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宙を廻る旅
宙の傷
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お洒落とまでは行かないものの、髪の毛を整えて恥ずかしくない格好に着替えて佐藤宙と会う。
人との待ち合わせをする。それがこんなに嬉しい事だったということを思い出させてくれた。
気が付けば俺の目的はこの世界からの脱出の道を探るより、佐藤宙との会話を楽しむことへズレているような気もしないことは無い。
この現象の事だけでなく自分自身の事を互いに話すようになっていた。
「という感じの兄なんですよ。
その兄への怒りが溜まってしまったのでしょうね……このループの中で一度彼に最低の事をしてしまって……」
一人でずっと心の底で後悔に苛まれていた事がある。佐藤宙はいつもの優しい表情で聞いてくれているが、こんなことか話したら軽蔑されるのでは? とも思ったがつい溜め込んでいた感情を漏らしてしまった。
ブロックしていたつもりでもつい.忘れた事でコチラにフトしたタイミングで送られてくる兄の暴言。
ある時、本当に耐えきれなくなってしまった。
『いつも俺に死ねと言い続けている兄さんに朗報です。
アンタの望み通り今日俺は死ぬ。兄さんが望み求めた悲惨な形でね。嬉しいだろ?
しかしその事を導いたアンタは一生その咎を背負い続ける事になる。
最低のクソ野郎のアンタは、愚かな事をし続けた地獄でも苦しみ続ける事が決定した。おめでとう!』
厨二病を拗らせたような文章だが、精神的に未熟で幼い兄には逆に通じる言葉だろう。
俺はそれを送ってから、その日は仕事に行き事故死のパターンを選択した。
「俺はその日死んでしまったから兄がどういう反応を示したのかは分かりません。
もしかして傷つくことも無く大喜びをしたかもしれない。自分には特別な能力があると却っていい気持ちにもなった可能性もある。
でも俺の行動は最低ですよね」
佐藤宙は困ったように笑う。
「君のした事は褒められた事ではないかもしれないけど、そういう行動をさせたのは君のお兄さんのそれまでの言動にあるからね。
相手が家族だからこそ色々ややこしいものだよね
俺もこのループの中で、家族というか母親に対してあえて傷付けるような事を発してみたりという事をしたから気持ちは分かる」
「佐藤さんもですか?!」
「拗れている母親と正常な関係に戻りたくて、このループ現象を使ってシミュレーションしたんだ。でも、無かったことになるとはいえ母を確実にその時は傷つけている。した後は嫌な気持ちになったよ」
佐藤宙はただ八つ当たりで攻撃したのとは違って、関係改善の為。根本的な今で違う事で俺は更に自己嫌悪する。
「俺はそんな事でも他愛ないと言える程、最低な事を俺はしてきた。
だから君に何も言えない
俺のしたことを知れば、君のように優しい子には信じられず、軽蔑するだろうな」
「そんな事は有り得ません! 佐藤さんが何がしたとしてもそれなりの理由があっての事だと思いますから!」
佐藤宙は顔を苦しげに顰める。
「人を殺したとしても?」
思いもしなかった言葉に俺はしばし惚ける。
「……え?」
「俺の時間のルーパー。今居ない理由がそれなんだよ」
俺は首を傾げるしかない。この世界のルールだと人を殺しても意味がない。零時を過ぎると元に戻り生き返るから。それはルーパーもそれ以外の人も同じ。
「この世界はルーパーの心を狂わせるんだ。精神的に弱い人や、欲望が強すぎる人は正気を失っていく。
周りの人間は自分が何しても、時間が経てばリセットされて元通りになる状況だけに何しても良いように感じてしまうことと、この異常な状況に精神的にやられてしまうのもある」
俺は一人で苦しんできた、途方もない時間を思い返す。
「俺の世界でまず最初に狂ったのは鈴木だった。
彼は最初はこの現象を止める為にと、Medio Del Mondoの破壊を目的として動いていた。
その為にあそこにいる人が被害にあおうとも気にせずに……やがていかに多くの人を巻き込んで殺せるかを楽しむようになっていった。
俺達も邪魔になってきたんだろう。攻撃対象が同じルーパーのコチラにも向いてきた。
異常行動を起こす前に殺すしか無いと、鈴木を殺すことにした。アイツの方が起きる時間が遅い事を利用して毎日殺し続けた」
日廻永遠の仲間の話を聞いていて、ルーパー仲間がいることを羨ましいと思っていたが、その話を聞いてゾッとする。
それなら孤独でも俺の世界の方が明らかに平和で穏やかだ。
「高橋の方は、周りのリセットされる人を人と思えなくなってしまったんだろう。
ルーパーである俺のみを仲間として執着してきて、会社の人や俺の恋人まで排除する行動をするようになり……殺しあう関係になってしまった。守らなければいけない存在と殺し合う関係になり、その事に耐えきれずに逃げた」
俺の脳裏に伊藤明日香の姿が蘇る。高橋今日子というルーパーがあの人を殺した?
