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大人すぎる恋はちょっと……
ハッピー? バレンタイン
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いつも友人らといくような居酒屋ではない。お洒落なイタリアンのお店で、目の前には綺麗な姉さま方。一見男としてハッピーな状況なのだが俺は首を傾げる。
『相方くん彼女いるの?』
営業でマインドという会社に訪れた時に、四十万さんからそう聞かれた。思いっきり首を横に振ってから、ため息をついてしまう。
社会人になってからすっかりそういう楽しい事がなくなってしまった。この状況に、どうしたものかと思う今日この頃。
会社の女の子とも飲みに行こうという話をしていても、何故か周りの人がそれを聞きつけているようだ。気が付けば大人数の単なる飲み会になる。相手の女性も二人っきりになろうとしていないとう事はそれだけ脈がないとも言える。
『ならば、合コンしない? 今週の金曜日♪ 』
綺麗に口紅がひかれた四十万さんの唇がニッコリと笑い、そう誘ってくる。
今週の金曜日といったら、バレンタインデー。ベタであるものの、そういう日だけに盛り上がり、恋も生まれやすいかもしれない。俺は素敵な予感を感じ元気に頷いて参加を表明した。
そして金曜日その合コンに参加する為に仕事をやりくりする。同期の仲間雪絵に白い眼で見られながらも残業一時間で切り上げお店に到着。
四十万さんとの事前の打ち合わせで『うちの会社の男性も誘いましょうか?』と言っても『大丈夫! 大丈夫! もう間に合っているから!』との事だった。
その為どういうメンバーが集うのか情報もないまま指定されたお店に到着。早めについたお店で八人の席に案内され、俺は期待を膨らませながら待っていた。
しばらくして三人のキラキラした女性がやってくる。 綺麗だがきっちりとしたアイシャドーなどのメイクされた瞳から発せられる眼力が半端ない。真っ赤な唇にどこか攻撃的な要素を感じる。
『四十万さんから噂はかねがね聞いていたわ! 痴漢を逮捕したんだって? すごいわよね! その話を聞いて会いたかったの! 本当に可愛い~!』
そんな事を言われ、彼女らが俺と同じ側に座って話し出す。そこから少しオカシイと気が付くべきだった。
三人の迫力のあるトークに圧倒され、戸惑いの方が大きく何も考えられなかったというのもある。
五分程した後四十万さんが残りのメンバー三人を連れてやってくる。そして揃ったところで乾杯となり楽しい合コンが始まった。
俺は笑顔を作りながらも『コレって、合コンではないよな』というのを今更のように気が付いていた。何がオカシイって、男女の比率が女七人男一人ってありえないだろう。
女性が大好きな俺でも、この状況はつらい。女性同士で楽しく会話しているのにそれに茶々を入れて参加するというシチュエーションならば良い。しかし全員が俺に話しかけてそれの反応を皆がするという感じなのだ。話題の中心が俺とされているので、飲みながらも一切気を抜く事が出来ない。しかも七人の女性は皆明らかに年上のバリバリのキャリアウーマン。それだけにグイグイと俺に向かってくる様子は、はっきり言うと怖い。
「相方くんは、どんな女の子が好きなの?」
隣のお姉さん、胸はCカップくらいの胸をグイグイ俺の腕に押し付けてくる。胸の柔らかさというよりも長めのネックレスが間にあってそれが痛い。
「なんだかほんわかした子かな~いつもニコニコしていて癒してくれるような。そして胸が大きい子で、そんな胸に抱きしめられたい」
酒も入っていた事もあり、つい出た本音に、お姉さま方が一瞬黙り込む。しまった、胸以外はここには全くいないタイプを言ってしまった事に気が付く。しかしここにいるタイプを言ったは言ったでややこし事になりそうだ。
四十万さんが俺を見てふいにニッコリ笑う。
「まだまだね~相方君。女性にそんな理想を追っているようでは。そんなのじゃ、彼女は出来ないわよ」
その言葉を皮切りに、『これから付き合うなら自立していて社会性がある女性にするべき!』といった意見を七人がかりで、一時間タップリ講義される。別に俺は女性に守ってもらいたい訳でもないし、養ってもらおうとも思っていない。だから付き合い結婚する女性がそこまで逞しくある必要はないと思う。
『相方くんのような男の子はそういう女性と付き合うべきよ! いい?』と力説されて会は妙な盛り上がりを見せて、よくわからない内に終了する。
会に参加した女性らは七人とも、最高に盛り上がって楽しそうだったから良いけれど、俺は異常に疲れた。
『また、合コンしましょうね~』
酔っぱらって次々抱きついてくるお姉さま方。なけなしの元気を振り絞って笑顔を作り別れてから俺は大きくため息をついた。そして手元には、高級そうなチョコレートが七つ。たぶん友人らに話したら、羨まれるバレンタインの過ごし方だとは思うものの、俺にとっては苦行の時間だった。
