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第31エナジー 「夢」
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朝、7時15分。「竜牙」の目覚まし時計が鳴り響いた。
「う~。もう朝か。なんか昨日はイヤな夢をみたな~。」
窓を開けると、太陽の日差しが激しく、太陽光を吸収するには絶好の日和だった。「竜牙」はエナジー体を発現させ、「サンライト・エナジー」を強化するため、エナジー体を空高く飛ばし、ひなたぼっこさせた。
小学校に向かう途中、「竜牙」は珍しく考えごとをしながら歩いていた。昨日の夢の内容が恐すぎたのだ。夢の中では「愛」や「良太」にかっこいいことを言ったような気がするが、やっぱり「さこ」が言っていたようにエナジーの使用をやめさせようと考え直していた。
小学校の校門では、珍しく報道関係の方たちがたくさん集まっていた。芸能人でもきてるのかなっと思った「竜牙」だったが、いきなりインタビューされた。
「この学校の生徒さんですか?『鈴中 愛』さん『田中 良太』くんを知っていますか?昨日から行方不明なんですよ?お知り合いですか?」
この大人たちは何を言っているのか?と「竜牙」は思った。
「竜牙」は自分の教室に着いた。同じクラスの生徒たちも大騒ぎをしていた。
「おい。『竜牙』!!おまえ『良太』と仲良いだろ?なんでいなくなったのか知らねーのか?」
「『唯』くん。(「竜牙」の名字)『愛』ちゃん。どこいったの?連絡取れないそうなのよ。私、恐い。」
先生が来て、朝の会が始まった。先生の話では、マスコミは突如いなくなった「愛」と「良太」が神隠しにあったと騒いでいるようだ。そして、先生からも
「『竜牙』。ほんとに二人のこと知らないか?些細なことでもいいんだ。何か知っていたら教えてくれ。」
俺は何にも知らない。だって昨日ことは夢に決まってるし、二人のことだ。エナジー修行だとか言って、宇宙に出て行ったに決まっている。俺もエナジー体の充電が完了したら、宇宙に行こう。あいつらを探すんだ。
俺は頭の中ではポジティブに考えていた。だが、徐々に心のどこかが濁りを感じるような気持ちの悪い感覚に襲われて、今日一日授業に集中することができなかった。(いつもしていない)
学校が終わり、「竜牙」は帰宅途中、以前「まこ」たちがエナジーが使えなくなって、落下して大きな穴ができた公園に寄った。
「竜牙」はブランコに乗りながら、現実を受け入れつつあった。昨日起こったことは、全て現実だということを。あいつら、本当に死んでしまったのか?そんな終わり方ってあるか。死ぬときの最後ってみんなに病院で見守られながら死ぬんじゃないのか?ひいおじいちゃんが死んだときみたいな感じじゃないのか?こんなことって絶対ありえない。嘘に決まっている。
「竜牙」はエナジー体を発現させ、自身のエナジーを研ぎ澄ませ、他人のエナジーをどうすれば、探索することができるのか、考えた。
そのとき、公園にある大きな穴の中から、モゾモゾと何かが動いているのを感じた。
「『愛』!!『良太』!!もしかしてそこにいるのか?」
穴の中から、飛び出てきた。「まこ」だった。
「あれ?『まこ』じゃん。おまえら地球から出て行ったんじゃねーの?」
「は?なんの話だ?オレはずーと『エナジー無効化リボン』を付けたまま、エナジーなしで地球の最深部まで行ってきたぜ。マグマがドロドロだったぜ。いい風呂にだったぜ。」
「『さこ』たちは二日ほど前に『恐竜星』に行ったぜ。」
「はぁ~?なんであんな弱小ミクロどもの星に行ったんだ?どうせ『まよ』のワガママだろ。あいつ一度シメる。それにしても『竜牙』。元気ないな。」
「まこ」は「エナジー無効化リボン」を外した。
「おっ。久しぶりのエナジー。エナジーなしの方が弱い奴の気持ちがわかるから面白いけど、今の状況をいち早く知るためにはやっぱエナジーが便利だな。そうか、マクロのエナジーの残留とミクロのエナジーの消滅が感じ取れるな。どこかのマクロが来て、「愛」と「良太」が死んだか。」
「死んでない。」
「おまえ、その場いたんだろ?なぜ、嘘をつく?」
「『愛』と『良太』は別の星に行ってるんだ!!」
「無理だ。やつらのエナジーでは、月以外の惑星に辿り着くためには何十年もかかるだろう。弱小ミクロだからな。それより現実を受け入れろ。先に進めんぞ。おまえはどうしたい?そのマクロを殺したいのか?」