ニュースの記事を見た感じは、社会人一年生という事であどけない人に見えたのに……。
「……今、二人は」
もしかして佐藤宙はその作業を終えてここにいるのだろうか?
「二人は完全に毀れてしまったからもう安全だ」
「コワレタ?」
恐る恐る聞いてしまう。なんか片言のような変な発音になった。
「狂気が最後まで進行すると、心そのものが破壊されてしまうのかな?
そうなると感情も意思もない生きた屍となる。ただ呼吸をしているだけ、歩くことも話すこともしない状態」
「そ、そうなんですか……」
その状況はまるでゾンビのように感じた。
「軽蔑するだろ?」
佐藤宙はそう言って顔を顰メル。
「いえ! むしろ尊敬します!
俺だともう何もできずただ逃げ回るだけという事になりそうです。戦う勇気もないから。
貴方は強い方だ」
俺の言葉に佐藤宙は苦く笑い顔を横に振る。
この言葉は気を遣ってとかではなく本音だった。佐藤宙はもう終わったことだとはいえ、未だに人を殺したという過去に苦しんでいる。そのことで俺も悲しいし苦しい気持ちになる。
「強くはないよ。二人をそういう形でしか止められなかった。もっと何か良いやり方もあったかもしれないのに
永遠達がいたから何とか耐えられた。あそこには優秀な精神科医レイモンドもいるし、様々な角度から相談できたことで乗り越えられた」
そう言って佐藤宙は気持ちを落ち着かせるためか大きく深呼吸をする。
「……さっきの君の兄さんの事だけど。聞いている限り、どう関わっても君を苦しめることしかない。
だからもう今後関わるのは止めるべきだと思う。
コレは昔、俺が永遠に言われた事何だけど、攻撃的な狂気を孕んだ相手と関わるなと。
相手の醜い感情に巻き込まれてはいけない。もう下手に関わって傷つかないで。俺もそれで高橋と距離をおき自分を守った」
人を殺してしまった過去にこんなにも心に傷を負っているのに、俺の些細な問題を気遣ってこうしたアドバイスをくれる佐藤宙。
こんな優しい佐藤さんをそこまで苦しめた二人が許せなかった。
不謹慎だが、同時に俺に傷を見せてくれた事が少し嬉しかった。心の距離が近づいた気がしたから。
「ありがとうございます!
俺、そういう佐藤さんの言葉で前向けます。
今の言葉だけではなく、俺は佐藤さんが来てくれたからこうして穏やかにいられます。
ここに佐藤さんがいたから救われた俺がいること分かってください!
俺の命の恩人と言っても過言でないんですから!」
俺は佐藤宙に向かって自分の気持ちをストレートに伝えることにした。
そんな俺の言葉に佐藤宙は少し戸惑うような表情を返してきた。その顔から先ほどの暗さが少し引いたように見える。
俺は佐藤宙に救われた分、俺も佐藤宙の救いを与える存在になりたいと心の底から思った。
「俺だけではないと思います。きっと日廻永遠さんたちだってそう思っているはずです! なんせ佐藤さんってなんか癒し系兄さんだから」
佐藤宙は俺の言葉に噴き出す。
「どういう見られ方だよ。君からみた俺って。
どうせなら頼れる兄貴的な感じで痛かったけど」
「もちろん頼りにもしていますよ! 兄貴!」
俺の言葉にフフフと佐藤宙は笑った。佐藤宙の表情に笑顔が戻ったことが俺は嬉しかった。
人との待ち合わせをする。それがこんなに嬉しい事だったということを思い出させてくれた。
気が付けば俺の目的はこの世界からの脱出の道を探るより、佐藤宙との会話を楽しむことへズレているような気もしないことは無い。
この現象の事だけでなく自分自身の事を互いに話すようになっていた。
「という感じの兄なんですよ。
その兄への怒りが溜まってしまったのでしょうね……このループの中で一度彼に最低の事をしてしまって……」
一人でずっと心の底で後悔に苛まれていた事がある。佐藤宙はいつもの優しい表情で聞いてくれているが、こんなことか話したら軽蔑されるのでは? とも思ったがつい溜め込んでいた感情を漏らしてしまった。
ブロックしていたつもりでもつい.忘れた事でコチラにフトしたタイミングで送られてくる兄の暴言。
ある時、本当に耐えきれなくなってしまった。
『いつも俺に死ねと言い続けている兄さんに朗報です。
アンタの望み通り今日俺は死ぬ。兄さんが望み求めた悲惨な形でね。嬉しいだろ?
しかしその事を導いたアンタは一生その咎を背負い続ける事になる。
最低のクソ野郎のアンタは、愚かな事をし続けた地獄でも苦しみ続ける事が決定した。おめでとう!』
厨二病を拗らせたような文章だが、精神的に未熟で幼い兄には逆に通じる言葉だろう。
俺はそれを送ってから、その日は仕事に行き事故死のパターンを選択した。
「俺はその日死んでしまったから兄がどういう反応を示したのかは分かりません。
もしかして傷つくことも無く大喜びをしたかもしれない。自分には特別な能力があると却っていい気持ちにもなった可能性もある。
でも俺の行動は最低ですよね」
佐藤宙は困ったように笑う。
「君のした事は褒められた事ではないかもしれないけど、そういう行動をさせたのは君のお兄さんのそれまでの言動にあるからね。
相手が家族だからこそ色々ややこしいものだよね
俺もこのループの中で、家族というか母親に対してあえて傷付けるような事を発してみたりという事をしたから気持ちは分かる」
「佐藤さんもですか?!」
「拗れている母親と正常な関係に戻りたくて、このループ現象を使ってシミュレーションしたんだ。でも、無かったことになるとはいえ母を確実にその時は傷つけている。した後は嫌な気持ちになったよ」
佐藤宙はただ八つ当たりで攻撃したのとは違って、関係改善の為。根本的な今で違う事で俺は更に自己嫌悪する。
「俺はそんな事でも他愛ないと言える程、最低な事を俺はしてきた。
だから君に何も言えない
俺のしたことを知れば、君のように優しい子には信じられず、軽蔑するだろうな」
「そんな事は有り得ません! 佐藤さんが何がしたとしてもそれなりの理由があっての事だと思いますから!」
佐藤宙は顔を苦しげに顰める。
「人を殺したとしても?」
思いもしなかった言葉に俺はしばし惚ける。
「……え?」
「俺の時間のルーパー。今居ない理由がそれなんだよ」
俺は首を傾げるしかない。この世界のルールだと人を殺しても意味がない。零時を過ぎると元に戻り生き返るから。それはルーパーもそれ以外の人も同じ。
「この世界はルーパーの心を狂わせるんだ。精神的に弱い人や、欲望が強すぎる人は正気を失っていく。
周りの人間は自分が何しても、時間が経てばリセットされて元通りになる状況だけに何しても良いように感じてしまうことと、この異常な状況に精神的にやられてしまうのもある」
俺は一人で苦しんできた、途方もない時間を思い返す。
「俺の世界でまず最初に狂ったのは鈴木だった。
彼は最初はこの現象を止める為にと、Medio Del Mondoの破壊を目的として動いていた。
その為にあそこにいる人が被害にあおうとも気にせずに……やがていかに多くの人を巻き込んで殺せるかを楽しむようになっていった。
俺達も邪魔になってきたんだろう。攻撃対象が同じルーパーのコチラにも向いてきた。
異常行動を起こす前に殺すしか無いと、鈴木を殺すことにした。アイツの方が起きる時間が遅い事を利用して毎日殺し続けた」
日廻永遠の仲間の話を聞いていて、ルーパー仲間がいることを羨ましいと思っていたが、その話を聞いてゾッとする。
それなら孤独でも俺の世界の方が明らかに平和で穏やかだ。
「高橋の方は、周りのリセットされる人を人と思えなくなってしまったんだろう。
ルーパーである俺のみを仲間として執着してきて、会社の人や俺の恋人まで排除する行動をするようになり……殺しあう関係になってしまった。守らなければいけない存在と殺し合う関係になり、その事に耐えきれずに逃げた」
俺の脳裏に伊藤明日香の姿が蘇る。高橋今日子というルーパーがあの人を殺した?
ニュースの記事を見た感じは、社会人一年生という事であどけない人に見えたのに……。
「……今、二人は」
もしかして佐藤宙はその作業を終えてここにいるのだろうか?
「二人は完全に毀れてしまったからもう安全だ」
「コワレタ?」
恐る恐る聞いてしまう。なんか片言のような変な発音になった。
「狂気が最後まで進行すると、心そのものが破壊されてしまうのかな?
そうなると感情も意思もない生きた屍となる。ただ呼吸をしているだけ、歩くことも話すこともしない状態」
「そ、そうなんですか……」
その状況はまるでゾンビのように感じた。
「軽蔑するだろ?」
佐藤宙はそう言って顔を顰メル。
「いえ! むしろ尊敬します!
俺だともう何もできずただ逃げ回るだけという事になりそうです。戦う勇気もないから。
貴方は強い方だ」
俺の言葉に佐藤宙は苦く笑い顔を横に振る。
この言葉は気を遣ってとかではなく本音だった。佐藤宙はもう終わったことだとはいえ、未だに人を殺したという過去に苦しんでいる。そのことで俺も悲しいし苦しい気持ちになる。
「強くはないよ。二人をそういう形でしか止められなかった。もっと何か良いやり方もあったかもしれないのに
永遠達がいたから何とか耐えられた。あそこには優秀な精神科医レイモンドもいるし、様々な角度から相談できたことで乗り越えられた」
そう言って佐藤宙は気持ちを落ち着かせるためか大きく深呼吸をする。
「……さっきの君の兄さんの事だけど。聞いている限り、どう関わっても君を苦しめることしかない。
だからもう今後関わるのは止めるべきだと思う。
コレは昔、俺が永遠に言われた事何だけど、攻撃的な狂気を孕んだ相手と関わるなと。
相手の醜い感情に巻き込まれてはいけない。もう下手に関わって傷つかないで。俺もそれで高橋と距離をおき自分を守った」
人を殺してしまった過去にこんなにも心に傷を負っているのに、俺の些細な問題を気遣ってこうしたアドバイスをくれる佐藤宙。
こんな優しい佐藤さんをそこまで苦しめた二人が許せなかった。
不謹慎だが、同時に俺に傷を見せてくれた事が少し嬉しかった。心の距離が近づいた気がしたから。
「ありがとうございます!
俺、そういう佐藤さんの言葉で前向けます。
今の言葉だけではなく、俺は佐藤さんが来てくれたからこうして穏やかにいられます。
ここに佐藤さんがいたから救われた俺がいること分かってください!
俺の命の恩人と言っても過言でないんですから!」
俺は佐藤宙に向かって自分の気持ちをストレートに伝えることにした。
そんな俺の言葉に佐藤宙は少し戸惑うような表情を返してきた。その顔から先ほどの暗さが少し引いたように見える。
俺は佐藤宙に救われた分、俺も佐藤宙の救いを与える存在になりたいと心の底から思った。
「俺だけではないと思います。きっと日廻永遠さんたちだってそう思っているはずです! なんせ佐藤さんってなんか癒し系兄さんだから」
佐藤宙は俺の言葉に噴き出す。
「どういう見られ方だよ。君からみた俺って。
どうせなら頼れる兄貴的な感じで痛かったけど」
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俺の言葉にフフフと佐藤宙は笑った。佐藤宙の表情に笑顔が戻ったことが俺は嬉しかった。
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