『Love Stories。』

日向理

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Chapter.2

Episode.10

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                ガラガラガラァ…



「あ、よーすけくん」
                ガラガラガラァ…




         チャリン チャリン♪

「久々の罰金 笑」
「しかも200円 笑」

      「仁美さんはなにしてたの?」

「ん?」
「ぎゃ・く・さ・ん♪」

      「お!アイデア妊娠したんだ!」

「んー…」
「想像妊娠かもしんない 笑」

「『なんかちげー』はあったんだけどね」
「「さて、それをどうしましょ?」って感じで 笑」

「ちょっと行き詰まってる」


           チャリン♪
「なに自分でいれてんの? 笑」

       「じゃあ、これから気分転換に」
     「アカペラを聴きにご一緒しませんか?」


「ふふ 笑」
「なーるほどね♪」

           「ふふ 笑」


「でもなんでアカペラ?」

           「ほら俺の、
       吹奏楽のやつが採用になって」

「うん」

    「治氏も前通ってた大学の、吹奏楽の人と
        話してくれてるみたいだし」

「うん」

  「言い出しっぺの俺が何もしないのもアレだし」
  「逆算のヒントも見つかるかなぁって思って」


「それでおさむしやB組に、
「アタシ誘って行けばいいのに」って
 言われて、ここにきたと」

      「…まぁ言われたのもあるんだけど」

「だけど?」

    「純粋に、仁美さんが隣にいてくれると
         嬉しいかなぁなんて」

          「…ダメ?」


「いいよ」
          「ホント!」

「うん、ホント♪」

           「や」
「や?」

      「やったぁー!!ヾ(≧∀≦☆)」

「あは 笑」
「超喜んでるし♪」

       「だってようやく慣れて、
       こうやって誘えるようにな





          ボッ!! 赤面 照

「再発してるし 笑」

        「だって仁美さん、
     いつもより可愛いんだもん…」


「ふふ^^」

    「じゃ観にいこ!」

            「う、うん」


                ガラガラガラァ…

                「あ、よーすけ」

           「なな、なに?」


     「手ぇ繋いじゃったりとかぁ、するぅ?」

           ボッ!! 赤面 照


        「さ、さ、さすがにそれは」

            チャリン♪

         「まだむ、無理です…」



                  「あは 笑」
「だよね♪」

               「行こ!よーすけ」
          
            「うん」

                  タタタタ…




             「よーすけ、ドアー!」



                   「あ」


                   タタタタ…



                ガラガラガラァ…


 

                   タタタタ…







                   ♪~~♪


 「うわっ、結構聴いてるひと多いんだね」

「一般の人も来てるから」

 「すごいね~」
 「アカペラって、初めてちゃんと聴いたかも^^」

「まだアカペラ自体そんな有名じゃないからね」

 「アタシもアカペラ知ったの、
  大学入ってからだもん」

 「そなんだ」


 「それにあんまテレビも観ないし」

「それは俺も一緒」


                    ♪~ッ!





じーっ
      ( ゜Д゜ノノ”☆パチパチパチパチ



「ふーん、音叉とピッチパイプと、
 グループによってルートの取り方が違うんだ…」


 「うーん…全然わかんない 笑」


「ピッチパイプって、歯車みたいなカタチしてて」
「全部の音を鳴らせるんだよね」

「パイプを「プー♪」って吹くから
 みんなに聴こえるんだよ」
「でも精度はよくないから、
 ズバリその音は鳴らせないんだ」

 「ふーん」

「ほら、あのコが手に持ってるやつ」

 「アレか!…でも歯車ってより
 『えへん虫』みたい」
 「色も茶色だし」

                   プーッ♪

 「ホントだ!「ぷー♪」って鳴った」
 「なんか可愛い音^^」

「音叉ってチューニングフォークって言うんだけど」
「まんまフォークみたいなカタチしてて、
 ひとつの音しか鳴らせないんだ」
「でも精度が高くってズバリその音が鳴るんだよね」
                    ♩~♪~
 「それはみんなに聞こえるの?」

「ううん、蚊みたいなちっちゃい音」

「多分一般に流通してるやつを使ってるだろうから、
 440Hzのラの音が鳴るんだけど」

「そこから曲のキーの音を取るから、
 絶対音感のある人がいないと結構難しい」

 「『ぜったいおんかん』?」

「音が鳴ったら、それがなんの音かすぐ分かるひと」

 「そんなひといんだ!?」



じーっ


「そっかぁ…アカペラでも
 楽譜に依存はしてるのかぁ」


 「ん?なんか言った?」

 「ううん、でもだいたいヒントはもらえた」

                   ♪~♩~
 「よかったね♪」

「うん」


「あのさ…仁美さん」

 「なに?」

「明後日、治氏と吹奏楽の人と、
 3人で打ち合わせするんだけど」

 「あ、それおさむしから聞いたかも」


「…一緒に行って欲しいんだ」

 「え、でもアタシ一般ピーポーだし、
  音楽もよくわかんないよ?」

「初めて行く場所だし、自分のを発表したりするから
 …緊張しちゃうかもしれなくって」
                    ♩~~

「でもドキドキしちゃうひとが隣にいてくれると、
 それ以上は緊張はしないかもなぁ…
 なんて思ったり 笑」

 「あは 笑」


 「いいよ^^」

 「一緒に行ってあげる♪」


「ホント?」

 「うん、ホント♪」

「や」
 「ここでは叫ばない 笑」


「あ、そか」

 「部室戻ろ!」
 「『逆算』のアドバイスとかして欲しいし」


「うん、じゃ戻ろっか」


 「あとは…」

「ん?」

 「よーすけがいつ『さん付け』で
  呼ばなくなるか、だけだね♪」


「うっ…」
「それはもう少しご猶予を」

 「( ゜Д゜)ゞ リョーカイ!! 笑」
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