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第三種接近遭遇
不思議な女子会
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鈴木玲奈が連れていってくれたのは、魚と日本酒の美味しいという居酒屋。
彼女の雰囲気からいうと、ワインとか選びそうな気もした。とはいえ私も日本酒は嫌いでなかったので、私は素直に連れられて中に入る。
八時チョット超えたくらいだったのでお店は程よく酔っぱらいが盛り上がっているそんな時間だった。私達は一番奥ので個室風になっている雰囲気のテーブル席に案内された。
私が初めて聞く酒造会社のお酒と、つまみになるものを二・三注文される。改めて二人きりになり不自然な間が出来た。
私はどういう顔で接して良いのかも分からず緊張する。
彼女はそんな私の様子なんて気にしてないようだ。ぼんやりと壁に並べられた日本酒の瓶を眺めていた。
お通しと日本酒がやってきて、玲奈さんは私に視線を戻しニッコリと笑う。日本酒のグラスを私に捧げ持つ。
「この運命の再会に乾杯!」
玲奈さんのどうかと思う言葉。私は引き攣るものの慌てて自分もグラスをもちあげ乾杯に答える。
飲んだ日本酒は、やや辛口で独自なクセはあるものの不味くなかった。
「ごめんね、私の顔なんて見るのも嫌だったでしょ?
でも私はわかばさんにスッゴク会いたかったの、そしてお話したかったの!」
日本酒をクイっと飲み干した彼女は真面目な顔をして私に向き直り頭を下げる。
「いえ、そんな」
そう答えたものの、この後私はどんな事を言われるのか検討も着かずオドオドしていた。
自分の彼氏に手を出した泥棒猫とののしられるのか、それとも引っぱたかれるのか……。
「あの、私に話があるのですよね?」
恐いから早めに聞いてさっさとこの酒会を終わらせようと先に切り出した。
玲奈さんは「ん」と短く声を出し頷く。
「私って見ての通りガサツで細かい事も気にしないで悩みもなさそうに見えるよね?
でもあの時の事って私にとっても衝撃的で、未だに怒りが収まらない状態なの」
見た目お嬢様に見える。前半部分は首を傾げる所があるが、後半部分は、そりゃそうだろうと共感出来る事。納得も出来るので私は頷く。
玲奈さんは私の表情を見て、慌てた様に言葉を続ける。
「わかばさんにではないよ! あの口にするのも憚れるあの最低男の事! 女の敵! 未だに思い出すだけで腸煮えくり返る!」
ただただ傷付き落ち込み腑抜けになってしまった私と。しかし彼女は感情を爆発させてあの時間を過ごして来たようだ。
見た目とは異なりパワフルな女性みたい。余りにもストレートな玲奈さんの言葉に憧憬の気持ちを抱く。
何でこんな素敵な彼女がいて私とも付き合ったりしたのだろうか? とも思う。
「あの後も兎に角に頭きたからトコトンまで痛めつけておいたわよ!
わかばさんの分もアイツの事ぶん殴ってやったから。二・三十発くらい。そのあと蹴っ飛ばして……」
その後二人はどうなったのだろうか? 隆史が玲奈さんにひたすら謝り仲直りでもしたのだろうか? 今さらだが気になる。
私はショックのあまりバイトも電話一本で突然止めるという最低な事をしてしてしまった。
思い出が有りすぎる部屋にいられず、友達の住むシェアハウスに空きがでたのでそこに引っ越した。隆史とは会ってない。
スマフォに何度も電話やメールも来ていたようだ。しかし出る事も読む事しないで直ぐに着信拒否して隆史から逃げることで必死に自分を守った。だからその後の彼の事を知らない。
「その後、隆史とは?」
聞きづらかったが、気になったから思いきって尋ねてしまった。
「あなたと一緒よ、あの日を境に別れたわよ!
