俺の部屋はニャンDK 

白い黒猫

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猫が山盛り〜♪

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「テレーズ、非常に残念だが……お前との婚約はなかったことにして欲しい」

「そんな……アルフ様。突然、婚約破棄だなんて……!」


 侯爵令息であるアルフ・デモンは私の婚約者だ。伯爵家である我がリジェント家とは仲が良かったはずなのに。どうしていきなりこんなことに……。

「済まないな、テレーズ。婚約破棄は決定事項なんだ。分かって欲しい……」


 アルフは申し訳なさそうにしているけれど、その意志は固いようだった。

「そ、そんな……う、うぐ……」

「テレーズ……済まない」


 私は涙をこぼしてしまった。アルフはそんな私を見て寄り添う決断をしたのか、一瞬、前に踏み出したけれど、それ以上は進まなかった。どうして寄り添ってくれないんだろう……私はこんなに悲しんでいるのに。


「理由は……理由はなんなのですか!?」

「それは……」


 アルフは少し考え込んでいた。どうしてここで考える必要があるんだろうか? 婚約破棄が決定しているなら、理由なんてすぐに出て来ないとおかしいのに……。

「お前との身分が違うからだよ。私は侯爵令息でお前は伯爵令嬢でしかない。身分が低い者とは……結婚する意味がないと踏んだからだ」

「そ、そんな……そんな理由で……!」


 今さらそんなことを言われても困るのは確かだった。身分が違う結婚になることは、婚約の前から分かっているんだから。それならば、その時に言ってくれた方が良かった。私はこうしてアルフと共に過ごして行くことを考えていたのに。

 その為の花嫁修業だって行っていた。決して楽な修行ではない。時にはくじけそうになったところを、彼の隣に立てる嬉しさで賄っていたことだってあるのに。私は権力なんてどうでも良かった。ただ、アルフと一緒になりたいと昔から考えていたのだ。

 それが現実になった時は……本当に嬉しかった。なのに……!


「お父様やお母様たちにも迷惑を掛けることになります……慰謝料は支払ってくださいね。アルフ様……」

「婚約破棄は認めてくれるということか?」

「認めたくはありませんが……仕方ありません。アルフ様がそう言うのでしたら」

「そうか、済まないな。しかし、残念ながら慰謝料も支払うわけにはいかないんだ。済まないがこれも分かってくれ」

「えっ!?」

 あまりのことに私は思わず立ち上がってしまう。慰謝料すら支払えないってどういうこと!?」

「婚約破棄と慰謝料の未払いを許してほしい。テレーズ……一生、私を恨んでくれても構わない。本当に済まない」

「アルフ様……これは一体……」

「……」


 アルフ様がそれ以上語ることはなかった。私はその日の内に屋敷から追い出されてしまった。でもあり得ない……あの方が……アルフ様がこんな理不尽な婚約破棄をするなんて。
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