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相方募集中
癒しの時間
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外に出て俺はホッとしていた。あの営業部というか、猪口のいる場所意外なら、何処でも快適な場所に思えた。嫌い、苦手の段階を越えて、猪口を見ているだけでムカムカする。もはやアレルギーレベルまでいっている気がする。
イベント会場に行くと、Joy Walkerの田邊さんと共に煙草さんがいた。挨拶と打合せを済ませ、会場設置となる。男性陣はまだ打合せを続けているので、椅子とかテーブルを運び込み作業しているのはそれ以外の人。煙草さんと今回共にイベントを主催するお菓子メーカーのレティーさんからきた女性社員。重いモノ運ばないといけない仕事なのに大変そうだ。俺はまずそちらを手伝う事にした。男手が一つあるだけでも少しは違う筈。
「ゴメンね、相方くんも作業があるのにコッチまで手伝わせてしまって」
申し訳なさそうにコチラを気遣って声をかけてくる煙草さんに俺は首を思いっきり横にふった。むしろこの仕事が美味しかった事に今更ながらに気づく。綺麗な女性に囲まれ感謝されながら和気藹々と仕事が出来るなんて楽し過ぎる。さらに煙草さんと一緒に仕事をするのも楽しかった。
煙草さんと作業をしながら改めて彼女を見ていると、本当に可愛いなぁと思う。丸い目、ふっくらとした唇、ちょこんとした鼻。柔らかい曲線だけで構成された顔は、合わさる事で何とも優しい雰囲気となっている。この顔で明るく微笑まれると堪らなく癒された。
レティーさんの広報の女性は逆にバリバリなキャリアウーマンという雰囲気。社外に出て仕事をする女性はどちらかというと自己主張をハッキリ示すこういったキツイ女性が多い。ウチの会社は人事部がそういう趣味なのか、男勝りでパワフルな女性が一般職の女性でさえ多い。それだけにあまり最近接していない、こういうソフトタイプの女性は新鮮だった。
そして今日は白いブラウスにパンツというシンプルな出で立ちにより、体のラインが良く分かる。煙草さんが意外にグラマーである事に気が付く。Cカップ? いやこれは、Dはあるかもしれない。思わずその胸の膨らみを見てニヤリとしてしまったのは、男だから仕方がない。その胸の膨らみを見て、より俺のやる気も膨らんでいく。別に変な意味ではないけれど、男のモチベーションはこういった事でも上がるものである。俺は煙草さんとの共同作業を楽しむ事にした。
会場作りも終え、珈琲サーバーの設置も完了する。皆に試飲をしてもらう為の珈琲を配っていたら、煙草さんの姿が見当たらないことに気が付いた。煙草さんの珈琲を持って探していたら、急騰室で雑巾を洗っていた。
隙あらばサボるというか、仕事を殆どしようとしないウチの新人とは違う。出来る仕事を常に探し動いている姿を見て感動してしまう。多分これが特別凄い事ではないのかも知れない。しかし酷すぎる身近にいる人物と比較してしまうと素晴らしい事に見えてしまった。
「煙草さんも、一休みしてくださいよ」
そう声をかけて、持っていた珈琲を渡す。『ありがとう』と嬉しそうにお礼を言う煙草さんに、なんかホクホクとした気分になる。
「そうだ、レティーさんから頂いたんですよ! お裾分け♪」
先程レティーの社員さんから頂いたチョコも渡すと、それを嬉しそうに開けて食べる様子がまた可愛い。食べた瞬間に子供のように喜の表情を見せる。チョコよりも煙草さんの方が美味しそう。ぷっくらした唇が意外に色っぽい。柔らかそうでキスとかしたらすっげー気持ちよさそうだ。
こんな子が自分の職場にいたら、毎日が楽しいだろうなと思う。こんな笑顔で『いってらっしゃい』『おかえりなさい』とか言われるだけで元気が出る。
煙草さんの出す、ホンワカとした雰囲気につられ、ついつい俺は色々語ってしまう。会社の愚痴とかまで。
清酒さんのいらぬ話まで口にした瞬間に流石にシマッタと思う。煙草さんの前で実は営業を辞めたがって、異動願いを出している。そんな清酒さんに対する良くない話は不味かったのかもしれない。
煙草さんは困ったような、僕を労るような顔で見つめてきているのを見ると、少し焦ってしまう。
「すいません。こんな話して」
煙草さんはニコリと笑い首を横にふる。
「気にしないで、外部の人だからこそ、話し易い事もあるよね。聞いてあげる事しか出来ないけど、私でよければ、いつでも話し相手になるよ」
その言葉に泣きそうになるほど、感動してしまう。
何? この、ここ最近感じた事のない、心癒される暖かい感動!
