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相方募集中
個人の感想です
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三月に入る前に早くも、来期から清酒さんの広報戦略企画部への異動が公表された。もう皆には見えていた展開だったので誰も驚く事なく、その事を暖かく受け入れれている。
清酒さんの抱えていた取引先は、かなり多かった。俺のグループだけでなく、営業部全体に割り振られ引き継がれる事になる。
俺達のグループには、清酒さんがより懇意にしていた企業が任された。広報戦略部に移った後も、清酒さんと関係が続きそうな会社は気心のしれた俺達に任せたかったから。
俺は自分に任せられる企業のリストを見つめる
『清酒さんに負けないように、大切に付き合っていくぞ!』と決意を新たにやる気をたぎらさていた。来月には新人も入ってくる。清酒さんのように上手くはいかないかもしれない。しかし気合いを入れて面倒みていこう。
三月の中旬、俺は清酒さんと伴ってJoy Walkerさんを訪問していた。単なる珈琲サーバー設置だけでなく他の仕事に繋がる事が多いこちらの会社。営業部でも注目度は高い。この企業を俺に任せてもらえた事は嬉しかった。それにあの癒しの煙草さんがいる。煙草さんともこれからは存分に会話を楽しみ関係を深めていけそうな事も嬉しいなと思っていた。
煙草さんは俺が清酒さんと共に訪れた姿を見てアレ? という顔をしたがニッコリとあの暖かい笑顔で俺を迎えてくれる。
二人で訪れた事で、皆事情を察したのだろう。編集長を始め編集部の人が皆集まってきた。こういうのを見ると、清酒さんって本当に営業先で愛されているんだなと思う。
「ご無沙汰しております。なかなかコチラにご挨拶出来ずに申し訳ありませんでした」
俺はそう頭を下げ挨拶して、そういえば全然最近この会社に来れていなかった事に改めて気が付く。前は年に四・五回は訪問していたのに、去年は殆ど顔を出せていなかった。
「全然来ないから、避けられていると思ったわよ!」
女編集員の井上さんが、そのようにからかってくる。なんかこのグイグイとくる感じが少し怖いが、俺はヘラリと笑顔を返す。
「そんな訳ないじゃないですか! ずっとコチラに来たかったのに、なかなか来させてもらえなくて。俺も寂しかったですよ」
井上さんはその言葉にケタケタと笑う。
「可愛い事いうじゃん! これからは、色々遊べるわね!」
出来たら、煙草さんとのほうと関係を深めて色々遊びたい。
「井上くん、可愛いからって食べちゃだめだよ」
俺にテンション高く話しかけてくる井上さんを見て、のほほんと羽毛田編集長が怖い事を言う。
その様子を清酒さんも、煙草さんもニコニコとみていた。笑いがおきオチがついたという感じの所で清酒さんが改めて口を開く。
「コイツで良ければ、お好きなように扱って下さい。
本日、Joy Walkerさんに二つばかりご報告したいことがあります」
清酒さんの言葉に、皆少し真面目な表情に戻る。煙草さんに至っては真面目くさった神妙な顔で応じていた。
「一つは、コイツを伴ってコチラに伺った事でもうバレバレですね? 私はこのたび広報戦略企画部に異動が決まりました。
今後はこの相方がJoy Walkerさんの担当を引き継ぐ事になります。どうか私同様可愛がって下さい」
井上さんが何故か『任せておいて』とニッカリと力強く頷く。
煙草さんはニコニコとコチラを見ているだけ。
「そうか~とうとう決まったのか、寂しいけど応援しているよ」
羽毛田編集長の言葉に、清酒さんはニコリと笑い、お礼を言い頭を下げる。
「でも、まあ、これからの職場は広報ですから。まだまだ羽毛田編集長にはお世話になる事も多いと思います。改めてこれからも宜しくお願いいたします」
