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Blue skinny cat
Voicing
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鈍感なのか、疲れていたのか分からない。ミアというガキは俺達が横でやっているのにまったく反応しなかった。俺達が朝起きてもまだ呑気に寝ていやがる。
俺はイーラと、そんなミアを置いて一緒にシャワーを浴びる。女だけに色々手入れに時間かかる彼女をおいてキッチンへと向かった。
何か朝飯作るかと思っているところで、ミアが起きてきて水を求めてきた。冷蔵庫からミネラルウォーターを出して渡すと、ミアはそれを美味しそうに飲み煙草を取り出す。
俺はその煙草を火を付ける前にとりあげゴミ箱に捨てる。そして、コーヒーメーカーをセットした。
ミアはムッとしたで二本目の煙草を取り出す。俺はその煙草とカウンターの置かれていた箱に入った煙草もつかみ捨てる。
「ガキがいさって煙草なんか吸うんじゃねえ」
ミアは俺を見上げ睨みつけてきやがる。
「ガキじゃない、もう二十歳は超えてる。何ならID見せようか?」
ここまで言うなら本当なんだろう。
「歌手目指してるヤツが煙草吸うのか?」
俺はフライパンをコンロにのせ火をかける。
「吸ってる歌手だって結構いるじゃん! 私だっていいでしょ! 煙草くらい」
その言い分に鼻で笑ってしまう。俺はフライパンに玉子を二つ落とし横に、ウインナーも焼く。
「良い身分だな、そんな売れてる奴らと同等に自分を考えるとは。もっと他に真似するとこあるだろ!」
レタスをちぎって洗い水気を切り、簡単に皿にのせフライドオニオンや、ナッツを散らす。
「あんた何様? ちょっとセックスしたくらいで保護者気取り?」
俺は余りにもガキな思考展開を鼻で笑ってしまう。
「セックス? あれが? 単にお前が勝手に俺にのっかってきただけだろ!
一つ言っておくがガキには元々興味ない! しかもバカで礼儀も知らないヤツは大嫌いなんだ。
セックスというのは大人同士でやるもんだ! あれはヨシヨシという子守!」
ミアは思いっきり顔を膨らませてむくれていやがる。
「ほら、コレ食え! 野菜もちゃんと食べろよ」
俺はフライパンのものを皿に移してミアの前に置いた。ミアはビックリしたように皿を見て笑いだす。
その皿の上にあるのはレタスと二玉の目玉焼きとウインナー。レタスの髪の毛にギョロ目の人物がニヤリと笑った顔のように見える。
「女子供ってそういう盛り付けが好きなんだろ? ウケたならサッサと食え」
「アンタ、いつもこんな事して、女を口説いているの?」
ケタケタ笑い続けるミアがウゼえ。
「口説くのに、こんな面倒な手順踏むか、お前痩せすぎだろ。もっと太れ。
飢えた子供にはパンを与えよ。と神様も言ってるから従ったまでだ!」
俺はトースターから出てきたパンもその皿に乗せる
「そんな事言ってたっけ?」
そう言いながらパンを手にウインナーを食べ始めるミアを確認しながら、俺はコーヒーを飲む。
「そんな感じの事を良く言ってるだろアイツは」
そんな話をしていたらイーラがやって来る。ミアのおでこに優しくキスをして、俺の唇にディープキスしてくる。
「なんか親子みたいで楽しそうね」
その言葉に俺は思いっきり嫌な顔してしまうが、ミアはケタケタ笑い出す。
「こんな風にご飯作ってくれたり、小言をいったり。アンタ結構いい父親になるんじゃね?」
ミアはとんでもない事行ってくる。つうか俺程、親になっちゃいけない男はいないだろう。
「朝飯作るくらいで良い父親になれるなら、楽な稼業なんだなパパってヤツは」
イーラは面白そうに俺を見て笑っている。
「クロックムッシュを食べたい。作って♪ パパ♪
私はフルーツ切るわね」
そう笑いリクエストをしながら冷蔵庫にいき、玉子やチーズといった材料を取り出し俺に渡した。そして、フルーツを出し俺の隣でカットし始める。
俺達を見て何故かミアが泣きそうな顔していた。皿を見るともう、食べ終わっている。
「なんだ。足りないのか? コレも一緒に食うか?」
フライパンにパンを並べながら聞くとミアはガキっぽく頷き照れたように笑い頷く。そんな幼稚な仕草もガキ丸出しだ。
俺はさらにもう一つ玉子を出して三人分のクロックムッシュを作ることにした。
そのまま三人で朝飯を食ってると、ミアが自虐的な体験談をし始める。
淫乱な母親が次々引き込むロクデナシの男からの暴力。しまいにはナイフをもっての大ゲンカになり飛び出しニューヨークにきて底辺生活を語りだす。この世界においてありふれた良くある話。
ミアは俺達に心許した訳でもなく、不幸を自慢で話しているのではない。こうして人にダメな自分を晒す事で更に自分を虐めているのだ。
相手に同情されたりさげすまれたりとそう言った反応を返される事で惨めな気持ちになる自分に酔う。本当に面倒臭い青さである。
付き合ってやる気もないので俺は「フーン」というあっさりとした反応しか返せなかった。
その後もミアはイーラとは時間が合えば食事してセックスしてとかはしていたようだ。
朝、顔合わした時は飯を食わしてやったりしたことはあっても、三人で楽しむ事はしていない。ミアに興味なんてなかったから。