俺はお涙頂戴の映画のコピーのような言葉を脳内で呟いていた。
※ ※ ※
煙草さんは日本人苗字ランキング 31718位の名前。25世帯いらっしゃるそうです。タバコ エンソウ エングサさんと読まれています。
田邊さんは日本人苗字ランキング2992位です。1102世帯いらっしゃる名前。タナベ タベ゛さんと読まれています。
イベント会場に行くと、Joy Walkerの田邊さんと共に煙草さんがいた。挨拶と打合せを済ませ、会場設置となる。男性陣はまだ打合せを続けているので、椅子とかテーブルを運び込み作業しているのはそれ以外の人。煙草さんと今回共にイベントを主催するお菓子メーカーのレティーさんからきた女性社員。重いモノ運ばないといけない仕事なのに大変そうだ。俺はまずそちらを手伝う事にした。男手が一つあるだけでも少しは違う筈。
「ゴメンね、相方くんも作業があるのにコッチまで手伝わせてしまって」
申し訳なさそうにコチラを気遣って声をかけてくる煙草さんに俺は首を思いっきり横にふった。むしろこの仕事が美味しかった事に今更ながらに気づく。綺麗な女性に囲まれ感謝されながら和気藹々と仕事が出来るなんて楽し過ぎる。さらに煙草さんと一緒に仕事をするのも楽しかった。
煙草さんと作業をしながら改めて彼女を見ていると、本当に可愛いなぁと思う。丸い目、ふっくらとした唇、ちょこんとした鼻。柔らかい曲線だけで構成された顔は、合わさる事で何とも優しい雰囲気となっている。この顔で明るく微笑まれると堪らなく癒された。
レティーさんの広報の女性は逆にバリバリなキャリアウーマンという雰囲気。社外に出て仕事をする女性はどちらかというと自己主張をハッキリ示すこういったキツイ女性が多い。ウチの会社は人事部がそういう趣味なのか、男勝りでパワフルな女性が一般職の女性でさえ多い。それだけにあまり最近接していない、こういうソフトタイプの女性は新鮮だった。
そして今日は白いブラウスにパンツというシンプルな出で立ちにより、体のラインが良く分かる。煙草さんが意外にグラマーである事に気が付く。Cカップ? いやこれは、Dはあるかもしれない。思わずその胸の膨らみを見てニヤリとしてしまったのは、男だから仕方がない。その胸の膨らみを見て、より俺のやる気も膨らんでいく。別に変な意味ではないけれど、男のモチベーションはこういった事でも上がるものである。俺は煙草さんとの共同作業を楽しむ事にした。
会場作りも終え、珈琲サーバーの設置も完了する。皆に試飲をしてもらう為の珈琲を配っていたら、煙草さんの姿が見当たらないことに気が付いた。煙草さんの珈琲を持って探していたら、急騰室で雑巾を洗っていた。
隙あらばサボるというか、仕事を殆どしようとしないウチの新人とは違う。出来る仕事を常に探し動いている姿を見て感動してしまう。多分これが特別凄い事ではないのかも知れない。しかし酷すぎる身近にいる人物と比較してしまうと素晴らしい事に見えてしまった。
「煙草さんも、一休みしてくださいよ」
そう声をかけて、持っていた珈琲を渡す。『ありがとう』と嬉しそうにお礼を言う煙草さんに、なんかホクホクとした気分になる。
「そうだ、レティーさんから頂いたんですよ! お裾分け♪」
先程レティーの社員さんから頂いたチョコも渡すと、それを嬉しそうに開けて食べる様子がまた可愛い。食べた瞬間に子供のように喜の表情を見せる。チョコよりも煙草さんの方が美味しそう。ぷっくらした唇が意外に色っぽい。柔らかそうでキスとかしたらすっげー気持ちよさそうだ。
こんな子が自分の職場にいたら、毎日が楽しいだろうなと思う。こんな笑顔で『いってらっしゃい』『おかえりなさい』とか言われるだけで元気が出る。
煙草さんの出す、ホンワカとした雰囲気につられ、ついつい俺は色々語ってしまう。会社の愚痴とかまで。
清酒さんのいらぬ話まで口にした瞬間に流石にシマッタと思う。煙草さんの前で実は営業を辞めたがって、異動願いを出している。そんな清酒さんに対する良くない話は不味かったのかもしれない。
煙草さんは困ったような、僕を労るような顔で見つめてきているのを見ると、少し焦ってしまう。
「すいません。こんな話して」
煙草さんはニコリと笑い首を横にふる。
「気にしないで、外部の人だからこそ、話し易い事もあるよね。聞いてあげる事しか出来ないけど、私でよければ、いつでも話し相手になるよ」
その言葉に泣きそうになるほど、感動してしまう。
何? この、ここ最近感じた事のない、心癒される暖かい感動!
俺はお涙頂戴の映画のコピーのような言葉を脳内で呟いていた。
※ ※ ※
煙草さんは日本人苗字ランキング 31718位の名前。25世帯いらっしゃるそうです。タバコ エンソウ エングサさんと読まれています。
田邊さんは日本人苗字ランキング2992位です。1102世帯いらっしゃる名前。タナベ タベ゛さんと読まれています。
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