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三十五センチ下の発火点
近星点
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仕事帰り駅ビルで、俺は半ば呆然としていた。女性で賑わうお洒落な空間で、巨大な背広姿の俺はハッキリ言って浮いている。
そんな俺がブティックに入ると店員はあからさまに怪訝そうな顔をする。ジロジロ見られて居心地悪いのですぐに店を出てしまう。
しかし、何故女性の物はこうも広範囲の店にチョットずつ種類かえて置いてあるのだろうか?
今日、なんでこんな所にいるのかというと、月ちゃんの誕生日プレゼントについて悩んでいるからだ。彼女の誕生日は九月十二日、俺の誕生日のピッタリ三ヶ月前。
月ちゃんのメールアドレスが『moon0912@---』という事から聞いてみたら、案の定ソレが誕生日だった。知ったからには何かあげたいし、あげたからには喜んでもらいたい。
しかし女の子へのプレゼントって悩む。何あげて良いのかまったく分からない。昔の彼女に喜ぶと思ってあげたパンダの形をしたマグカップ『何? コレ』と冷たく言われて以来、どうも人にというか女性にプレゼントを贈るのが苦手になった。
それ以降は無難に可愛いアクセサリーとか、小物とかを選ぶようにしてきた。しかし、月ちゃんってアクセサリーにしても小物にしてもチョット面白いデザインの物を付けている事が多い。
友達が作ったというビーズの指輪とか、大きいクロスのついた長めのネックレスとか。勾玉のような石が連なったエスニックな首飾りとか。普通に可愛いアクセサリーって喜ぶものなんだろうか?
そんな事考えているとカシオのショップの前を通る。月ちゃんが腕時計を結構好きだと言う事を思い出した。いつも面白いデザインの時計をしているのを思い出す。
時計ならば、俺も嫌いではないジャンルだし、俺の目からみて格好いいとか格好悪いかは判断できる。良いかもしれないと思いショップに入る。
あまり今まで気にした事の無いベビーGの時計。俺はGショックを持っているだけに小さくて見ていてなんか変な気分になる。Tripperトリッパーの時計は機能もあり、ピンクのアクセントのついたデザインも可愛いし悪くなく感じる。予定していた予算をかなり超える価格になるけれど、それでも良いと思ってしまった。
プレゼント用のラッピングにしてもらい、妙に浮ついたワクワクした気持ちでマンションに帰ることにした。
とはいえ、月ちゃんの誕生日は平日の真ん中。学生であるわけでもなく互いに仕事を抱えていると夜に待ち合わせてなんて事は難しい。俺の仕事も荒れに荒れて、再び午前様な生活が続いていた。十一日の深夜に、俺は会社でパソコンの前で大きく溜息をついていた。自分達の担当以外の所で問題が多く滞っているプロジェクトに内心うんざりしていた。ふとディスプレイの左下にある時計を見ると、それが二十三時五十九分から零時へと変わるところだった。
あ、九月十二日になった。
俺は机の上にあった携帯を手にとる。流石にこの時間に月ちゃんに電話をかけるのは悪い。なのでメール画面を呼び出す。
『誕生日おめでとう!』
その後、なんて続けるべきなんだろうか? 恋愛ドラマとかだったら、この後に気の利いた言葉を続けて良い感じに出来るのだろうけど、俺の辞書にそんな『気の利いた言葉』なんて言葉はない。
『誕生日おめでとう!
おばさんへの道に、さらに一歩進みましたな』
コレは明らかに喧嘩売っているだろう。俺は二行目を慌てて消す。
『誕生日おめでとう!
今まだ会社なんだけど、それだけ伝えたくてメールしました』
何が言いたいかよく分からない内容で、そのまま送信してしまった。
さてと、気を取り直す為に、月ちゃんと先日一緒に買ったマシュマロがやたら一杯はいったココアを作る。戻ってくると、携帯がメールを着信していた。
『ありがとう~!!
まさか、大陽くんからこんなメールくるとは思わなかった!
