エナジークエスト

リョウタ

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第22エナジー  「強敵」

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試合が終わり、控え室に戻ってきた「竜牙」。


「やったな。『竜牙』。」


「ちょっと今のあんたに近づいて大丈夫なんでしょうね?」


「大丈夫だよ。『サンライト・エナジー』(太陽光を吸収しエナジーに変換する力)は1分くらいしかもたないから。決勝で使えないからまずいな。」


「んじゃ。『竜牙』。準決勝で闘おうぜ。俺は二回戦かましてくる。」


「おう。(やばいな。『良太』に勝てそうな技見当たらないな。)


「良太」と「アロサウルス」(ジュラ紀に生息していたと言われる凶暴な肉食恐竜)の「パワー」との対決が始まる。


「クエェエ~。」


試合が始まると同時に「パワー」が「良太」に話しかけてきた。


「よお。一回戦観てたぜ。それにしてもよ~。お前が闘った『トリケラトプス』バカだと思わねえか?中距離戦闘が得意だと言っておきながら、攻撃力が弱くて付加能力もない武器を具現化させるなんて頭が悪すぎる。せっかく頑強な体があるのに、台無しだ。お前もそう思っただろ?」


「たしかにエナジーの無駄遣いだった。俺がやりやすい闘い方を自ら選んで自滅したようなものだった。」


「よくわかってるじゃん。地球人のガキ。お前も俺にあんな小さな斧を投げるとかがっかりさせるような攻撃するなよ?」


その瞬間「アロサウルス」の「パワー」のエナジーが漲った。


モニターで観ていた「竜牙」と「愛」は


「おい。『愛』。あの恐竜のエナジー力。どれくらいなんだ?やばくねーか。」


「うるさい。今視てるわ。『エナジーメジャメント』(エナジー力測定)『7750』。今の『良太』のエナジー力が『4440』よ。まずいわ。」


「俺はよ~小賢しいことができねーんだわ。爪と牙しか攻撃できるものはねーけど、強力だぜ。」


「パワー」は「良太」のいるところまで一瞬で距離を詰め、強力なエナジーを纏った爪で切り裂いた。


ザク!!


「『エナジービッグシールド』(エナジーが纏われた強力な盾)」


体を覆う大きな盾を間一髪に出し、攻撃を防御した「良太」だったが、「パワー」の爪一撃で盾が粉砕されてしまった。


「おいおい。防御とかつまんない攻撃するなよ。俺がお前のエナジーの本質を見抜いてやるよ。余計なことを考えず、全て攻撃に集中させれば、俺と良い勝負ができるはずだぜ。でも俺は優勝させてもらうから、勝負決めさせてもらうぜ。」


「パワー」がまた「良太」との距離を縮めてきた。脅威と恐怖を感じた「良太」は必死に距離を保とうと空を飛んだ。


「情けない。『エナジー・クローアタック』(爪で斬撃を飛ばす技)」


ザッシュ!!


「良太」は斬撃を防御する余裕もなく、まともに受けてしまった。空から落下し、上半身に大きな切り傷ができ、出血が止まらなくなっている。


控え室で観ていた「竜牙」と「愛」はたまらず控え室から飛び出した。


「『良太』殺されちゃう。辞めさせなきゃ。」


「良太」は出血多量と打撲でエナジーをまともに張れなくなっていた。


「俺の斬撃なんかで死にかけるなよ~。本来の爪の攻撃より半分以下の攻撃力なのによ~。弱っちいな~。早く死ね。」


「パワー」は同じ斬撃を「良太」に放った。すると「良太」にはその斬撃がスローモーションに感じられた。


「(余計なことを考えるのはやめよう。俺が一番したいことをやろう。俺がエナジーを覚えた時に『エナジーアックス』(大きな斧)を創りだしたのは破壊力のある武器を作りたかったからだ。俺は破壊できるものに憧れていた。今一度、『エナジーアックス』を創ってみよう。俺が今持っているありったけのエナジーを込めて。)」


「良太」は身体中のエナジーをほぼ無効化させ、全てのエナジーを「エナジーアックス」に集中させた。すると「アロサウルス」の体長を遥かに凌ぐ20mほどの「ビッグエナジーアックス」を創り上げ、「パワー」に放った。


「パワー」の斬撃が死にかけの「良太」をさらに切り刻んだ。「良太」の「エナジーアックス」は「パワー」の頭に直撃し、即死させた。


両者戦闘不能により、この試合は引き分けとなった。


次回  第23エナジー  「ティラノサウルス」
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