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緑の帝王編

第14話 公開計量!?

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壁の女神をあとにしたサンディル達は、ダンドル宅に戻った。
「さて、私は今何を考えているでしょう?」
サンディルは突然、ダンドルとサンクチュアリに質問した。
「さぁ?とにかく相手をぶちのめすこと??」
サンクチュアリは答えた。
「違うわね。」
「分かった!計量だ!!」
ダンドルも答えた。
「ちが……え!?なんで分かったの!?」
ダンドルは正解した。
「よっしゃぁ!!」
「計量で自分の体重が世間に知れ渡る事になるでしょう?
それが嫌で……。
当然この世界の格闘業界にも計量はあるわよね?」
「そりゃもちろん。それをクリア出来なければ参加出来ないから。
それに、体重が世間にバレても嫌ではないでしょ??」
「嫌に決まってるじゃない!!
女心を分かってないのね!!」
サンディルは怒り声で言った。
「それに計量は完全公開で行われるからね。」
サラッとサンクチュアリが言った。
「完全公開って!?」
サンディルは固唾をのんだ。
「体重計に乗るところからみんなに見られるんだよ!!
緊張感あってたまらないんだよね!!」
ダンドルがわくわく声で言った。
サンディルは顔が真っ青になった。
「私気分が悪くなってきた。」
「ちなみに今何kgくらいあるの??」
ダンドルは禁断の質問をした。
「4じゅう…5kg…。」
「45kg!?それじゃあ大会に出られないよ!!」
サンクチュアリは詳しかった。
「うそ!?なんで!?」
「確か許容範囲は65kg~120kgだった。
そうだよね、ダンドル?」
「あぁ、確かそうだったな。
…てことは後何とかして20kg体重を増やさないとエントリーされないな。
どうする?」
「ただでさえ体重に悩んでるのに更に20kg増やせって!?!?」
「なにか作戦はないかな。」
一同は考えた。
「イジュースで何とかならない?」
ダンドルは聞いてみた。
「ダメよ、イジュースは潜在能力を引き出す魔法なの。」
「それじゃぁ体重の潜在能力を引き出すことは出来ないの?」
「体重の潜在能力って言われても…。
体重の潜在能力…。」
サンディルはひらめいた。
「ダンドル!私の瞬間移動ボタンまだもってるわよね!?」
「あぁあのボタンか」
ダンドルはふところをガサゴソ探した。
「あったよ。」
「よしっ!みんな!また10分後にあいましょう!!それじゃっ!!」
サンディルはボタンを押して消えた。

サンディル宅にて…
シュバッという音とともにサンディルは自分の部屋に帰ってきた。
「なんて久しぶりな我が家なの…!」
サンディルは感動した。
「サンディルか!!良かった!!」
ヘライクマーが横から登場した。
「ヘライクマー!!久しぶり!!」
「その感じ、恐らく相当長く向こうにいたな。
連れ去られたと聞いた時はドキッとしたが、なんとか緑の帝王は破壊できたのか!?」
「いいえ、緑の帝王はまだ破壊できてないわ…。というかなんで連れ去られたのを知ってるの!?」
「ダンドルとかいう毛むくじゃらがボタンを押してこっちにやってきたんだ!
その時に………まぁその話は後でもいい。」
「ねぇ聞いて!ヘライクマー!
緑の帝王に一歩近づけるチャンスを手に入れた!!
格闘大会に出るの!!でもそのためには体重制限があるの。
その制限が65kg~120kgであと体重が20kg足りないの!」
「つまり今の体重は45kgなんだな。」
「あぁー!!そうよ今45kgなのよ!!」
サンディルはまた体重バレした事にイライラしていた。
「それでイジュースを使って体重を一時的に増やす方法は無いのか聞きに来たの!!」
ヘライクマーは少し考え、
「自らの意思で増やす方法は無いが、自分よりも巨大なものに立ち向かって攻撃した時に一時的に体重が増えることがある。」
という結論に至った。
「そうなの!?それじゃあそれを上手く利用して体重を増やせないかしら!!」
ヘライクマーはまたさらに考えた。
「いや、もし出来ることがあるとしたら…。計量される直前までなるべく太い柱をイジュースを使って攻撃し続けることだな。
多分一時的と言っても1分近くは増えたままになるはず…。」
「1分…。運命のタイムリミットね。」
サンディルは覚悟した。
「分かったわヘライクマー、ありがとう。」
「待て待て急ぐな。
どうせならここでゆっくりしてから行ったらどうだ?
どんなにゆっくりいても向こうでは大して時間はたたないからな。」
ヘライクマーはサンディルをゆっくりさせようとした。
「それもそうね。
ならゆっくりしていこうかしら。」
サンディルは一日ゆっくりしてから、またグリーン・キングダムへ向かった。