「俺は・・・。」
次回。 第32エナジー 「対策」
「う~。もう朝か。なんか昨日はイヤな夢をみたな~。」
窓を開けると、太陽の日差しが激しく、太陽光を吸収するには絶好の日和だった。「竜牙」はエナジー体を発現させ、「サンライト・エナジー」を強化するため、エナジー体を空高く飛ばし、ひなたぼっこさせた。
小学校に向かう途中、「竜牙」は珍しく考えごとをしながら歩いていた。昨日の夢の内容が恐すぎたのだ。夢の中では「愛」や「良太」にかっこいいことを言ったような気がするが、やっぱり「さこ」が言っていたようにエナジーの使用をやめさせようと考え直していた。
小学校の校門では、珍しく報道関係の方たちがたくさん集まっていた。芸能人でもきてるのかなっと思った「竜牙」だったが、いきなりインタビューされた。
「この学校の生徒さんですか?『鈴中 愛』さん『田中 良太』くんを知っていますか?昨日から行方不明なんですよ?お知り合いですか?」
この大人たちは何を言っているのか?と「竜牙」は思った。
「竜牙」は自分の教室に着いた。同じクラスの生徒たちも大騒ぎをしていた。
「おい。『竜牙』!!おまえ『良太』と仲良いだろ?なんでいなくなったのか知らねーのか?」
「『唯』くん。(「竜牙」の名字)『愛』ちゃん。どこいったの?連絡取れないそうなのよ。私、恐い。」
先生が来て、朝の会が始まった。先生の話では、マスコミは突如いなくなった「愛」と「良太」が神隠しにあったと騒いでいるようだ。そして、先生からも
「『竜牙』。ほんとに二人のこと知らないか?些細なことでもいいんだ。何か知っていたら教えてくれ。」
俺は何にも知らない。だって昨日ことは夢に決まってるし、二人のことだ。エナジー修行だとか言って、宇宙に出て行ったに決まっている。俺もエナジー体の充電が完了したら、宇宙に行こう。あいつらを探すんだ。
俺は頭の中ではポジティブに考えていた。だが、徐々に心のどこかが濁りを感じるような気持ちの悪い感覚に襲われて、今日一日授業に集中することができなかった。(いつもしていない)
学校が終わり、「竜牙」は帰宅途中、以前「まこ」たちがエナジーが使えなくなって、落下して大きな穴ができた公園に寄った。
「竜牙」はブランコに乗りながら、現実を受け入れつつあった。昨日起こったことは、全て現実だということを。あいつら、本当に死んでしまったのか?そんな終わり方ってあるか。死ぬときの最後ってみんなに病院で見守られながら死ぬんじゃないのか?ひいおじいちゃんが死んだときみたいな感じじゃないのか?こんなことって絶対ありえない。嘘に決まっている。
「竜牙」はエナジー体を発現させ、自身のエナジーを研ぎ澄ませ、他人のエナジーをどうすれば、探索することができるのか、考えた。
そのとき、公園にある大きな穴の中から、モゾモゾと何かが動いているのを感じた。
「『愛』!!『良太』!!もしかしてそこにいるのか?」
穴の中から、飛び出てきた。「まこ」だった。
「あれ?『まこ』じゃん。おまえら地球から出て行ったんじゃねーの?」
「は?なんの話だ?オレはずーと『エナジー無効化リボン』を付けたまま、エナジーなしで地球の最深部まで行ってきたぜ。マグマがドロドロだったぜ。いい風呂にだったぜ。」
「『さこ』たちは二日ほど前に『恐竜星』に行ったぜ。」
「はぁ~?なんであんな弱小ミクロどもの星に行ったんだ?どうせ『まよ』のワガママだろ。あいつ一度シメる。それにしても『竜牙』。元気ないな。」
「まこ」は「エナジー無効化リボン」を外した。
「おっ。久しぶりのエナジー。エナジーなしの方が弱い奴の気持ちがわかるから面白いけど、今の状況をいち早く知るためにはやっぱエナジーが便利だな。そうか、マクロのエナジーの残留とミクロのエナジーの消滅が感じ取れるな。どこかのマクロが来て、「愛」と「良太」が死んだか。」
「死んでない。」
「おまえ、その場いたんだろ?なぜ、嘘をつく?」
「『愛』と『良太』は別の星に行ってるんだ!!」
「無理だ。やつらのエナジーでは、月以外の惑星に辿り着くためには何十年もかかるだろう。弱小ミクロだからな。それより現実を受け入れろ。先に進めんぞ。おまえはどうしたい?そのマクロを殺したいのか?」
「俺は・・・。」
次回。 第32エナジー 「対策」
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