あんな裏切りした男となんて、無理よ」
ただ状況にびびり逃げた私とは異なり、毅然として切り捨てる玲奈さんは強いなと思う。
「でもゼミは一緒だから、その後ズッと互いに気まずいさはあったわね。
しかも私が皆にアイツの悪事を洗いざらいぶちまけたから! 周りの人からの風あたりも強く居心地はさぞ悪かったでしょうね。良い気味!」
玲奈さんは言い捨てるような口調とは異なり、寂しそうな表情で笑う。その表情で私は玲奈さんの想いというのが段々分かってくる。
「わかばさんと話したかったのは、わかばさんだけだから。
あの時の私の衝撃、怒り、悔しさ、涙、それを分かってくれるのは」
自分だけが被害者だと感じ、一人でずっと引き摺っていたあの出来事。でもここに一緒にあの時の想いを共有し分かち合える相手がいたことに気が付く。
私はホッとしたのと同時に、涙が出てきた。玲奈さんを見ると、大きな目を潤ませて私を見つめていた。
二人で見つめあったままテーブルの上に両手を出し熱い握手を交わす。この段階から変なテンションで二人は盛り上っていたのかもしれない。そして不思議な女子会がスタートした。
彼女の雰囲気からいうと、ワインとか選びそうな気もした。とはいえ私も日本酒は嫌いでなかったので、私は素直に連れられて中に入る。
八時チョット超えたくらいだったのでお店は程よく酔っぱらいが盛り上がっているそんな時間だった。私達は一番奥ので個室風になっている雰囲気のテーブル席に案内された。
私が初めて聞く酒造会社のお酒と、つまみになるものを二・三注文される。改めて二人きりになり不自然な間が出来た。
私はどういう顔で接して良いのかも分からず緊張する。
彼女はそんな私の様子なんて気にしてないようだ。ぼんやりと壁に並べられた日本酒の瓶を眺めていた。
お通しと日本酒がやってきて、玲奈さんは私に視線を戻しニッコリと笑う。日本酒のグラスを私に捧げ持つ。
「この運命の再会に乾杯!」
玲奈さんのどうかと思う言葉。私は引き攣るものの慌てて自分もグラスをもちあげ乾杯に答える。
飲んだ日本酒は、やや辛口で独自なクセはあるものの不味くなかった。
「ごめんね、私の顔なんて見るのも嫌だったでしょ?
でも私はわかばさんにスッゴク会いたかったの、そしてお話したかったの!」
日本酒をクイっと飲み干した彼女は真面目な顔をして私に向き直り頭を下げる。
「いえ、そんな」
そう答えたものの、この後私はどんな事を言われるのか検討も着かずオドオドしていた。
自分の彼氏に手を出した泥棒猫とののしられるのか、それとも引っぱたかれるのか……。
「あの、私に話があるのですよね?」
恐いから早めに聞いてさっさとこの酒会を終わらせようと先に切り出した。
玲奈さんは「ん」と短く声を出し頷く。
「私って見ての通りガサツで細かい事も気にしないで悩みもなさそうに見えるよね?
でもあの時の事って私にとっても衝撃的で、未だに怒りが収まらない状態なの」
見た目お嬢様に見える。前半部分は首を傾げる所があるが、後半部分は、そりゃそうだろうと共感出来る事。納得も出来るので私は頷く。
玲奈さんは私の表情を見て、慌てた様に言葉を続ける。
「わかばさんにではないよ! あの口にするのも憚れるあの最低男の事! 女の敵! 未だに思い出すだけで腸煮えくり返る!」
ただただ傷付き落ち込み腑抜けになってしまった私と。しかし彼女は感情を爆発させてあの時間を過ごして来たようだ。
見た目とは異なりパワフルな女性みたい。余りにもストレートな玲奈さんの言葉に憧憬の気持ちを抱く。
何でこんな素敵な彼女がいて私とも付き合ったりしたのだろうか? とも思う。
「あの後も兎に角に頭きたからトコトンまで痛めつけておいたわよ!
わかばさんの分もアイツの事ぶん殴ってやったから。二・三十発くらい。そのあと蹴っ飛ばして……」
その後二人はどうなったのだろうか? 隆史が玲奈さんにひたすら謝り仲直りでもしたのだろうか? 今さらだが気になる。
私はショックのあまりバイトも電話一本で突然止めるという最低な事をしてしてしまった。
思い出が有りすぎる部屋にいられず、友達の住むシェアハウスに空きがでたのでそこに引っ越した。隆史とは会ってない。
スマフォに何度も電話やメールも来ていたようだ。しかし出る事も読む事しないで直ぐに着信拒否して隆史から逃げることで必死に自分を守った。だからその後の彼の事を知らない。
「その後、隆史とは?」
聞きづらかったが、気になったから思いきって尋ねてしまった。
「あなたと一緒よ、あの日を境に別れたわよ!
あんな裏切りした男となんて、無理よ」
ただ状況にびびり逃げた私とは異なり、毅然として切り捨てる玲奈さんは強いなと思う。
「でもゼミは一緒だから、その後ズッと互いに気まずいさはあったわね。
しかも私が皆にアイツの悪事を洗いざらいぶちまけたから! 周りの人からの風あたりも強く居心地はさぞ悪かったでしょうね。良い気味!」
玲奈さんは言い捨てるような口調とは異なり、寂しそうな表情で笑う。その表情で私は玲奈さんの想いというのが段々分かってくる。
「わかばさんと話したかったのは、わかばさんだけだから。
あの時の私の衝撃、怒り、悔しさ、涙、それを分かってくれるのは」
自分だけが被害者だと感じ、一人でずっと引き摺っていたあの出来事。でもここに一緒にあの時の想いを共有し分かち合える相手がいたことに気が付く。
私はホッとしたのと同時に、涙が出てきた。玲奈さんを見ると、大きな目を潤ませて私を見つめていた。
二人で見つめあったままテーブルの上に両手を出し熱い握手を交わす。この段階から変なテンションで二人は盛り上っていたのかもしれない。そして不思議な女子会がスタートした。
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