エナジークエスト

リョウタ

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第66エナジー  「『竜牙』の最強の力」

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「エナジー体」。


「竜牙」は物心ついた頃から、自分がもう一人いることに気づいた。


それが、「エナジー体」だった。


自由に空を駆け巡ることができ、空から降ってくる化け物どもを拳一つで撃退してきた。


空を飛んだり、化け物を倒すこと以外に、自分の体をイメージ通りに変化することができることに気づいた。


腕を伸ばしたり、足を伸ばしたりして遊んだ時期もあった。


もう少し高等な遊び方では、「竜牙」は目が細いことにコンプレックスを感じていたので、目を大きくさせたり、ツンツン頭にしたり(自身のくせ毛にもコンプレックスがある)、エナジー体で理想の自分の体を作ったりしては虚しくなったりしていた。


「愛」たちとエナジー使いであることを打ち明けてからは、エナジー体で巨人化できることもわかった。


だが、それはエナジー体にとって大した能力ではなかったのだ。


「竜牙」のエナジー体は、エナジーを使用することもなく、「竜牙」本体が何の苦労や痛みも伴うこともなく、ノーリスクで「竜牙」エナジー体を無限に生産し続けることができるのだ。「竜牙」が「増えろ」と願うだけ。


「竜牙」エナジー体の現時点のエナジー力は「1500万」(サンライト・エナジー抜きで)。


今、「ケミエナ星」でマクロ体「炎の三戦士」と交戦中の「竜牙」。


10万体の「竜牙」が、「フレアミスト」の周りを囲っている。その10万体全てが、「1500万」もエナジーを保有している。







「おい。変態女。俺の首から手を離せ。」


「フレアミスト」は、首だけの「竜牙」を抱きかかえている。


周りにいる500人ほどの「竜牙」が、「フレアミスト」の腕に集中的に「斥力」を掛け、無理やり「竜牙」の首から引き離した。


バチ!!(「フレアミスト」が引き離された音)


生首だけだった「竜牙」は、なくなった胴体を瞬時に再生させた。


「『竜牙』ちゃん。数が増えたからって調子に乗らないでね。あたしの『ビッグ・フレアボール』でみんな死になさい。」


「フレアミスト」は「ケミエナ星」の上空で作っていた超巨大な星ほどの大きさの「フレアボール」を、「竜牙」たちや「ケミエナ星」目掛けて放った。


すごい勢いで落ちてくる「フレアボール」。炎の強大なボールだけあって、まだ落ちてきてもいないのに、高温により「ケミエナ星」全土は炎に包まれた。


「おーい。俺らどうする?」


「やっぱあれじゃない?」


「おーあれか?それ最高!!」


「竜牙」10万体は何やら盛り上がっている。


「竜牙」エナジー体の1000人ほどは、「ケミエナ星」の消火活動にあたった。炎をエナジーで吸収するためだ。


残りの9万9000人は、全員「フレアボール」にしがみつき、全員で炎を吸収し始めた。


先ほどは「竜牙」が一人で「フレアボール」を吸収しようとして、吸収の許容を超えてしまったが、9万9000人がかりだと余裕で炎を吸収し尽くすことができた。


巨大な「フレアボール」から炎が無くなると、ただの「エナジーボール」になってしまった。このただの「エナジーボール」に「竜牙」たち9万9000人は、自身のエナジーを込め始めた。


この超巨大「エナジーボール」を上空にいる「フレアミスト」に送り返したのである。引力付きで。「竜牙」たちの強力なエナジーもおまけ付きで。


「ちょっと『竜牙』ちゃん。やめて。あっ。逃げられない。ああああああ~。ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ~。『竜牙』ちゃああああああああああああああああああん。『黒竜』さまああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」


「フレアミスト」の体は粉々に消滅し、マクロ体に存在する「核」も消滅した。


次回。  第67エナジー  「兵器」
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