なんか照れくさくてニヤニヤしています。
まだ会社って、お仕事大変そうですね。
あまり無理をしないでね』
メールを読んでいる俺の顔もニヤニヤしてしまった。
気分もリフレッシュしたところで、俺はココアを飲みながら仕事に集中することにする。
※ ※ ※
頑張った甲斐もあり、十二日はなんとか十時過ぎに帰る事ができた。秋の夜風がなんとも心地よい。
俺は帰り道に、携帯を取り出し月ちゃんに電話をかける。
『おつかれさま~♪』
すると妙に陽気な月ちゃんの声が電話から聞こえてくる。
『実はね~お酒飲んできたの~』
なるほど、少し酔っぱらっているようだ。
「上機嫌ですな、百合蔵さん」
フフフという笑い声が聞こえる。
『そりゃ、友達から誕生日の最高のお祝いしてもらった後だからね~♪』
なんか、この日に直接月ちゃんと顔会わせてお祝い出来る、会社の友達がチョット羨ましくなる。同じように夜道を歩きながらの電話だったようだ。
「あのさ、ちゃんとこれは言葉で言うべきかなと……
誕生日おめでとう」
メールでお祝いは言ったけど、やはり言葉で言いたかった。息を飲む気配がして、しばらく沈黙が降りる。
俺は月ちゃんの様子が分からず電話をさらに耳に近づける。
『あ! 流れ星』
いきなり大きな月ちゃんの声が受話器から響く。ビックリした。
「そういえば、流星群 そろそろ見頃だよね」
見上げるとフッ空に光が流れる。流星群が見られるというニュースを数日前からTVでしていたのを思い出す。
『もう、この時間からも見れるんだね』
俺は、空を落ち着いて見るために、近くにあった公園へと入りそのベンチに腰掛け空を見上げる。すると再び空に光りが流れる。
「あっ、こっちでも流れた」
『うん! 私も今見た、同じ流れ星かな?』
その言葉に思わず笑ってしまう。
「多分ね、結構見れるね! あっまた!」
二人で空を見上げながら、他愛ない会話を楽しむ。
『あのさ……』
会話が途切れたタイミングで、月ちゃんがおずおずという感じで聞いてくる。
「ん?」
『なぎ左右衛門さんは、何を流れ星にお願いしているの?』
俺はその質問に首を傾げてしまう。その行動を自分自身がするという発想がなかった。ただ奇麗だなと思って眺めていた。
「別に、コレといって」
フフッという笑い声が聞こえる。それは人を馬鹿にしたような感じではなく、柔らかい感じの音だ。親しみというか、欲目をだして言えば愛情の籠もった感じ。
『らしいなと思って。だよね、星の願いなんて子供っぽいしね』
「いやそんな事ないよ、いいと思うよ、そういうのも」
そのあとに『可愛いと思う』という言葉は流石に続けられなかった。 『うーん』という声が電話の向こうから聞こえてくる。
『でもさ、願いを星に頼むなんて叶う訳ないのにね』
月ちゃんのどこか寂しげな声が響く。そういえばさっき『願い事し放題だ!』と、何か願い事をしていたかのような事を言っていたのを思い出す。
「じゃあ、さっき願っていた事諦めるの?」
また電話の向こうから『ウーン』と悩む声がする。
『いや! 星なんかに頼らずに、自分でなんとかする!』
明るい彼女の声が心地よく俺の耳に響いてきた。
「そか、頑張って! 応援しているから」
それの言葉に、月ちゃんは何故かクスクスと笑い出す。
『ありがと』
そうして、彼女が家につくまでの時間他愛ない会話を続ける。電話を切って空を見上げても、相変わらず光が奇麗に流れていた。
「星に願いか……」
俺は、つい恥ずかしい独り言を言ってしまい、苦笑して首を横にふる。今俺が何かを星に願うとしたら何を願うのだろうか?