「しかし商品開発の方には行けなかったか。分かる気はするけど」
編集長は溜息をつきながら清酒さんにそう返してくる。
お客様である編集長が、清酒さんのそういった想いを知っていたのには驚いた。それだけ深く付きあってきていたんだなと理解する。
「まあ、商品の企画から販売までをトータルに見られる。そういう意味では此方も楽しそうですので」
編集長は頷きながら、清酒さんに微笑んだ。
他の皆は『頑張って、清酒くんならバリバリ活躍できるよ』と清酒さんを応援している。それを嬉しそうに清酒さんが応え笑う。暖かい素敵な空気。
「ところで、報告が二つってもう一つは何かい? なんかお仕事でも持ってきたとか」
俺は編集長の言葉で改めて、清酒さんがそんな言葉を発していた事を思い出す。おそらくはこの部屋の人は誰も忘れていたようで興味ありげに清酒さんの顔を見る。
「いえ仕事ではなく、プライベートな事で、お恥ずかしいのですが」
そう言ってから、何故か清酒さんは視線を編集長から煙草さんに向けてニッコリと笑う。煙草さんは目をキョトンとさせて首を傾げる。
「この度、私、結婚する事になりました」
「え!」
そんな話を初めて聞いた俺は、思わず大きな声を上げる。編集部の人も想定外過ぎる報告に、一様に驚いたというかポカンとした顔をする。一番驚いたのは煙草さんのようだ。丸い目をさらに丸くして口をポカンと開けて清酒さんを見上げている。あれ? こんなにショックを受けているという事は、煙草さん清酒さんの事が好きだったのだろうか?
「あ、そうなんだ~。おめでとう……」
いち早く我に返った羽毛田編集長が、真っ当な言葉を返してくる。
「聞いてないですよ、そんなの!」
俺の言葉に清酒さんはニヤリと笑う。
「だろうな、今日初めて言うから」
何故ゆえに? それだけこの編集部と親しく付き合っているのは理解はしている。
普通そういうのは営業部長なりの上司や俺達の方が先に知っているものの筈、それに、そんな事も話して貰えないくらい俺って信用されてなかった? 思わず動揺して騒いでしまっている俺から、不思議な空気になってしまった。そんな空気も気にせずニコニコ笑う清酒さん。
「その事によって、編集部の皆さんに色々ご迷惑をおかけしてしまう面もあると思います。どうか暖かく見守って頂けると嬉しいです」
羽毛田編集長に、そう意味不明な言葉を続けてる。頭を下げてからニッコリと笑い、煙草さんを意味ありげにチラリと見る。
視線につられて見ると煙草さんの顔が真っ赤になっていた。『あ』とか『な』とか『え』とか謎の言葉を発して挙動不審な感じでワタワタしている。そこで事情がだんだん見えてきた。
「あれ? もしかして。二人は」
編集長の言葉に清酒さん頷き、煙草さんに近付きその肩に手を回す。
「隠していたわけではないのですが、実は一年程前からお付き合いしておりまして」
煙草さんは少し非難するように清酒さんを見上げる。でもその表情は惚れている男をみている女の子の顔で可愛いものだ。
「そうかだったのか~。君が、まさか……こう……。まあ、清酒くんなら…………チョッと嫌だけど…………カワイイ娘任せられるな……。
結婚式には招待してよ、一時間でも二時間でもスピーチ頑張っちゃうから。あること無いことしゃべりまくるよ~」
羽毛田編集長の言葉に清酒さんは笑顔で『約束破ってしまってすいません。大切にします。結婚式には是非! 式の日取りが決まればーー』なんて答えている。
「じゃあ、清酒くん『煙草』になってしまうの?」
田邊さんの言葉に部屋中がドッと笑い、煙草さんはブルブルと首を横にふった。
「いえ、私が清酒になります!」
大真面目に、煙草さんはそう答える。
「あの、こういう形でのご報告になってしまい申し訳ありません。
もう少しちゃんとしたスケジュールが決まってからお知らせしようと思っていたのですが……。私こういう事情で……。
煙草を辞めて清酒になることになりました!
