9 / 24
・・・・・
アンドゥ出来ないアナログの世界
しおりを挟む
私は元々絵を描くのが好きな子供だった。そんな私にとって絵の教師はネットで、デジタルアートは最高の玩具だった。
自分の描いた可愛らしい人物が、チョコチョコっとデジタルで加工するだけで最高に素敵に輝いたものになる。それをネットにアップすると皆んなから良いねと評価もされ、私はそれが嬉しくて絵の腕を磨いて行った。
そんな私が大学を芸術大学を選んだのは、自然なことだったと思う。
高校生の時にもうラノベのイラストの仕事依頼されたことで、それを実績としてAO入試で楽に大学に入学できたのもある。地方の三流大学だからそれも可能だったのだと思う。
大学生活は私にとってやることすべてが新鮮で楽しかった。
家の周りは田畑のみ、バスで三十分かかる駅前には大型スーパーと飲み屋が目立つ商店街しかない。
そんな村で暮らしていた私には、まず大学のある都市自体が観光地でもあるし華やでオシャレな場所。
そこ闊歩する自分というのも、良い感じの女になった気にさせてくれた。
私の通う美術大学の芸術学部の一年は科目は共通で総合造形科目は絵画だけでなく彫塑、版画、デジタルデザイン等の基礎学習を履修せねばならない。
それに加え造形基礎科目で色彩学、意匠研究、立体デザイン、映像制作と色々な事をやらされる。
二年で目指す学科をもう少し絞った学習をして、三年から本格的に学部が決定し自分の作品を創作するという流れ。
自分が進みたい油彩科へは遠回りに思えて最初は面倒だと思っていたが、実際やってみるとコレがなかなか面白い。
しかしそれらは極める為というよりカルチャースクールなどの短期ワークショップに近い仕様で様々な手法を知ることで自己表現の幅を広げる糧にするという感じ。
そこでその道にハマり元の目的とは違うそのまま突き詰める進路の学科を選択する人もいるようだ。
油絵科に行くことを狙っている私だが、今まで油彩をしたことがなかった私だけにここで油絵を教えてもらえたことは助かった。
美術大学でなんでそんな人が入学を? とおもうかもしれない。
そもそも田舎の小学校から高校なんて美術の時間にしかアナログの絵は描かないし、それも水彩画がせいぜい。
美術部なんてものも需要がなかったのだろう。存在すらしていなかった。
私の創作活動はデジタルが中心で、その内容も可愛い女の子や、胸キュンなイケメン男性のイラストばかり。
そんな私だから、実際に鉛筆や筆で絵を描くというアナログの世界は思った以上に戸惑いもあった。
デッサンとかも真面目にやったこともなかったし。
元々絵を描くということが好きだったことと、弘法筆を選ばずではないけど、私自身の能力もありそれなりに上手くやれていると思う。
ただアナログの面倒くささはあった。デジタル絵では自動でやってくれていた部分も全て手でいちいちやらねばならないこと。
背景もデジタルだと持ってきた画像を加工して嵌めればよかったのだがアナログ絵だとそうはいかない。
手間も時間もかかることが若干面倒だなと思ってしまった。
私が一番強くストレスを感じたのは、アナログ絵は困ったことにアンドゥができない。
間違えた部分を塗り重ねで誤魔化せる油絵やアクリル絵の具はまだ良い。
デッサンや水彩は気に食わない部分が残り続ける。
そこは何とも言えない気持ちにさせられた。
自分の描いた可愛らしい人物が、チョコチョコっとデジタルで加工するだけで最高に素敵に輝いたものになる。それをネットにアップすると皆んなから良いねと評価もされ、私はそれが嬉しくて絵の腕を磨いて行った。
そんな私が大学を芸術大学を選んだのは、自然なことだったと思う。
高校生の時にもうラノベのイラストの仕事依頼されたことで、それを実績としてAO入試で楽に大学に入学できたのもある。地方の三流大学だからそれも可能だったのだと思う。
大学生活は私にとってやることすべてが新鮮で楽しかった。
家の周りは田畑のみ、バスで三十分かかる駅前には大型スーパーと飲み屋が目立つ商店街しかない。
そんな村で暮らしていた私には、まず大学のある都市自体が観光地でもあるし華やでオシャレな場所。
そこ闊歩する自分というのも、良い感じの女になった気にさせてくれた。
私の通う美術大学の芸術学部の一年は科目は共通で総合造形科目は絵画だけでなく彫塑、版画、デジタルデザイン等の基礎学習を履修せねばならない。
それに加え造形基礎科目で色彩学、意匠研究、立体デザイン、映像制作と色々な事をやらされる。
二年で目指す学科をもう少し絞った学習をして、三年から本格的に学部が決定し自分の作品を創作するという流れ。
自分が進みたい油彩科へは遠回りに思えて最初は面倒だと思っていたが、実際やってみるとコレがなかなか面白い。
しかしそれらは極める為というよりカルチャースクールなどの短期ワークショップに近い仕様で様々な手法を知ることで自己表現の幅を広げる糧にするという感じ。
そこでその道にハマり元の目的とは違うそのまま突き詰める進路の学科を選択する人もいるようだ。
