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第28エナジー 「役目」
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「宴が終わったあと、『ディノヒューマン』に挨拶をして『さこ』様に地球まで転送してもらったの。そのときのことなんだけど。」
回想。「ディノヒューマン」の大きな木の館で、「恐竜祭」参加させてもらったことに礼を言っていた「愛」と「良太」。
「『ディノヒューマン』さん。本日は色々ありがとうございました。」
「俺は『アロサウルス』を試合で殺してしまってすみませんでした。」
「試合だから仕方のないことです。『愛』も『良太』もあと少しで死ぬとこでした。『恐竜祭』では命をかけて本気で闘うことに意味があるのです。来年の大会まで、私たち恐竜は一丸となって、日々の生活一生懸命生きていくのです。地球の『竜牙』にはもう一度くるように言っといてください。あのユニークな闘いっぷりは見事でした。」
「わかりました。伝えときます。」
「さこ」が空間を捻じ曲げ、「愛」と「良太」を地球へと転送する準備をした。
「じゃあ『愛』『良太』。ここでお別れだな。達者でな。」
「本当にいろいろありがとうございました。『さこ』様。『まよ』様。宇宙戦争で力になれるようこれからも必死でエナジーを磨いていきます。」
少し「さこ」が沈黙になり、しばらくしてから口を開いた。
「あのな。『愛』。悪いことは言わん。お前ら今後エナジーを使うのはやめろ。」
「愛」と「良太」はかなり動揺した。
「えっ『さこ』様!?どういうことなんでしょうか?今日、私たちが死にかけたことと関係があるのでしょうか?」
「ごめんな。『さこ』も珍しく情が少し移ってしまってな。そうだ。お前らが修行を積んだからといって、ただの地球人のミクロ生物。攻撃でも防御でもマクロの闘いについていけるわけがない。むしろ近いうちに必ず、死ぬ。エナジーの修行をお前たちに煽ったのは、『さこ』と『まこ』だから責任を感じている。」
「私や『良太』は役立たずということですか。あいつは、『竜牙』はどうなんですか?」
「お前らも今日の闘いで少し気づいただろ。『竜牙』は放っておいてもこれからどんどん強くなる。あいつは潜在能力の欠片もまだ出していない。だが、力の使い方に目覚めつつあるのは、お前らのおかげなんだ。地球はお前らにエナジーの能力を渡した時、何かメッセージはなかったか?」
「はい。宇宙戦争のことと、『竜牙』のことです。命に代えても『竜牙』を守りなさいと私も『良太』も指示を受けていました。私はその意味を考えてました。『竜牙』を守りつつ、地球を守りつつ、宇宙戦争で活躍できるほどエナジーを高めることだと思いました。」
「違うんだ。『さこ』は特別なマクロだから地球の本心を聞いた。地球にとって、『良太』と『愛』の存在は、『竜牙』がエナジーの興味を持つきっかけに過ぎないということなんだ。」
「えっ私たちがただの『竜牙』にエナジーの興味を持たせるだけのきっかけ過ぎない存在。そんなことって。」
「信じられないのも無理がない。マクロはミクロに本心を隠すことが多い。ショックだとは思うが、お前らはエナジー使いだったことを忘れ、地球で他の地球人同様の生活を送ることを勧める。地球はエナジーがなくても快適に過ごせる宇宙一の楽園だと『さこ』は思うぞ。」
「すみません。ちょっと今後のことはゆっくり考えたいと思います。」
「あっ。そうだ。もう地球じゃないからこの『エナジー無効化リボン』、『竜牙』にせんべつだと渡しといてくれ。軽くエナジーでメッセージを入れとく。」
伝言の使い方を「愛」に簡単に説明すると、二人を地球まで転送した。
回想終了。
「ということなのよ。『さこ』様から言われたことがショック過ぎて何も手につかなかったわ。」
「『良太』はどう思うんだ?」
「俺も『さこ』様から厳しいこと言われて傷ついたよ。俺はこの学校生活でもエナジー使いとしてもどっちも充実した人生を送ろうと思っていたから。」
「で『竜牙』。あんたどう思う?私たち、エナジー使わないほうがいい?」
「竜牙」の答えは?そしてこれからの「愛」と「良太」はどうなってしまうのか?
