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冒険者

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「じゃあ楓、やっちゃうよ」
「おう、派手にやって良いぞ」
「うん!!」

有咲は、ロケットランチャーを構え、スケルトンの群れに照準を合わせる。

「あの2人に当たらないように、ちょっと遠めの所を…」

ドンッ!!

有咲は、ロケットランチャーの引き金を引いた。
赤色の弾が、スケルトンの群れに向かって突き進む。

ズドンッ!!

「「おお~」」

有咲が撃ったロケットランチャーの弾は、見事にスケルトンの群れの一部を吹き飛ばした。

「すげー」
「すごかったね」
「ってそれ!!」
「ふぇ?わっ!!弾が!!」

楓と有咲が目にしたのは、何もない所からロケットランチャーの弾が自動で装填されている瞬間だった。

「無限の弾か…?どんな課金アイテムだよ…」
「周回プレイヤーかな」
「まあいいや。俺は、あの2人の近くにいるスケルトンを狙い撃つとするか」

楓は、スナイパーライフルのスコープを覗き、前衛の二人をサポートする。

バンッ!!

楓が撃った弾は、赤い弾道を描き、スケルトンの頭を打ち抜いた。

「おお~当たった」
「本当に楓ってそういう所凄いと思うよ」
「そっか」
「うん!!」
「まあ話はあとにして…」
「そうだね。さっさと終わらせよっか」
「ああ、帰ったらあいつらのご飯を作らないとな」
「ふふっ、そうだね」

2人は、家で帰りを待つソフィアとレイナの下に帰るために、引き金を引く。

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
バンッ!!バンッ!!バンッ!!

「あの2人も強いな」
「そうだね」

前衛の2人もスケルトンを次々となぎ倒していた。

「伊達に冒険者ギルドの用心棒やってるわけじゃないな」
「ふふっ、そうだね」

楓と有咲は引き続き攻撃をする。
赤、緑、橙、青、紫、黄、藍色の順に、引き金を引く。

「そこそこ減ったな」
「そうだね」

戦闘開始から40分ほどが経過した。
大量にいたスケルトンの群れもかなり減っていた。

「それにしても、どうしてスケルトンの群れがアルヴァンに向かって来てたんだ?」
「どうしてだろうね」

ドンッ!!
バンッ!!

「本当にここ数日、おかしなことばかり起きるもんだ」
「確かにそうね」

ドンッ!!
バンッ!!

「何か関係あるのかなぁ」
「そうだね…」

ドンッ!!
バンッ!!

「帰ったらその辺も調べてみないとな」
「だね!!」

ドンッ!!
バンッ!!

2人は、その後もスケルトンの群れに向かって引き金を引く。




「あと5体」
「あとは前衛の2人でも大丈夫かな」
「だな」

楓と有咲は前衛の2人の様子を見ながら、周囲の警戒をする。

「周りには、魔物は居ないな」
「他の所とかどうなってんだろうね」
「分からん」

今回の依頼は、アルヴァンにを囲うように侵攻してきているスケルトンの群れを討伐するのが依頼の為、楓と有咲たちが居るところ以外でも同じようにスケルトンの群れを討伐していた。

「まあ俺たち以外にも冒険者は居るし、あの前衛の2人のような冒険者が他にもいるなら大丈夫だろ」
「それもそうだね」
「こんな事って頻繁に起きるものなんかなー」
「何かが起きてたりして」
「面倒くさいなぁ」
「だね」

2人は、この世界で何かが起きていることをどこか勘づいていた。

「おーい!!」
「お前らー!!」

前衛をやっていた2人が帰って来た。

「お前ら凄いな!!」
「流石だぜ!!」
「前衛も良かったぞ」
「うん!!」
「そうかそうか!!」
「それは良かった!!」

スケルトンの群れを討伐し終えた4人は、アルヴァンへと戻る。







「家に戻る前に冒険者ギルドに行って、依頼の報告と情報を集めるぞ」
「そうだね、他の所で何かあったかもしれないしね」

2人は、ソフィアとレイナが待つ家に帰る前に冒険者ギルドに立ち寄る。

がやがや…。

「「おお~」」

冒険者ギルドには、多くの冒険者らしき人で溢れかえっていた。

「こんなに居たんだな…」
「凄いね」

2人は、人の多さに圧倒されていた。

「この全部がスケルトンの群れの討伐をやったんだよね…?」
「多分な」
「メリッサも忙しそうだね」
「そうだな」
「とりあえず、依頼の報告だけして情報は明日にしよっか」
「賛成だ」

