『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
28 / 132
Chapter.2

Episode.5

しおりを挟む

                ガラガラガラァ…


                「おさむしぃ~」

「仁美ちゃん、どしたぁ?」

     「入会きぼーと見学者、連れてきた~」
「お?ホントに?」

          「入ってきなよ」

                「失礼しまーす」
                「失礼します!」
「お?男子2人!」
                ガラガラガラァ…


          「えっとね、
    そっちが「おかざき よーすけ」くんで…
                  「どもです」
     おさむしとおんなじ『変態』さん 笑」

「そなんだ 笑」


   「んでこっちが「たけだ たくや」くんで…
「3ねぇんBぃ組ぃ!!」

        「絶対言うと思った 笑」

        「たくやくんは見学ね」
             「は、はじめまして!」



            しーん…



       「…おさむし、自己紹介」

「あ」
「そか、忘れてた 笑」
                   「はは‥」

「サークル創設者兼会長の、『左野治』です^^」

「2人ともここ、
 なにやるサークルかはもう聞いた?」
                    「いえ」
                   「いえ!」
「立ちながらもなんだし、取りあえず座ろうよ」
                  「あ、はい」



「先ずあそこに、
 デッカい100円玉貯金箱あるでしょ」
                   「はい?」
「あそこ」
            「はい」

「僕って敬語ニガテなんだよねぇ」
「なんで、ふつーにタメ語で」

「でもいきなりってのも難しいから…2ヶ月だっけ」

   「うん、アタシんときそうだった」

「それ以降、敬語使ったら罰金だから 笑」


                  「あのぉ…」
「ん?」

           「おさむさんって学年は…」
「3年」
   「アタシも3年」

      「じゃ敬語なしでも大丈夫か…」

「ん?」
           「あ、俺ら一浪してるんで、
             学年的には2年なんす」
              

「じゃあ今からでも大丈夫だね^^」

           「よゆーで」

「じゃあ今から罰金ね!」

             「( `д´)b オッケー!」



   「あ~あ 笑」

            「?」

   「おさむし年齢不詳だから、
    アタシ最初ん頃どれ位罰金払っただろ 笑」

                   「え!?」
         「じゃあ二浪して…23とか?」
「27」

            「へ?」

「にじゅう・なな」
               「まぢっすか!?」
   「はーい、たくやくん罰金 笑」

                     「あ」


       「じゃあ俺らが中坊の頃で既に」

           チャリン♪

「だいがくせー 笑」

「でも留年したわけじゃなくって」

「別の大学1回行って、暫くなんやかんややって…
 また大学生やってるって感じ^^」

「んでね、大学入ったのも、
 このサークルを立ち上げたかったからなんだ」

   「みんな覚悟して、おさむし話長いから 笑」

「ここはね『創造したい会』って言う
…だっせぇ名前のサークル 笑」

          「『そうぞうしたいかい』…」




「創造ってcreationの創造ね」
「シンプルに『創造会』でもよかったんだけど、
なんか新興宗教っぽいからやめた 笑」

「あぐらかいてジャンプできないし 笑」

          「ぷっ 失笑」
     「あれって浮いてるテイなのに、
    「ふん!」って勢いが滲み出てて、
      見るといっつも笑っちゃう」

「だよねー!」
「あのちょっとブレた、瞬間感満載なね! 」

           「そそ!」
     「あれ絶対笑っちゃいますよね!」


   「はーい、よーすけくん罰金 笑」

            「あ」

        「んでここは何するサークルなんす 
           …かねぇ、たかなしさん 笑」

           チャリン♪

「お!うまいこと仁美ちゃんに逃げたな!」
「…けどぉ?」
                 「けどぉ!?」
   「はーい、たくやくん罰金 笑」

「はっ 笑」
                   「えー!」
   「おさむし限定だとは誰も言ってない 笑」


           チャリン♪

「どんなものでも分野でもいいんだけどさ、
『なんかちげー』って思ったことない?」
               「んー…どうだろ」


       「…俺結構音楽好きで」
     「割といろんなの聴くんだけど」
「うん」
  「周りの人が「スゲー!」とか「うめー!」とか
     絶賛してるやつの実際のを聴くと、
     『なんかちげー』って思うかも…」 