次からはマインドとの合コンには参加しない! と俺の中で一つの決まりが出来たバレンタインだった。
『相方くん彼女いるの?』
営業でマインドという会社に訪れた時に、四十万さんからそう聞かれた。思いっきり首を横に振ってから、ため息をついてしまう。
社会人になってからすっかりそういう楽しい事がなくなってしまった。この状況に、どうしたものかと思う今日この頃。
会社の女の子とも飲みに行こうという話をしていても、何故か周りの人がそれを聞きつけているようだ。気が付けば大人数の単なる飲み会になる。相手の女性も二人っきりになろうとしていないとう事はそれだけ脈がないとも言える。
『ならば、合コンしない? 今週の金曜日♪ 』
綺麗に口紅がひかれた四十万さんの唇がニッコリと笑い、そう誘ってくる。
今週の金曜日といったら、バレンタインデー。ベタであるものの、そういう日だけに盛り上がり、恋も生まれやすいかもしれない。俺は素敵な予感を感じ元気に頷いて参加を表明した。
そして金曜日その合コンに参加する為に仕事をやりくりする。同期の仲間雪絵に白い眼で見られながらも残業一時間で切り上げお店に到着。
四十万さんとの事前の打ち合わせで『うちの会社の男性も誘いましょうか?』と言っても『大丈夫! 大丈夫! もう間に合っているから!』との事だった。
その為どういうメンバーが集うのか情報もないまま指定されたお店に到着。早めについたお店で八人の席に案内され、俺は期待を膨らませながら待っていた。
しばらくして三人のキラキラした女性がやってくる。 綺麗だがきっちりとしたアイシャドーなどのメイクされた瞳から発せられる眼力が半端ない。真っ赤な唇にどこか攻撃的な要素を感じる。
『四十万さんから噂はかねがね聞いていたわ! 痴漢を逮捕したんだって? すごいわよね! その話を聞いて会いたかったの! 本当に可愛い~!』
そんな事を言われ、彼女らが俺と同じ側に座って話し出す。そこから少しオカシイと気が付くべきだった。
三人の迫力のあるトークに圧倒され、戸惑いの方が大きく何も考えられなかったというのもある。
五分程した後四十万さんが残りのメンバー三人を連れてやってくる。そして揃ったところで乾杯となり楽しい合コンが始まった。
俺は笑顔を作りながらも『コレって、合コンではないよな』というのを今更のように気が付いていた。何がオカシイって、男女の比率が女七人男一人ってありえないだろう。
女性が大好きな俺でも、この状況はつらい。女性同士で楽しく会話しているのにそれに茶々を入れて参加するというシチュエーションならば良い。しかし全員が俺に話しかけてそれの反応を皆がするという感じなのだ。話題の中心が俺とされているので、飲みながらも一切気を抜く事が出来ない。しかも七人の女性は皆明らかに年上のバリバリのキャリアウーマン。それだけにグイグイと俺に向かってくる様子は、はっきり言うと怖い。
「相方くんは、どんな女の子が好きなの?」
隣のお姉さん、胸はCカップくらいの胸をグイグイ俺の腕に押し付けてくる。胸の柔らかさというよりも長めのネックレスが間にあってそれが痛い。
「なんだかほんわかした子かな~いつもニコニコしていて癒してくれるような。そして胸が大きい子で、そんな胸に抱きしめられたい」
酒も入っていた事もあり、つい出た本音に、お姉さま方が一瞬黙り込む。しまった、胸以外はここには全くいないタイプを言ってしまった事に気が付く。しかしここにいるタイプを言ったは言ったでややこし事になりそうだ。
四十万さんが俺を見てふいにニッコリ笑う。
「まだまだね~相方君。女性にそんな理想を追っているようでは。そんなのじゃ、彼女は出来ないわよ」
その言葉を皮切りに、『これから付き合うなら自立していて社会性がある女性にするべき!』といった意見を七人がかりで、一時間タップリ講義される。別に俺は女性に守ってもらいたい訳でもないし、養ってもらおうとも思っていない。だから付き合い結婚する女性がそこまで逞しくある必要はないと思う。
『相方くんのような男の子はそういう女性と付き合うべきよ! いい?』と力説されて会は妙な盛り上がりを見せて、よくわからない内に終了する。
会に参加した女性らは七人とも、最高に盛り上がって楽しそうだったから良いけれど、俺は異常に疲れた。
『また、合コンしましょうね~』
酔っぱらって次々抱きついてくるお姉さま方。なけなしの元気を振り絞って笑顔を作り別れてから俺は大きくため息をついた。そして手元には、高級そうなチョコレートが七つ。たぶん友人らに話したら、羨まれるバレンタインの過ごし方だとは思うものの、俺にとっては苦行の時間だった。
次からはマインドとの合コンには参加しない! と俺の中で一つの決まりが出来たバレンタインだった。
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