしないんだろうけど、
 出された方は結構大変なんだぞぉ~ 笑」

 「年齢なんて、単なる経過年数に過ぎないんだし」
 「心の成熟の度合いに僕は重きを置いてるから^^」

                      「あ」
       「私もあんまり年齢は気にしないんで」

「じゃあタメ語のみでも大丈夫?」

                 「はい、たぶん」
            「ちなみにお二人の年齢は」

「僕は25」

 「ちなみに光一は既婚者だからね」

     「えっ!光一さんって結婚してたんだ!」

「してたというか…したて 笑」
       「ほほーぅ、新婚だ」

「『責任取って』とかそういうんじゃないからね!」

「…って僕のプライベートの話はいいから 笑」

                「ふふ 笑」

「で僕が28」
                   「28!?」

「やっぱ驚くよね 笑」


         「…浪人留年むっちゃしたとか?」

「ははは 爆笑」
「フツーはそう考えるよね 笑」

「さのっちは一回この大学を卒業して、
 今は朱鳥大に通ってるんだよ」

                  「すごっ!!」
 
               「…でも大丈夫かも」
 



                    コンコンッ

                  「杉下です!」

「どうぞー」

「『フツーの人』が、仁美ちゃんだけじゃ
 バランス取れないでしょ? 笑」
                 ガチャッ キィ~

               「失礼しま~す^^」
「だからウチのほうの
『フツーの人』も呼んでみた」
                    パタンッ
       「あ、すぎしたさん」

「陽介くんはもう会ってたんだ」

        「あ、はい」
「でもまあ知らない人もまだいるんで、
 理紗ちゃん、簡単に自己紹介」

         「あ、アルトサックス吹いてます
                杉下理紗です^^」

      「あ!私高校でテナー吹いてました!」

                「ホントに!^^」

                  「はい^^」
「じゃあ理紗ちゃんは、希ちゃんの隣ね」

                  「はい!^^」

「あと、理紗ちゃんは『フツーの人』なんで対象外ね」

 「はいよ」

               「ん?『対象外』?」

「さのっちと
「タメ語で話せ」って言われたら…出来る?」

             「無理無理無理無理!!」

 「だよね 笑」

      「ちなみにさのっちさんっておいくつ…」
 「28」

               「絶対無理です!!」

「はは 笑」
「あれが『フツーの反応』なんだよ 笑」

             笑




「じゃあ今ここにいるメンツが
主要メンバーって事で進めていくね」

「リーダーは言い出しっぺの陽介くんって事で」

         「あ、はい」

 「陽介、どういう流れでやってく?」


         「光一さん」
「ん?」

   「演奏し慣れているポップスの曲って」

「何曲かあるよ」
      「じゃあ譜面の管理は」

「原譜は部室で管理してるけど、
それぞれパート譜はコピーして持ってる」

      「じゃあ通達しちゃうと、
  別にコピーする人が出てくるかもしれないんで」

   「今からポップス全部の、コピーした
   パート譜を全て回収しちゃってください」

                    「え!?」
「…わかった」


             「…私行きましょうか?」

「いや、僕が行くよ」
「その方がみんな出さざるを得なくなるから 笑」

「たぶん途中からでも分かると思うから」

            「話進めてて」
                 カチャッ キィ~

 「はいよ」

          「陽介さん、何から始めるの?」
                    パタンッ

  「楽団の固定観念をぶっ壊すところから 笑」

                  「すごっ 笑」

        「すぎしたさん」
                    「はい!」

      「個人練習とパート練習の
        最優先事項として、
  12音全てのスケールを瞬時に吹けるよう、
   身体に染み込ませる練習を取り入れて」


                    「はい!」

    「あとコンダクタースコアを
       パート分コピー」

                    「はい!」
             
       「じゃあ私、早速コピーしてきます!」

                 ガチャッ キィ~


         「よろしく^^」


                    パタンッ





  「希ちゃんは、和音も色で認識するの?」



                     「うん」