次回 第29エナジー 「目標と友情と侵略」
回想。「ディノヒューマン」の大きな木の館で、「恐竜祭」参加させてもらったことに礼を言っていた「愛」と「良太」。
「『ディノヒューマン』さん。本日は色々ありがとうございました。」
「俺は『アロサウルス』を試合で殺してしまってすみませんでした。」
「試合だから仕方のないことです。『愛』も『良太』もあと少しで死ぬとこでした。『恐竜祭』では命をかけて本気で闘うことに意味があるのです。来年の大会まで、私たち恐竜は一丸となって、日々の生活一生懸命生きていくのです。地球の『竜牙』にはもう一度くるように言っといてください。あのユニークな闘いっぷりは見事でした。」
「わかりました。伝えときます。」
「さこ」が空間を捻じ曲げ、「愛」と「良太」を地球へと転送する準備をした。
「じゃあ『愛』『良太』。ここでお別れだな。達者でな。」
「本当にいろいろありがとうございました。『さこ』様。『まよ』様。宇宙戦争で力になれるようこれからも必死でエナジーを磨いていきます。」
少し「さこ」が沈黙になり、しばらくしてから口を開いた。
「あのな。『愛』。悪いことは言わん。お前ら今後エナジーを使うのはやめろ。」
「愛」と「良太」はかなり動揺した。
「えっ『さこ』様!?どういうことなんでしょうか?今日、私たちが死にかけたことと関係があるのでしょうか?」
「ごめんな。『さこ』も珍しく情が少し移ってしまってな。そうだ。お前らが修行を積んだからといって、ただの地球人のミクロ生物。攻撃でも防御でもマクロの闘いについていけるわけがない。むしろ近いうちに必ず、死ぬ。エナジーの修行をお前たちに煽ったのは、『さこ』と『まこ』だから責任を感じている。」
「私や『良太』は役立たずということですか。あいつは、『竜牙』はどうなんですか?」
「お前らも今日の闘いで少し気づいただろ。『竜牙』は放っておいてもこれからどんどん強くなる。あいつは潜在能力の欠片もまだ出していない。だが、力の使い方に目覚めつつあるのは、お前らのおかげなんだ。地球はお前らにエナジーの能力を渡した時、何かメッセージはなかったか?」
「はい。宇宙戦争のことと、『竜牙』のことです。命に代えても『竜牙』を守りなさいと私も『良太』も指示を受けていました。私はその意味を考えてました。『竜牙』を守りつつ、地球を守りつつ、宇宙戦争で活躍できるほどエナジーを高めることだと思いました。」
「違うんだ。『さこ』は特別なマクロだから地球の本心を聞いた。地球にとって、『良太』と『愛』の存在は、『竜牙』がエナジーの興味を持つきっかけに過ぎないということなんだ。」
「えっ私たちがただの『竜牙』にエナジーの興味を持たせるだけのきっかけ過ぎない存在。そんなことって。」
「信じられないのも無理がない。マクロはミクロに本心を隠すことが多い。ショックだとは思うが、お前らはエナジー使いだったことを忘れ、地球で他の地球人同様の生活を送ることを勧める。地球はエナジーがなくても快適に過ごせる宇宙一の楽園だと『さこ』は思うぞ。」
「すみません。ちょっと今後のことはゆっくり考えたいと思います。」
「あっ。そうだ。もう地球じゃないからこの『エナジー無効化リボン』、『竜牙』にせんべつだと渡しといてくれ。軽くエナジーでメッセージを入れとく。」
伝言の使い方を「愛」に簡単に説明すると、二人を地球まで転送した。
回想終了。
「ということなのよ。『さこ』様から言われたことがショック過ぎて何も手につかなかったわ。」
「『良太』はどう思うんだ?」
「俺も『さこ』様から厳しいこと言われて傷ついたよ。俺はこの学校生活でもエナジー使いとしてもどっちも充実した人生を送ろうと思っていたから。」
「で『竜牙』。あんたどう思う?私たち、エナジー使わないほうがいい?」
「竜牙」の答えは?そしてこれからの「愛」と「良太」はどうなってしまうのか?
次回 第29エナジー 「目標と友情と侵略」
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