お仕事の方は、このまま続けていきますので、これからも変わらず宜しくお願いします」
真っ赤な顔のまま、煙草さんは頭を深々と下げた。清酒さんはその様子を目を細め可愛くて溜まらないという表情をしている。会社では絶対見たことない甘い優しい表情。というか甘過ぎる。
俺の唖然とした視線に気が付いたのか、清酒さんはコチラをみてニヤリと笑う。
その笑顔の割に妙に鋭い目は『手を出すなよ! もし何かしてみろ……承知しないからな!』とハッキリ言っていた。
その眼で色々と気が付いてしまう。
以前煙草さんとのメアド交換を何気に邪魔された事。そしてあれ以来俺がJoy Walkerにいける機会が一切なくなった事。
『鬼熊さん、何処が清酒さんは恋愛に関して無器用な男なんですか~!! 滅茶苦茶要領良く器用に立ち回る人ではないですか!』
ここにはいない鬼熊さんに向かって心の中で叫ぶ。
俺は皆から、からかわれながら祝福をうけている二人を唖然と見つめるしかない。
出来る男というのは、どういう方面でも出来る行動をするようだ。邪魔なモノはさり気なく排除しつつ、チャッカリ自分は欲しい対象を手にする。どんな事でも成果を上げる男。それが清酒さんという男。清酒さんって怖い人、敵わない。
勝負なんて端からやっていないけれど、何なのだろうか? この激しすぎる敗北感。
何に対してかは分からないけれど、『頑張らねば!』と奮い立つものを感じた。
真っ赤になりながら清酒さんの横で皆に状況の説明をする煙草さんを見つめながら想う。
何処かにこういう胸がでかくて性格も顔も可愛い女の子いないかな~と周りを見渡す。すると何故か井上さんと目が合い、肉食系女子なニヤリとした笑顔で微笑まれてしまった。
俺、喰われる? 慌てて目を反らした。
まず俺がすべき事はオフェンスよりも、もしかしてディフェンス? 防弾チョッキと防牙スーツを用意しなければ。
求む、癒しの草食系女子。
俺の目標は清酒さんのような男になることから、清酒さんのように可愛い女の子と恋愛して結婚する事へと変化した。
~end~
本編はこれにて終了です。
この後数話、バレンタインに纏わる相方くんの物語があります。
清酒さんの抱えていた取引先は、かなり多かった。俺のグループだけでなく、営業部全体に割り振られ引き継がれる事になる。
俺達のグループには、清酒さんがより懇意にしていた企業が任された。広報戦略部に移った後も、清酒さんと関係が続きそうな会社は気心のしれた俺達に任せたかったから。
俺は自分に任せられる企業のリストを見つめる
『清酒さんに負けないように、大切に付き合っていくぞ!』と決意を新たにやる気をたぎらさていた。来月には新人も入ってくる。清酒さんのように上手くはいかないかもしれない。しかし気合いを入れて面倒みていこう。
三月の中旬、俺は清酒さんと伴ってJoy Walkerさんを訪問していた。単なる珈琲サーバー設置だけでなく他の仕事に繋がる事が多いこちらの会社。営業部でも注目度は高い。この企業を俺に任せてもらえた事は嬉しかった。それにあの癒しの煙草さんがいる。煙草さんともこれからは存分に会話を楽しみ関係を深めていけそうな事も嬉しいなと思っていた。
煙草さんは俺が清酒さんと共に訪れた姿を見てアレ? という顔をしたがニッコリとあの暖かい笑顔で俺を迎えてくれる。
二人で訪れた事で、皆事情を察したのだろう。編集長を始め編集部の人が皆集まってきた。こういうのを見ると、清酒さんって本当に営業先で愛されているんだなと思う。
「ご無沙汰しております。なかなかコチラにご挨拶出来ずに申し訳ありませんでした」