スケルトン討伐の依頼を済ませ、家に戻る事にした。








「「ただいま」」
「おかえりなのじゃ~」
ポヨンッ…。

楓と有咲は、家に帰るとソフィアとレイナが出迎えて暮れた。

「依頼の方はどうじゃった?」
「その件だが、ちょっと俺たちもまだ把握はしていない部分が多すぎるから何とも言えない」
「ん?どういう事なのじゃ?」
「私から説明すると、アルヴァンに向かてスケルトンの群れが侵攻しているのは本当だった。でも、どうしてそんな事になってるのかは分からなかったって感じかな」
「なるほどのぅ」
「ああ。でも俺と有咲は、少し引っかかっている」
「ふむ。それはどういう事なのじゃ?」

ソフィアは、楓と有咲が引っかかっていることが何なのか尋ねる。

「ここ数日、起きているおかしな事と今回の依頼は繋がりがあるんじゃないかって思ってる」
「ロックスでの町にヴェレヌの幽霊騒動、そして今回のスケルトンの件は何か繋がりがあるような気がするのよね」
「お主らの考えは分かるのじゃが、ヴェレヌの件は勇者が原因じゃろ?その考えで行けば、ロックスでの出来事とスケルトンの件が勇者が関係しておることにならぬか?」
「ああ」
「楓は、それも含めておかしなことが起きていると考えているんだよね」
「なるほどのぅ」
「まずは、明日また冒険者ギルドに行って情報収集だ」
「そうだね」
「うむ」

明日の予定も決まり、今日やる事はなくなった。

「そういう事で、飯にするか」
「そうだね」
「うむ!!ご飯なのじゃ~」
ポヨンッ…。









翌日、楓と有咲は冒険者ギルドに赴いた。

「なんか騒々しいな」
「まあ昨日の今日だし」
「それもそっか」
「あっ、メリッサ!」

有咲は、メリッサを見つけると急いで駆け寄った。

「有咲さん。それに楓さん。こんにちは」
「うん!」
「こんにちは」
「それで今日も依頼ですか?」
「いや、今日は昨日の件について少し気になったことがあったから来たんだが」
「ねぇメリッサ、今日はスケルトンの群れが襲いに来るみたいなのはないの?」
「はい…。今日はそのような事はないですね」

今日は、魔物がこの街を襲うみたいなことにはなっていないようだ。

「なぁ本来スケルトンというのは、どういう所に生息しているんだ?」
「スケルトンですか。基本的には、ダンジョンにしか生息していないですね」
「それが街を襲うなんて…。今までにこんな事はなかったの?」
「そうですね。こんなダンジョンの魔物が活発になるなんて今までになかったです」
「そうか」
「ねぇメリッサ」
「は、はい!」
「そのスケルトンがいるダンジョンってどこにあるか分かる?」
「分かりますけど…。そのスケルトンが生息しているダンジョンが多すぎるんですよ」
「そうなのか?」
「はい」
「だから、アルヴァンを囲うように侵攻することが出来たのね」

昨日、この街を侵攻してきたスケルトンの群れは、アルヴァンを囲うように攻めてきていた。
なぜ、囲うように攻めて来たのかという謎は解けた。

「誰か調査には行っているのか?」
「い、いえ私が把握しているだけでは、誰も行ってないはずです」
「じゃあとりあえず、行ってみるか」
「そうだね」
「分かりました。そのダンジョンは、北に3か所、南に4か所、東に2か所、西に1か所です」

スケルトンの生息するダンジョンは、10か所。
全て回るにしては、少し多すぎる。
しかし、ダンジョン攻略を行う冒険者は少ない。
基本的に依頼には、誰の利益にもならないダンジョン攻略というのは存在しないのだ。

「多いけど、仕方ないか」
「そうだね」
「すみません、報酬は出ないですが、よろしくお願いします」

楓と有咲は、メリッサに別れを告げ冒険者ギルドを後にする。
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