      グリーン・キングダム…
サンディルは戻ってきたが、そこにダンドルとサンクチュアリの姿は無かった。
「あれ?ここダンドルの家で合ってるわよね??二人ともどこに行ってるのかしら?」
すると、ダンドルとサンクチュアリが焦りながら走って戻ってきた。
「いた!サンディルだ!!
おーい!大変だ!!サンディル!!」
サンクチュアリが大声で言っていた。
「どうしたの??二人とも。」
「サンディル、イジュースで体重を重くする方法みたいなのは見つかったか!?
そうじゃなきゃ大変なんだ!」
ダンドルも大声だった。
「え?」
サンディルは何事かと気にかけた。
「計量の日が諸事情で明日になったんだ!!」
「明日!?」
サンディルは驚いた。
一時的に体重を増やす方法を試す時間が欲しかったが、もう日は落ちていた。
「ってことは…明日ぶっつけ本番ってこと!?!?」
サンディルは体重を増やす方法を試すことなく次の日を待つしか無かった。

そして次の日、
会場はとてつもない盛り上がりをみせていた。
大声で特定の選手を応援をするのもいれば、軽いきっかけで喧嘩を始めるのもいた。
場はとにかく盛り上がっていた。
黒いシュナウザーの様な生き物が司会を務めている。
「さぁ!!計量開始までのこり5分を切りました!!朝早く起きてこのときを待っていたのもいれば、ここまで寝らずにこの会場で待っていた強者もいたでしょう!!
非常にお待たせしております!!センピグネス主催格闘大会計量会!!エントリー人数7人!!飛び入り参加は未だまだいません!!」
サンディルとダンドルサンクチュアリは受付にいた。
「私飛び入り参加したいんだけど出来ないかしら!?」
受付嬢は目を丸くしていた。
「あのー…えぇっと…名前はサンディルさんでお間違え無いでしょうか??」
「ええ。サンディル。サンディル・ブランデーよ。」
「分かりました…。あのーサンディルさん、ここは格闘大会の計量会場ですけど、お間違えないですか…??」
サンディルは疑われていた。
「武勇伝ならあります。」
ダンドルが横から口をはさんだ。
「僕の顎を足で蹴り飛ばして2,3mふっ飛ばしました。これは紛れも無い事実です。」
「はぁ…武勇伝…。それは何故蹴り飛ばしたのですか?」
受付嬢は聞いてきた。
するとダンドルはヒソヒソ声で、
「ちょっとあの時なんで蹴り飛ばしたの??」
とサンディルに聞いた。
「この世界で初めてあった生き物だったから怖くて蹴り飛ばしたの!」
サンディルもヒソヒソ声で答えた。
「でもその理由だと君が別の世界から来たことがバレちゃうよ。」
「じゃぁ適当にムカついたからでいいんじゃない?」
「それがいい、そうしよう。」
サンディルとダンドルのヒソヒソ話は終わった。
「ムカついたから蹴り飛ばしたそうです。」
ダンドルは受付嬢にそう答えた。
受付嬢が頭を悩ませていると、主催側の幹部が横から出てきて
「出してみてもいいんじゃないか??
引き立て役にでもなるかもしれない。」
と受付嬢にコソッと話した。
受付嬢はさらに考えて、
「分かりました。出場を認めます。」
と、サンディルの出場を認めた。
「よし!」
サンディル達はグータッチをした。
「あなたの出番は8番目です。それまで指定された控え室で待機していて下さい。」
受付嬢はそう言おうとしたが、サンディルは
「あそこの柱とても丈夫そうですね!
殴ってもいいですか??」
と言った。
「あーもう!好きにしてください。」
受付嬢は投げやりになった。