俺はそう頭を下げ挨拶して、そういえば全然最近この会社に来れていなかった事に改めて気が付く。前は年に四・五回は訪問していたのに、去年は殆ど顔を出せていなかった。
「全然来ないから、避けられていると思ったわよ!」
女編集員の井上さんが、そのようにからかってくる。なんかこのグイグイとくる感じが少し怖いが、俺はヘラリと笑顔を返す。
「そんな訳ないじゃないですか! ずっとコチラに来たかったのに、なかなか来させてもらえなくて。俺も寂しかったですよ」
井上さんはその言葉にケタケタと笑う。
「可愛い事いうじゃん! これからは、色々遊べるわね!」
出来たら、煙草さんとのほうと関係を深めて色々遊びたい。
「井上くん、可愛いからって食べちゃだめだよ」
俺にテンション高く話しかけてくる井上さんを見て、のほほんと羽毛田編集長が怖い事を言う。
その様子を清酒さんも、煙草さんもニコニコとみていた。笑いがおきオチがついたという感じの所で清酒さんが改めて口を開く。
「コイツで良ければ、お好きなように扱って下さい。
本日、Joy Walkerさんに二つばかりご報告したいことがあります」
清酒さんの言葉に、皆少し真面目な表情に戻る。煙草さんに至っては真面目くさった神妙な顔で応じていた。
「一つは、コイツを伴ってコチラに伺った事でもうバレバレですね? 私はこのたび広報戦略企画部に異動が決まりました。
今後はこの相方がJoy Walkerさんの担当を引き継ぐ事になります。どうか私同様可愛がって下さい」
井上さんが何故か『任せておいて』とニッカリと力強く頷く。
煙草さんはニコニコとコチラを見ているだけ。
「そうか~とうとう決まったのか、寂しいけど応援しているよ」
羽毛田編集長の言葉に、清酒さんはニコリと笑い、お礼を言い頭を下げる。
「でも、まあ、これからの職場は広報ですから。まだまだ羽毛田編集長にはお世話になる事も多いと思います。改めてこれからも宜しくお願いいたします」
「しかし商品開発の方には行けなかったか。分かる気はするけど」
編集長は溜息をつきながら清酒さんにそう返してくる。
お客様である編集長が、清酒さんのそういった想いを知っていたのには驚いた。それだけ深く付きあってきていたんだなと理解する。
「まあ、商品の企画から販売までをトータルに見られる。そういう意味では此方も楽しそうですので」
編集長は頷きながら、清酒さんに微笑んだ。
他の皆は『頑張って、清酒くんならバリバリ活躍できるよ』と清酒さんを応援している。それを嬉しそうに清酒さんが応え笑う。暖かい素敵な空気。
「ところで、報告が二つってもう一つは何かい? なんかお仕事でも持ってきたとか」
俺は編集長の言葉で改めて、清酒さんがそんな言葉を発していた事を思い出す。おそらくはこの部屋の人は誰も忘れていたようで興味ありげに清酒さんの顔を見る。
「いえ仕事ではなく、プライベートな事で、お恥ずかしいのですが」
そう言ってから、何故か清酒さんは視線を編集長から煙草さんに向けてニッコリと笑う。煙草さんは目をキョトンとさせて首を傾げる。
「この度、私、結婚する事になりました」
「え!」
そんな話を初めて聞いた俺は、思わず大きな声を上げる。編集部の人も想定外過ぎる報告に、一様に驚いたというかポカンとした顔をする。一番驚いたのは煙草さんのようだ。丸い目をさらに丸くして口をポカンと開けて清酒さんを見上げている。あれ? こんなにショックを受けているという事は、煙草さん清酒さんの事が好きだったのだろうか?
