『Love Stories。』

日向理

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Chapter.2

Episode.5

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                ガラガラガラァ…


                「おさむしぃ~」

「仁美ちゃん、どしたぁ?」

     「入会きぼーと見学者、連れてきた~」
「お?ホントに?」

          「入ってきなよ」

                「失礼しまーす」
                「失礼します!」
「お?男子2人!」
                ガラガラガラァ…


          「えっとね、
    そっちが「おかざき よーすけ」くんで…
                  「どもです」
     おさむしとおんなじ『変態』さん 笑」

「そなんだ 笑」


   「んでこっちが「たけだ たくや」くんで…
「3ねぇんBぃ組ぃ!!」

        「絶対言うと思った 笑」

        「たくやくんは見学ね」
             「は、はじめまして!」



            しーん…



       「…おさむし、自己紹介」

「あ」
「そか、忘れてた 笑」
                   「はは‥」

「サークル創設者兼会長の、『左野治』です^^」

「2人ともここ、
 なにやるサークルかはもう聞いた?」
                    「いえ」
                   「いえ!」
「立ちながらもなんだし、取りあえず座ろうよ」
                  「あ、はい」



「先ずあそこに、
 デッカい100円玉貯金箱あるでしょ」
                   「はい?」
「あそこ」
            「はい」

「僕って敬語ニガテなんだよねぇ」
「なんで、ふつーにタメ語で」

「でもいきなりってのも難しいから…2ヶ月だっけ」

   「うん、アタシんときそうだった」

「それ以降、敬語使ったら罰金だから 笑」


                  「あのぉ…」
「ん?」

           「おさむさんって学年は…」
「3年」
   「アタシも3年」

      「じゃ敬語なしでも大丈夫か…」

「ん?」
           「あ、俺ら一浪してるんで、
             学年的には2年なんす」
              

「じゃあ今からでも大丈夫だね^^」

           「よゆーで」

「じゃあ今から罰金ね!」

             「( `д´)b オッケー!」



   「あ~あ 笑」

            「?」

   「おさむし年齢不詳だから、
    アタシ最初ん頃どれ位罰金払っただろ 笑」

                   「え!?」
         「じゃあ二浪して…23とか?」
「27」

            「へ?」

「にじゅう・なな」
               「まぢっすか!?」
   「はーい、たくやくん罰金 笑」

                     「あ」


       「じゃあ俺らが中坊の頃で既に」

           チャリン♪

「だいがくせー 笑」

「でも留年したわけじゃなくって」

「別の大学1回行って、暫くなんやかんややって…
 また大学生やってるって感じ^^」

「んでね、大学入ったのも、
 このサークルを立ち上げたかったからなんだ」

   「みんな覚悟して、おさむし話長いから 笑」

「ここはね『創造したい会』って言う
…だっせぇ名前のサークル 笑」

          「『そうぞうしたいかい』…」




「創造ってcreationの創造ね」
「シンプルに『創造会』でもよかったんだけど、
なんか新興宗教っぽいからやめた 笑」

「あぐらかいてジャンプできないし 笑」

          「ぷっ 失笑」
     「あれって浮いてるテイなのに、
    「ふん!」って勢いが滲み出てて、
      見るといっつも笑っちゃう」

「だよねー!」
「あのちょっとブレた、瞬間感満載なね! 」

           「そそ!」
     「あれ絶対笑っちゃいますよね!」


   「はーい、よーすけくん罰金 笑」

            「あ」

        「んでここは何するサークルなんす 
           …かねぇ、たかなしさん 笑」

           チャリン♪

「お!うまいこと仁美ちゃんに逃げたな!」
「…けどぉ?」
                 「けどぉ!?」
   「はーい、たくやくん罰金 笑」

「はっ 笑」
                   「えー!」
   「おさむし限定だとは誰も言ってない 笑」


           チャリン♪

「どんなものでも分野でもいいんだけどさ、
『なんかちげー』って思ったことない?」
               「んー…どうだろ」


       「…俺結構音楽好きで」
     「割といろんなの聴くんだけど」
「うん」
  「周りの人が「スゲー!」とか「うめー!」とか
     絶賛してるやつの実際のを聴くと、
     『なんかちげー』って思うかも…」 

「おー素晴らしい そういう感じのやつ」 

   「そっかあ…」  
「ん?」   
   「独り言みたいに喋れば、
    罰金回避できたのかぁ」

「確かに 笑」
「でもずっと独り言だと治さん、
 ちょっと寂しいぞ!」 

          「おさむさん、おもろい 笑」 

「『なんかちげー』ってのは確実に、
 自分にしっくりくるものがあるからこそ感じる、
 違和感みたいなもんで」

「そこを突き詰めると、実はそれが結構、
 誰も知らない新しいものだったりすんのよ」   

           「…へぇ」  

「創造ってのはさぁ、ゼロから1を生み出すもので」
「世の中には1を10に、10を
 100にぃとかしたもんがたくさんあんだけど」
「ゼロから1ってのは何気に少ないんだよね」 

「もう大学出ちゃってる大人だと、課題とか仕事を
 与えられたりってのに慣れちゃってて」
「全部が受動的になっちゃってるから
 creativeな発想ってなかなか出来ないんだよ」
「結局は誰かしらを参考にしたり真似したり」

「最近は『インスパイア』や『オマージュ』
 って言葉でパクりを正当化したりして…」
「治さん的にはそういうのって…
『なんかちげー』んだよね 笑」
「だからまだ社会に出る前の、
 大学の時期使って創造する人間をこう
 育成してやろうかと 笑」 

   「ねっ!」
   「長いでしょ~、話が  笑」 
                     「笑」
            「笑」 

「『何かを創造すること』」
「やることはそんだけなんだけどね」

   「おさむしは、泉があるから
    簡単に言うんだけどね」
   「アタシはまだ生まれる気配すらない 笑」
                    「泉?」

「頭ん中に『湧き出る泉』みたいなんがあって、
 そっから常に何かしらアイデアが出てくんのよ」

           「そういうのだったら陽介、
           似たようなもんあんじゃん」
   「ホント!」

   「おさむさんみたいに常にじゃないんだけど」
    「突然になんか思いつくことはある…」

「おお!期待の新人現る、か!」

「で、たくやくんはどうする?」
「もう200円払っちゃったけど 笑」

       「あ!そっか!俺見学だった! 笑」

「はっ 笑」

    「でもおもろそうなので、入ります! 笑」

「おお!」

「また罰金だ! 笑」

                   「あ 笑」

「あと2人なんだけど…
 1人は4年で就活理由で辞めちゃって笑」

           チャリン♪

「もう1人は、外で良さげなひとを座って探してる」

        「良さげな人を座って?」

   「分かりやすく言うと『変態探し』 笑」
                          
「僕はまだやることあるから、
 双葉ちゃんと合流したら、
 居酒屋かどっかで歓迎会してきぃ」

   「はーい♪」
               「おさむさんは?」

「僕お酒飲まないんだよ、
 居酒屋も『なんかちげー』から 笑」
「でも終わったらちょっとは顔出すつもり」

          「じゃあ双葉んとこ行くよ~」


            「あ、はい」
                ガラガラガラァ…


            「おさむしー、あとで~」

「はいよぉ」
                 「失礼しま…」

「笑」

「挨拶はもう定型文で
 染み込んじゃってるだろうから
 …許す!d( ̄  ̄)」
                     「笑」
                 「あざーす!」
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