しかし餌与えたのが悪かったのか懐かれて、会う度に猫のように擦り寄ってくる。そして『禁煙は続いている』とか『一週間リスカしなかったんだよ、エラいでしょ!』とか良く分からない報告を受けた。
※ ※ ※
Voicing=メロディにハーモニーを付け加えること
俺はイーラと、そんなミアを置いて一緒にシャワーを浴びる。女だけに色々手入れに時間かかる彼女をおいてキッチンへと向かった。
何か朝飯作るかと思っているところで、ミアが起きてきて水を求めてきた。冷蔵庫からミネラルウォーターを出して渡すと、ミアはそれを美味しそうに飲み煙草を取り出す。
俺はその煙草を火を付ける前にとりあげゴミ箱に捨てる。そして、コーヒーメーカーをセットした。
ミアはムッとしたで二本目の煙草を取り出す。俺はその煙草とカウンターの置かれていた箱に入った煙草もつかみ捨てる。
「ガキがいさって煙草なんか吸うんじゃねえ」
ミアは俺を見上げ睨みつけてきやがる。
「ガキじゃない、もう二十歳は超えてる。何ならID見せようか?」
ここまで言うなら本当なんだろう。
「歌手目指してるヤツが煙草吸うのか?」
俺はフライパンをコンロにのせ火をかける。
「吸ってる歌手だって結構いるじゃん! 私だっていいでしょ! 煙草くらい」
その言い分に鼻で笑ってしまう。俺はフライパンに玉子を二つ落とし横に、ウインナーも焼く。
「良い身分だな、そんな売れてる奴らと同等に自分を考えるとは。もっと他に真似するとこあるだろ!」
レタスをちぎって洗い水気を切り、簡単に皿にのせフライドオニオンや、ナッツを散らす。
「あんた何様? ちょっとセックスしたくらいで保護者気取り?」
俺は余りにもガキな思考展開を鼻で笑ってしまう。
「セックス? あれが? 単にお前が勝手に俺にのっかってきただけだろ!
一つ言っておくがガキには元々興味ない! しかもバカで礼儀も知らないヤツは大嫌いなんだ。
セックスというのは大人同士でやるもんだ! あれはヨシヨシという子守!」
ミアは思いっきり顔を膨らませてむくれていやがる。
「ほら、コレ食え! 野菜もちゃんと食べろよ」
俺はフライパンのものを皿に移してミアの前に置いた。ミアはビックリしたように皿を見て笑いだす。
その皿の上にあるのはレタスと二玉の目玉焼きとウインナー。レタスの髪の毛にギョロ目の人物がニヤリと笑った顔のように見える。
「女子供ってそういう盛り付けが好きなんだろ? ウケたならサッサと食え」
「アンタ、いつもこんな事して、女を口説いているの?」
ケタケタ笑い続けるミアがウゼえ。
「口説くのに、こんな面倒な手順踏むか、お前痩せすぎだろ。もっと太れ。
飢えた子供にはパンを与えよ。と神様も言ってるから従ったまでだ!」
俺はトースターから出てきたパンもその皿に乗せる
「そんな事言ってたっけ?」
そう言いながらパンを手にウインナーを食べ始めるミアを確認しながら、俺はコーヒーを飲む。
「そんな感じの事を良く言ってるだろアイツは」
そんな話をしていたらイーラがやって来る。ミアのおでこに優しくキスをして、俺の唇にディープキスしてくる。
「なんか親子みたいで楽しそうね」
その言葉に俺は思いっきり嫌な顔してしまうが、ミアはケタケタ笑い出す。
「こんな風にご飯作ってくれたり、小言をいったり。アンタ結構いい父親になるんじゃね?」
ミアはとんでもない事行ってくる。つうか俺程、親になっちゃいけない男はいないだろう。
「朝飯作るくらいで良い父親になれるなら、楽な稼業なんだなパパってヤツは」
イーラは面白そうに俺を見て笑っている。
「クロックムッシュを食べたい。作って♪ パパ♪
私はフルーツ切るわね」
そう笑いリクエストをしながら冷蔵庫にいき、玉子やチーズといった材料を取り出し俺に渡した。そして、フルーツを出し俺の隣でカットし始める。
俺達を見て何故かミアが泣きそうな顔していた。皿を見るともう、食べ終わっている。
「なんだ。足りないのか? コレも一緒に食うか?」
フライパンにパンを並べながら聞くとミアはガキっぽく頷き照れたように笑い頷く。そんな幼稚な仕草もガキ丸出しだ。
俺はさらにもう一つ玉子を出して三人分のクロックムッシュを作ることにした。
そのまま三人で朝飯を食ってると、ミアが自虐的な体験談をし始める。
淫乱な母親が次々引き込むロクデナシの男からの暴力。しまいにはナイフをもっての大ゲンカになり飛び出しニューヨークにきて底辺生活を語りだす。この世界においてありふれた良くある話。
ミアは俺達に心許した訳でもなく、不幸を自慢で話しているのではない。こうして人にダメな自分を晒す事で更に自分を虐めているのだ。
相手に同情されたりさげすまれたりとそう言った反応を返される事で惨めな気持ちになる自分に酔う。本当に面倒臭い青さである。
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その後もミアはイーラとは時間が合えば食事してセックスしてとかはしていたようだ。
朝、顔合わした時は飯を食わしてやったりしたことはあっても、三人で楽しむ事はしていない。ミアに興味なんてなかったから。
しかし餌与えたのが悪かったのか懐かれて、会う度に猫のように擦り寄ってくる。そして『禁煙は続いている』とか『一週間リスカしなかったんだよ、エラいでしょ!』とか良く分からない報告を受けた。
※ ※ ※
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