「あ、そうなんだ~。おめでとう……」
いち早く我に返った羽毛田編集長が、真っ当な言葉を返してくる。
「聞いてないですよ、そんなの!」
俺の言葉に清酒さんはニヤリと笑う。
「だろうな、今日初めて言うから」
何故ゆえに? それだけこの編集部と親しく付き合っているのは理解はしている。
普通そういうのは営業部長なりの上司や俺達の方が先に知っているものの筈、それに、そんな事も話して貰えないくらい俺って信用されてなかった? 思わず動揺して騒いでしまっている俺から、不思議な空気になってしまった。そんな空気も気にせずニコニコ笑う清酒さん。
「その事によって、編集部の皆さんに色々ご迷惑をおかけしてしまう面もあると思います。どうか暖かく見守って頂けると嬉しいです」
羽毛田編集長に、そう意味不明な言葉を続けてる。頭を下げてからニッコリと笑い、煙草さんを意味ありげにチラリと見る。
視線につられて見ると煙草さんの顔が真っ赤になっていた。『あ』とか『な』とか『え』とか謎の言葉を発して挙動不審な感じでワタワタしている。そこで事情がだんだん見えてきた。
「あれ? もしかして。二人は」
編集長の言葉に清酒さん頷き、煙草さんに近付きその肩に手を回す。
「隠していたわけではないのですが、実は一年程前からお付き合いしておりまして」
煙草さんは少し非難するように清酒さんを見上げる。でもその表情は惚れている男をみている女の子の顔で可愛いものだ。
「そうかだったのか~。君が、まさか……こう……。まあ、清酒くんなら…………チョッと嫌だけど…………カワイイ娘任せられるな……。
結婚式には招待してよ、一時間でも二時間でもスピーチ頑張っちゃうから。あること無いことしゃべりまくるよ~」
羽毛田編集長の言葉に清酒さんは笑顔で『約束破ってしまってすいません。大切にします。結婚式には是非! 式の日取りが決まればーー』なんて答えている。
「じゃあ、清酒くん『煙草』になってしまうの?」
田邊さんの言葉に部屋中がドッと笑い、煙草さんはブルブルと首を横にふった。
「いえ、私が清酒になります!」
大真面目に、煙草さんはそう答える。
「あの、こういう形でのご報告になってしまい申し訳ありません。
もう少しちゃんとしたスケジュールが決まってからお知らせしようと思っていたのですが……。私こういう事情で……。
煙草を辞めて清酒になることになりました!
お仕事の方は、このまま続けていきますので、これからも変わらず宜しくお願いします」
真っ赤な顔のまま、煙草さんは頭を深々と下げた。清酒さんはその様子を目を細め可愛くて溜まらないという表情をしている。会社では絶対見たことない甘い優しい表情。というか甘過ぎる。
俺の唖然とした視線に気が付いたのか、清酒さんはコチラをみてニヤリと笑う。
その笑顔の割に妙に鋭い目は『手を出すなよ! もし何かしてみろ……承知しないからな!』とハッキリ言っていた。
その眼で色々と気が付いてしまう。
以前煙草さんとのメアド交換を何気に邪魔された事。そしてあれ以来俺がJoy Walkerにいける機会が一切なくなった事。
『鬼熊さん、何処が清酒さんは恋愛に関して無器用な男なんですか~!! 滅茶苦茶要領良く器用に立ち回る人ではないですか!』
ここにはいない鬼熊さんに向かって心の中で叫ぶ。
俺は皆から、からかわれながら祝福をうけている二人を唖然と見つめるしかない。
出来る男というのは、どういう方面でも出来る行動をするようだ。邪魔なモノはさり気なく排除しつつ、チャッカリ自分は欲しい対象を手にする。どんな事でも成果を上げる男。それが清酒さんという男。清酒さんって怖い人、敵わない。
勝負なんて端からやっていないけれど、何なのだろうか? この激しすぎる敗北感。
何に対してかは分からないけれど、『頑張らねば!』と奮い立つものを感じた。
真っ赤になりながら清酒さんの横で皆に状況の説明をする煙草さんを見つめながら想う。
何処かにこういう胸がでかくて性格も顔も可愛い女の子いないかな~と周りを見渡す。すると何故か井上さんと目が合い、肉食系女子なニヤリとした笑顔で微笑まれてしまった。
俺、喰われる? 慌てて目を反らした。
まず俺がすべき事はオフェンスよりも、もしかしてディフェンス? 防弾チョッキと防牙スーツを用意しなければ。
求む、癒しの草食系女子。
俺の目標は清酒さんのような男になることから、清酒さんのように可愛い女の子と恋愛して結婚する事へと変化した。
~end~
本編はこれにて終了です。
この後数話、バレンタインに纏わる相方くんの物語があります。
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