ガラにもない事を考えてしまう自分にも笑ってしまう。
『いや! 星なんかに頼らずに、自分でなんとかする!』
先程の月ちゃんの言葉が、頭の中で蘇る。確かにそうだ、自分の求めるものは自分で手に入れてこそ価値があるのかもしれない。
俺は大きく深呼吸してもう一度空を見上げ、面白いように流れる光を楽しんだ。
そんな俺がブティックに入ると店員はあからさまに怪訝そうな顔をする。ジロジロ見られて居心地悪いのですぐに店を出てしまう。
しかし、何故女性の物はこうも広範囲の店にチョットずつ種類かえて置いてあるのだろうか?
今日、なんでこんな所にいるのかというと、月ちゃんの誕生日プレゼントについて悩んでいるからだ。彼女の誕生日は九月十二日、俺の誕生日のピッタリ三ヶ月前。
月ちゃんのメールアドレスが『moon0912@---』という事から聞いてみたら、案の定ソレが誕生日だった。知ったからには何かあげたいし、あげたからには喜んでもらいたい。
しかし女の子へのプレゼントって悩む。何あげて良いのかまったく分からない。昔の彼女に喜ぶと思ってあげたパンダの形をしたマグカップ『何? コレ』と冷たく言われて以来、どうも人にというか女性にプレゼントを贈るのが苦手になった。
それ以降は無難に可愛いアクセサリーとか、小物とかを選ぶようにしてきた。しかし、月ちゃんってアクセサリーにしても小物にしてもチョット面白いデザインの物を付けている事が多い。
友達が作ったというビーズの指輪とか、大きいクロスのついた長めのネックレスとか。勾玉のような石が連なったエスニックな首飾りとか。普通に可愛いアクセサリーって喜ぶものなんだろうか?
そんな事考えているとカシオのショップの前を通る。月ちゃんが腕時計を結構好きだと言う事を思い出した。いつも面白いデザインの時計をしているのを思い出す。
時計ならば、俺も嫌いではないジャンルだし、俺の目からみて格好いいとか格好悪いかは判断できる。良いかもしれないと思いショップに入る。
あまり今まで気にした事の無いベビーGの時計。俺はGショックを持っているだけに小さくて見ていてなんか変な気分になる。Tripperトリッパーの時計は機能もあり、ピンクのアクセントのついたデザインも可愛いし悪くなく感じる。予定していた予算をかなり超える価格になるけれど、それでも良いと思ってしまった。
プレゼント用のラッピングにしてもらい、妙に浮ついたワクワクした気持ちでマンションに帰ることにした。
とはいえ、月ちゃんの誕生日は平日の真ん中。学生であるわけでもなく互いに仕事を抱えていると夜に待ち合わせてなんて事は難しい。俺の仕事も荒れに荒れて、再び午前様な生活が続いていた。十一日の深夜に、俺は会社でパソコンの前で大きく溜息をついていた。自分達の担当以外の所で問題が多く滞っているプロジェクトに内心うんざりしていた。ふとディスプレイの左下にある時計を見ると、それが二十三時五十九分から零時へと変わるところだった。
あ、九月十二日になった。
俺は机の上にあった携帯を手にとる。流石にこの時間に月ちゃんに電話をかけるのは悪い。なのでメール画面を呼び出す。
『誕生日おめでとう!』
その後、なんて続けるべきなんだろうか? 恋愛ドラマとかだったら、この後に気の利いた言葉を続けて良い感じに出来るのだろうけど、俺の辞書にそんな『気の利いた言葉』なんて言葉はない。
『誕生日おめでとう!
おばさんへの道に、さらに一歩進みましたな』
コレは明らかに喧嘩売っているだろう。俺は二行目を慌てて消す。
『誕生日おめでとう!
今まだ会社なんだけど、それだけ伝えたくてメールしました』
何が言いたいかよく分からない内容で、そのまま送信してしまった。
さてと、気を取り直す為に、月ちゃんと先日一緒に買ったマシュマロがやたら一杯はいったココアを作る。戻ってくると、携帯がメールを着信していた。
『ありがとう~!!
まさか、大陽くんからこんなメールくるとは思わなかった!