「おー素晴らしい そういう感じのやつ」 

   「そっかあ…」  
「ん?」   
   「独り言みたいに喋れば、
    罰金回避できたのかぁ」

「確かに 笑」
「でもずっと独り言だと治さん、
 ちょっと寂しいぞ!」 

          「おさむさん、おもろい 笑」 

「『なんかちげー』ってのは確実に、
 自分にしっくりくるものがあるからこそ感じる、
 違和感みたいなもんで」

「そこを突き詰めると、実はそれが結構、
 誰も知らない新しいものだったりすんのよ」   

           「…へぇ」  

「創造ってのはさぁ、ゼロから1を生み出すもので」
「世の中には1を10に、10を
 100にぃとかしたもんがたくさんあんだけど」
「ゼロから1ってのは何気に少ないんだよね」 

「もう大学出ちゃってる大人だと、課題とか仕事を
 与えられたりってのに慣れちゃってて」
「全部が受動的になっちゃってるから
 creativeな発想ってなかなか出来ないんだよ」
「結局は誰かしらを参考にしたり真似したり」

「最近は『インスパイア』や『オマージュ』
 って言葉でパクりを正当化したりして…」
「治さん的にはそういうのって…
『なんかちげー』んだよね 笑」
「だからまだ社会に出る前の、
 大学の時期使って創造する人間をこう
 育成してやろうかと 笑」 

   「ねっ!」
   「長いでしょ~、話が  笑」 
                     「笑」
            「笑」 

「『何かを創造すること』」
「やることはそんだけなんだけどね」

   「おさむしは、泉があるから
    簡単に言うんだけどね」
   「アタシはまだ生まれる気配すらない 笑」
                    「泉?」

「頭ん中に『湧き出る泉』みたいなんがあって、
 そっから常に何かしらアイデアが出てくんのよ」

           「そういうのだったら陽介、
           似たようなもんあんじゃん」
   「ホント!」

   「おさむさんみたいに常にじゃないんだけど」
    「突然になんか思いつくことはある…」

「おお!期待の新人現る、か!」

「で、たくやくんはどうする?」
「もう200円払っちゃったけど 笑」

       「あ!そっか!俺見学だった! 笑」

「はっ 笑」

    「でもおもろそうなので、入ります! 笑」

「おお!」

「また罰金だ! 笑」

                   「あ 笑」

「あと2人なんだけど…
 1人は4年で就活理由で辞めちゃって笑」

           チャリン♪

「もう1人は、外で良さげなひとを座って探してる」

        「良さげな人を座って?」

   「分かりやすく言うと『変態探し』 笑」
                          
「僕はまだやることあるから、
 双葉ちゃんと合流したら、
 居酒屋かどっかで歓迎会してきぃ」

   「はーい♪」
               「おさむさんは?」

「僕お酒飲まないんだよ、
 居酒屋も『なんかちげー』から 笑」
「でも終わったらちょっとは顔出すつもり」

          「じゃあ双葉んとこ行くよ~」


            「あ、はい」
                ガラガラガラァ…


            「おさむしー、あとで~」

「はいよぉ」
                 「失礼しま…」

「笑」

「挨拶はもう定型文で
 染み込んじゃってるだろうから
 …許す!d( ̄  ̄)」
                     「笑」
                 「あざーす!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

じれったい夜の残像

ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、 ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。 そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。 再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。 再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、 美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

乗り換え ~結婚したい明子の打算~

G3M
恋愛
 吉田明子は職場の後輩の四谷正敏に自分のアパートへの荷物運びを頼む。アパートの部屋で二人は肉体関係を持つ。その後、残業のたびに明子は正敏を情事に誘うようになる。ある日、明子は正敏に結婚してほしいと頼みむのだが断られてしまう。それから明子がとった解決策 は……。 <登場人物> 四谷正敏・・・・主人公、工場勤務の会社員 吉田明子・・・・正敏の職場の先輩 山本達也・・・・明子の同期 松本・・・・・・正敏と明子の上司、課長 山川・・・・・・正敏と明子の上司

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...