 「いろ?」
    「希ちゃん、絶対音感みたいなのがあって」
      「音を色で認識してるんだってさ」

 「ほぇ~、すげーな」

         「和音はマーブル色みたいになる」


      「じゃあ倍音が出てる、
  『ちゃんと鳴ってる』和音も認識できる?」


         「うん、ちゃんと鳴らないやつは、
        キレイなマーブル色にならないから」


      「じゃあその才能は、
    合奏の時に発揮してもらうね^^」

              「うん、わかった^^」

               「よーすけ」

          「ん?」

             「全然関係ないけどさ、
             B組と美咲ちゃんは?」


 「美咲ちゃんは今年唯一の新人だから 笑」
 「いきなりこんなカオスなのはまだ無理」

 「僕の方で「なんかちげー」を教えてるとこ」

                「そっか」
                「B組は?」

    「アイツは音楽の才能ゼロだから」
      「自ら志願して雑用係 笑」

               「そなんだ 笑」

                    「あの!」

 「ん?」
             「治さんのサークルって、
                朱鳥大の人限定?」




 「んー」
 「サークル自体大学でもマイナーだし、
 前例がないから考えた事なかった 笑」

  
                    「じゃあ」  

    「私が治さんのサークル入ったりするのは?」

         「お!希ちゃん入りたいの?」

      「私、音楽系の専門に通ってたんだけど
    なんか思ってたのと違くってやめちゃって…」

   「治さんや陽介さんや仁美さんのいる場所なら
      私にしっくりくるものが見つかりそうな、
             そんな気がしてるんです」

 「ウチ入ると」
 「今の敬語で100円罰金になるけど 笑」
 「それでもいいなら大歓迎^^」

                  「ホントに!」
 「うん^^」
                  「やった^^」
                 ガチャッ キィ~

   
              「はい回収完了!」

     「あれ?回収したやつは?」
                    パタンッ
       
 「どうせ使わないんだから、
  ついでにシュレッダーしてきた 笑」

      「さすが光一さん 笑」


「あれ?理紗ちゃんは?」

        「コンダクタースコアをコピーしに」

「うお、ホント徹底的にやるんだね 笑」

「あと僕は何すればいい?」

     「じゃあ光一さんにはもう、
     合奏の準備をしてもらって」

 「1番演奏し慣れてる1曲だけをやる感じで」

「オーケー」
「4時からでもいい?」

      「( `д´)b オッケー!」

 「後は僕いなくても大丈夫そうだから、
  僕はサークルに戻るね」
          「あ、はい」

「合奏はきっと、陽介くんが
 一番働く事になると思うから」
                 ガチャッ キィ~
「今のうちに3人で休んで、体力温存してて^^」


    「はい、これ」
         「あ」
                    パタンッ

「直ぐ近くに『ケッツァール』っていう、
  美味しい珈琲屋さんがあるから」
  「そこでまったりしてきな」

        「あざーす!」

「こんなにワクワクしてるの久しぶりだから」
「そのお礼って事で^^」

              「ではのちほど!」

                 ガチャッ キィ~

                 「のちほど^^」

            「ごちそうさまです^^」

「はーい^^」

                     パタンッ



            しーん…







「早く4時にならないかな…笑」






                 ガチャッ キィ~


   「取り敢えず「クレオール」と「インディア」、
            コピーしてきましたぁ~!」


「理紗ちゃん、ありがとう!」
「今日は「クレオール」だけやるから」
                  「あ、はい!」
            「じゃあ製本しときます!」

「それと4時から合奏するから
みんなに伝えといて」
              「はーい(。>ω<。)ノ」


               「あ、あと椅子は…」
「さのっちがサークルに戻っちゃったんだけど、
僕も座ったりすると思うから4脚で」
           
             「(>Д<)ゝ”ラジャー!!」



                     パタンッ
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