なんか照れくさくてニヤニヤしています。
まだ会社って、お仕事大変そうですね。
あまり無理をしないでね』
メールを読んでいる俺の顔もニヤニヤしてしまった。
気分もリフレッシュしたところで、俺はココアを飲みながら仕事に集中することにする。
※ ※ ※
頑張った甲斐もあり、十二日はなんとか十時過ぎに帰る事ができた。秋の夜風がなんとも心地よい。
俺は帰り道に、携帯を取り出し月ちゃんに電話をかける。
『おつかれさま~♪』
すると妙に陽気な月ちゃんの声が電話から聞こえてくる。
『実はね~お酒飲んできたの~』
なるほど、少し酔っぱらっているようだ。
「上機嫌ですな、百合蔵さん」
フフフという笑い声が聞こえる。
『そりゃ、友達から誕生日の最高のお祝いしてもらった後だからね~♪』
なんか、この日に直接月ちゃんと顔会わせてお祝い出来る、会社の友達がチョット羨ましくなる。同じように夜道を歩きながらの電話だったようだ。
「あのさ、ちゃんとこれは言葉で言うべきかなと……
誕生日おめでとう」
メールでお祝いは言ったけど、やはり言葉で言いたかった。息を飲む気配がして、しばらく沈黙が降りる。
俺は月ちゃんの様子が分からず電話をさらに耳に近づける。
『あ! 流れ星』
いきなり大きな月ちゃんの声が受話器から響く。ビックリした。
「そういえば、流星群 そろそろ見頃だよね」
見上げるとフッ空に光が流れる。流星群が見られるというニュースを数日前からTVでしていたのを思い出す。
『もう、この時間からも見れるんだね』
俺は、空を落ち着いて見るために、近くにあった公園へと入りそのベンチに腰掛け空を見上げる。すると再び空に光りが流れる。
「あっ、こっちでも流れた」
『うん! 私も今見た、同じ流れ星かな?』
その言葉に思わず笑ってしまう。
「多分ね、結構見れるね! あっまた!」
二人で空を見上げながら、他愛ない会話を楽しむ。
『あのさ……』
会話が途切れたタイミングで、月ちゃんがおずおずという感じで聞いてくる。
「ん?」
『なぎ左右衛門さんは、何を流れ星にお願いしているの?』
俺はその質問に首を傾げてしまう。その行動を自分自身がするという発想がなかった。ただ奇麗だなと思って眺めていた。
「別に、コレといって」
フフッという笑い声が聞こえる。それは人を馬鹿にしたような感じではなく、柔らかい感じの音だ。親しみというか、欲目をだして言えば愛情の籠もった感じ。
『らしいなと思って。だよね、星の願いなんて子供っぽいしね』
「いやそんな事ないよ、いいと思うよ、そういうのも」
そのあとに『可愛いと思う』という言葉は流石に続けられなかった。 『うーん』という声が電話の向こうから聞こえてくる。
『でもさ、願いを星に頼むなんて叶う訳ないのにね』
月ちゃんのどこか寂しげな声が響く。そういえばさっき『願い事し放題だ!』と、何か願い事をしていたかのような事を言っていたのを思い出す。
「じゃあ、さっき願っていた事諦めるの?」
また電話の向こうから『ウーン』と悩む声がする。
『いや! 星なんかに頼らずに、自分でなんとかする!』
明るい彼女の声が心地よく俺の耳に響いてきた。
「そか、頑張って! 応援しているから」
それの言葉に、月ちゃんは何故かクスクスと笑い出す。
『ありがと』
そうして、彼女が家につくまでの時間他愛ない会話を続ける。電話を切って空を見上げても、相変わらず光が奇麗に流れていた。
「星に願いか……」
俺は、つい恥ずかしい独り言を言ってしまい、苦笑して首を横にふる。今俺が何かを星に願うとしたら何を願うのだろうか?
ガラにもない事を考えてしまう自分にも笑ってしまう。
『いや! 星なんかに頼らずに、自分でなんとかする!』
先程の月ちゃんの言葉が、頭の中で蘇る。確かにそうだ、自分の求めるものは自分で手に入れてこそ価値があるのかもしれない。
俺は大きく深呼吸してもう一度空を見上げ、面白いように流れる光を楽しんだ。
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