油絵科に行くことを狙っている私だが、今まで油彩をしたことがなかった私だけにここで油絵を教えてもらえたことは助かった。
美術大学でなんでそんな人が入学を? とおもうかもしれない。
そもそも田舎の小学校から高校なんて美術の時間にしかアナログの絵は描かないし、それも水彩画がせいぜい。
美術部なんてものも需要がなかったのだろう。存在すらしていなかった。
私の創作活動はデジタルが中心で、その内容も可愛い女の子や、胸キュンなイケメン男性のイラストばかり。
そんな私だから、実際に鉛筆や筆で絵を描くというアナログの世界は思った以上に戸惑いもあった。
デッサンとかも真面目にやったこともなかったし。
元々絵を描くということが好きだったことと、弘法筆を選ばずではないけど、私自身の能力もありそれなりに上手くやれていると思う。
ただアナログの面倒くささはあった。デジタル絵では自動でやってくれていた部分も全て手でいちいちやらねばならないこと。
背景もデジタルだと持ってきた画像を加工して嵌めればよかったのだがアナログ絵だとそうはいかない。
手間も時間もかかることが若干面倒だなと思ってしまった。
私が一番強くストレスを感じたのは、アナログ絵は困ったことにアンドゥができない。
間違えた部分を塗り重ねで誤魔化せる油絵やアクリル絵の具はまだ良い。
デッサンや水彩は気に食わない部分が残り続ける。
そこは何とも言えない気持ちにさせられた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
世界終わりで、西向く士
白い黒猫
ホラー
ある事故をきっかけに土岐野 廻の世界はすっかり終わってしまう。
その為、引きこもりのような孤独な生活を何年も続けていた。
暇を持て余し、暇潰しのにネットで配信されているコンテンツを漁る毎日。
色々やって飽きた廻が、次に目をつけたのはウェブラジオだった。
適当な番組を選んで聞いた事により、ギリギリの平和を保っていた廻の世界は動き出す……
11:11:11シリーズ第二弾
他の作品と世界は同じなだけなので単体で楽しめます。
小説家になろうでも公開しています。
11:11:11 世界の真ん中で……
白い黒猫
ホラー
それは何でもない日常の延長の筈だった。
いつものように朝起きて、いつものように会社にいって、何事もなく一日を終え明日を迎える筈が……。
七月十一日という日に閉じ込められた二人の男と一人の女。
サトウヒロシはこの事態の打開を図り足掻くが、世界はどんどん嫌な方向へと狂っていく。サトウヒロシはこの異常な状況から無事抜け出せるのか?

『盆綱引き』
篠崎俊樹
ホラー
福岡県朝倉市比良松を舞台に据えた、ホラー小説です。時代設定は、今から5年前という設定です。第6回ホラー・ミステリー小説大賞にエントリーいたします。大賞を狙いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
無能な陰陽師
もちっぱち
ホラー
警視庁の詛呪対策本部に所属する無能な陰陽師と呼ばれる土御門迅はある仕事を任せられていた。
スマホ名前登録『鬼』の上司とともに
次々と起こる事件を解決していく物語
※とてもグロテスク表現入れております
お食事中や苦手な方はご遠慮ください
こちらの作品は、
実在する名前と人物とは
一切関係ありません
すべてフィクションとなっております。
※R指定※
表紙イラスト:名無死 様
不労の家
千年砂漠
ホラー
高校を卒業したばかりの隆志は母を急な病で亡くした数日後、訳も分からず母に連れられて夜逃げして以来八年間全く会わなかった父も亡くし、父の実家の世久家を継ぐことになった。
世久家はかなりの資産家で、古くから続く名家だったが、当主には絶対守らなければならない奇妙なしきたりがあった。
それは「一生働かないこと」。
世久の家には富をもたらす神が住んでおり、その神との約束で代々の世久家の当主は働かずに暮らしていた。
初めは戸惑っていた隆志も裕福に暮らせる楽しさを覚え、昔一年だけこの土地に住んでいたときの同級生と遊び回っていたが、やがて恐ろしい出来事が隆志の周りで起こり始める。
経済的に豊かであっても、心まで満たされるとは限らない。
望んでもいないのに生まれたときから背負わされた宿命に、流されるか。抗うか。
彼の最後の選択を見て欲しい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
音のしない部屋〜怪談・不思議系短編集
ねぎ(ポン酢)
ホラー
短編で書いたものの中で、怪談・不思議・ホラー系のものをまとめました。基本的にはゾッとする様なホラーではなく、不思議系の話です。(たまに増えます)※怖いかなと思うものには「※」をつけてあります
(『stand.fm』にて、AI朗読【自作Net小説朗読CAFE】をやっております。AI朗読を作って欲しい短編がありましたらご連絡下さい。)
終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる