エナジークエストR

リョウタ

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第11エナジーR 「それぞれの意識の中」

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「「おまえらがやる気があるなら、そこのエナモンってやつに代わって、オレがエナジーのことをもっと教えてもいいがどうする?」


「じゃあ教わろうかな。オレもっと強くなりたいし。」


「リュウガに負けたくないわ。私は今からでも大丈夫よ。」


「オレももっとエナジーのこと勉強しよう。」


「とりあえず、おまえらの当面の目標は、エナジー使いとして最低限のエナジー値、エナジーパワー、エナジーマジックともに1000まで高めてもらう。それができなきゃ前に進めない。」


「1000ないとミクロと戦うの厳しいのか?」


「いや。シールドの問題。エナジーパワー1000ほどあれば、重力が強い星でも耐えることができるし、圧力にも耐えることができる。上空なら気圧、液体の中なら水圧、どちらも生身では耐えられないパワーだ。あと酸素を作り出す力や有害なガスを除去する力、強烈な紫外線、放射線を遮断する力、高熱、極寒にも耐える力、これらはエナジーマジックのシールドで対処しなければ、ならない。エナジーパワーと違って、エナジーマジックの方が力のコントロールが難しいがな。」


「そのための目標1000エナジーだな。よーし、頑張るぞ。」


「私は、エナジーマジックの使い方なら自信があるわ。で、まおくんだったわね?早く、エナジーの上げ方を教えて。」


「潜在エナジー力を上げるには、自分の体にある細胞の隅々から、エナジーを拾い上げてくるしかない。細胞に問いかけるんだ。エナジーよ。くれって。」


「細胞に問いかけるか。考えたこともなかった。オレのエナジーよ。身体中から、溢れろ!!」


ズズズ。


「私のエナジーも、もっと集まれ!!リュウガなんかに負けないくらい。集まって!!特にエナジーパワー!!」


ズズズ。


「オレもコイツらより強くならないと、会話にも参加させてもらえなくなりそうだから、エナジーよ。出ろ!!」


ズズズ。


「少しずつ、身体中からかき集められてきてるな。今までが雑なエナジーの使い方をしていたことがよくわかるな。」


「おっ。ほんとだ。リュウガ、アイ。エナジーが上がったな。リュウガのエナジーパワーは200だ。エナジーマジック60だ。アイは、エナジーパワー50。エナジーマジック260だ。」


「えー!!1000まで全然じゃない!!もーやだー!!」


「おっと、アイ。シールドをそのままにしろ。そのままの状態で24時間耐えろ。それが修行の第一歩だ。」


「この状態で24時間!?ちょっと待って、今、夜の8時よ?明日、学校あるし、それに見て!!今、エナジーを練っただけでこれだけの汗、無理よ。無理に決まってるわ。」


「無理なら、いつでもやめろよ。オレはおまえらが強くなろうが弱いままだろうが、どうでもいいからな。」


「そうだ。アイ。そのまま帰れ。オレはおまえよりずっと強くなるんだから。」


カチン。(アイがキレた音。)


「あんたにだけは絶対負けない。もう学校なんてどうでもいいわ。負けない!!」


「あら、アイちゃん。今日はうちで修行、いえ泊まっていくとアイちゃんのお母さんに連絡しとくわね。」


「ありがとうございます。おばさま。」


「母さん。オレらの話、いちおう聞いてんだな。母さんこそ、平然と1000人前の料理作れるし、エナジー使いの才能ありそうなんだけど。」


リュウガ、アイ、エナモンは、シールドを展開したまま、一時間が過ぎた。


「おまえら、三人とも限界スレスレだな。」


リュウガとアイは、シールドを張って数分は言い合いをしていたものの、10分が経過すると疲労のあまり声も出なくなっていた。


マラソンをしているときのように、身体中の汗がダラダラ溢れており、意識も飛びかけていた。


「意識がもうろうしているな。」


バタン。


リュウガ、アイ、エナモンは、弱ったシールドを出したまま倒れこんだ。


ーリュウガの意識ー


だめだ。体が動かない。シールドも切れてエナジーもなくなる。身体中が痛え。普段、練らない以上のエナジーを練ったからだ。クソ。オレはこれまでなのか。


リュウガが目を閉じると、まぶたからキラキラ光を感じた。


なんだ?このかがやき?キレイだな。なんだか気持ちも良いし、眠くなってきた。このまま寝てしまったらどんなに幸せなんだろう?あれ?そもそも小学生の
オレがなんでこんなことしてるんだっけ?もうなんでもいいや。


情けない。


ん?だれ?だれの声?


オレはおまえだ。おまえの体を支えている約40兆個の細胞だ。


あっ。どうも。


どうもじゃねーだろ!!このままだったらおまえ死ぬのわかってる?


えっ。それはまずいけど。もうしんどすぎてどうでも良くなってきたんだけど。


そんなしんどさ普通の生物たちはみんなやってんの!!おまえ強くなりたいんじゃないの?


まあ最低アイよりは・・・。


だったら死ぬ気でガンバレよ。強くなるには何度も何度も死ぬ気でやんなきゃ強くなれんの!!ったく。


へーい。がんばりやす。でもオレほんと、もう体からエナジー出ないんだけど。


オレら、おまえの細胞がエナジーを捻り出す。しかし、捻り出した後はさらにエナジーの出し尽くしの疲労感が増す。それは地獄の苦痛だ。それを何度も何度も何度も繰り返し、意識も飛びながら、またオレらと会い続けろ。そしたら、おまえら、アイもエナモンもエナジー使いとしてモノになる。


へーい。この話覚えてたら、言っとく。


リュウガの体の隅々から、エナジーが湧き始めていた。


プシュー!!


「とりあえず、リュウガはエナジー使いの初歩中の初歩に目覚めつつ、あるな。アイとエナモンはどうかな?」


ーアイの意識ー


苦しい。死ぬー。私ってば、何でこんなことしているだっけ?こんなことしているヒマないわよね?私は検事さんになるのよ。こんなことしている場合じゃない!!早く帰って勉強しなきゃって体も動かない。意識も飛ぶ。もう終わり。


ちょっとあんた、いい加減にしなさい!!


私に向かってあんたとは何よ?ってか私に話しかけているあんた何なのよ?


私はあなたよ!!あなたの細胞!!


あんたが死にかけているから、力を貸してあげようとしているのよ!!それくらい察しなさい!!マヌケ!!


は?あんた・・・。あなたって言ったり、あんたって言ったり、言っていることがめちゃくちゃよ!!だれがあんたなんかの力なんか借りるか!!死ね!!


アイは細胞の力を借りずに、自力でエナジーの力を底上げし、さらに体中の隅々からエナジーをかき集め、シールドを継続させた。


「この女。なかなかの精神力だ。常人を超えている。これならば、期待できるかもな。さて、小動物は?」


ーエナモンの意識ー


オレ、完全にリュウガ、アイの中では脇役だ。どうせオレが最初に殺されるんだろ?それでどうせ、リュウガが怒って「エナモンのことかー!!」って言って、怒りでパワーアップするんだろ?わかってるって。どうせオレってその程度の存在なんだろ?


そうかもしれない。でもそうじゃないかもしれない。


えっ。誰?オレの意識の中に誰かいる?


オレだよ。おまえだよ。おまえの細胞だよ。こんちは。


あっ。こんちは。どうしたの?


たぶんだけど、リュウガは死なないと思う。主人公だし、前回死んでるから。今回は早々に死なないでしょ?だから、アイかおまえが死ぬのは明らか。でも、そんなのわからないよ。とりあえず、今の死線を乗り越えて、すぐ死なないように、できるだけ前線を避け、サポート能力を強化しようよ。そしたら、戦うこと少なくなるかもしれないし、あのクマとゴリラを弾よけに使えるかもしれないし。


あっ。さすが。オレ。頭、いい。そうするよ。そうする。よーし、頑張るぞ!!


エナモンはエナモンの細胞と和解し、細胞から更なるエナジーを捻り出してもらい、見事シールドを継続させた。


「うわー。こいつら、ホント三人(?)とも多種多様。」


つづく。
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