30分後…
「おい。あの女の子なんで柱を殴ってるんだ??」
サンディルは少しでも体重を増やすためイジュースを出しながら太い柱を殴り続けていた。
「今日は計量だけの日って知らないんじゃないか?教えてやれよ。」
「いやお前が教えてやれよ。」
「なんだと!?俺には向かう気か!!」
「お前が俺に勝てるとでも思っているのか!!」
また喧嘩が始まった。
「サンディル・ブランデー、出番だ!」
例の黒いバッファローがサンディルを呼んだ。
サンディルはまた会ったなと思ったが、センピグネスの全記録からサンディルは消えているため、黒いバッファローはサンディルと初対面だった。
「華奢な体格だな。本当に出るつもりなのか。」
黒いバッファローはサンディルに尋ねた。
「華奢で悪いかしら??私には策があるのよ。」
柱を殴り終わってここまで10秒経過。
計画通りであった。
「それでは!!今回の飛び入り参加者を紹介します!!なんと女の子!?
巨漢な男を蹴り飛ばしたスーパーガール!!
サンディル・ブランデー!!」
「ほら行け。」
黒いバッファローはサンディルの背中を押した。
会場は熱気で包まれていた。
ここまでで15秒経過。体重の重さはまだ感じる。
サンディルは舞台の前に来た。
「これは驚いた!!巨漢を蹴り飛ばしたのはこの体格の女の子でした!!
新たな武術でも開発したのでしょうか!?
それでは聞いてみましょう!!
どうやって蹴り飛ばしたのかな!?」
サンディルはここでサラッと答えて時間を使わない作戦でいた。
なので冷静に、
「右足を相手の顎に突き刺しただけです。」
と答えた………が、
「こいつは超能力者だ!!」という歓声の後に盛大に会場は盛り上がってしまった。
「サンディル!!君は本当に盛り上げ上手な子だねぇ!!」
まずい、どうしよう…。
ここまでで30秒経過。
サンディルの顔は真っ青になった。
「サンディル…何かまずいんじゃない??」
サンクチュアリが観客の衆から見ていた。
「顔が真っ青じゃないか…。」
ダンドルも見ていた。
「それでは計量と行こうか!!
計量のシステムに問題は無いかな??」
司会者は軽量のシステムを担当者に尋ねた。
「問題ないようです!!
さぁ!これから、サンディル・ブランデーの計量を行います!!覚悟は出来ていますか!?」
「はい…出来ています…。」
早くしてくれ!心の中でそう呟き続けたサンディル。
45秒が経過。残された時間は15秒。
「さぁ、台の上に乗って下さい。」
サンディルは言われる前に乗っていた。
台の後ろには錘の袋のようなものがあって、その袋が縦上のメモリのようになっていて、メモリの赤いゾーンまで持ち上げられたら計量クリアというシステムになっていた。
「さぁ、メモリの指標が動き始めた!!
無事赤いゾーンで止まるのか!!」
「おぉ~~~~~~~~~~⤴︎ ⤴︎⤴︎」
「観衆達の声が感極まった。」
残り5秒。
「おお!!錘は赤いゾーンで止まったぞ!!」
残り4秒。
「いや!ゾーンに下に止まりそうだ!!」
3秒。
「いやいや!赤いゾーンに止まった!!」
2…1…。
「サンディル・ブランデー!!
計量通過!!新たなファイターが生まれました!!」
「ふぅーーー」
サンディルは心底安心した。
「以上!!本日の全エントリー人全ての計量が終了しました!!
大会は2日後に行われます!!みなさん!!ここで開催まで待つのも構いませんが!!なるべく家に帰って開催するのを待ちましょう!!
それでは!!」
公開計量はこれで終了した。
終わってから1時間後、サンディルとダンドルとサンクチュアリは合流した。
「やったなサンディル!!」
ダンドルとサンディルはハイタッチした。
「おめでとうサンディル!」
サンクチュアリもサンディルとハイタッチした。
「これで一安心だな!」
「そうね!後は敵をぶちのめすだけよ!!」
サンディルは気合十分だった。
この時はまだこの大会の過酷さを何も知らなかったから。

                                                                                                                                                                                   
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