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9話 仮性包茎なのに彼に興味が湧いた理由
しおりを挟む「えーほんとに10位に入ってる?」
彼がスマホを取り出してまたググった。
「ごめん、10位に入ってないわ。
20位なら入ってる。」
「そーなの。じゃあ難しいねえ。」
ひたすら思いつく苗字を並べていくと
ようやく当たった。
最後の方は彼が当ててと言わんばかりに
ヒントを出しまくっていた。
「へえ、なんかフルネームだと
戦国武将に出てきそうな名前だね。笑」
「うん、実際いるみたい。」
「そうなんだ。聞いたことないけど。笑」
彼はさちこの苗字を聞かなかったので
そのまま言わなかった。
名前を教えてもらったせいか親近感が湧いた。
また立ち上がって歩き始めた時、
さちこはとうとう彼と手を繋ぎたくなった。
さちこが彼の手を握ると
彼は黙ってさちこの手をぎゅっと握り返した。
さちこは彼を見上げて言った。
「手繋ぎたくないのかと思った。」
「そんなことないよ。」
「人目を気にして手繋いだらダメなのかなって。」
「大丈夫。」
さちこの好きなふわふわとした大きな手に癒された。
(やはりセックスの後の散歩はいい。)
さちこはしみじみ思いながら歩いていた。
「あれ、さっきのところに戻ってきちゃったね。」
「時間大丈夫?」
「そろそろ出口に向かうね。広くて時間かかるから。」
「うん。」
「ごめんね。」
「ううん。こちらこそ今日はありがとう。」
出口に向かって歩き始めた。
思っていた以上に楽しいデートだった。
彼も思わぬ花見もできて満足そうだった。
「今日は楽しかったね。」
「うん。」
「今日はめっちゃいい人だったね。笑」
「そう?笑 前回相当嫌なことしてたね、俺。」
「うん。でも今日で前回の挽回できたよ。笑
良かったね。笑」
「うん良かった。笑」
駅に着いた。
「バート君はどうやって帰るの?タクシー?」
「今日は電車。同じ駅から帰るわ。逆方向だけど。」
「うん。」
ホームに降りた。
さちこの乗る電車が先に来た。
「じゃあ、ありがとう。」
「うん、またね。」
彼はさちこを見送ってくれた。
今日はあの別れ際の不気味なウインクはなかった。
さちこは家に着いて彼にラインした。
今日みたいな彼ならまた会いたいと思った。
セックスはしなくていいが。。。笑
「バート君、今日は時間作ってくれてありがとう。
久々に会えて良かった!
お花見も楽しかったねー。
お仕事がんばってね~。」
「今日は久しぶりに会えて良かった。
公園散歩も楽しかったね。またね!」
「うんうん!ありがとう。またね!」
またという日は来るかもしれないし
来ないかもしれないが
今回彼に会って良かったと思った。
そして、彼のフルネームをググると
ばっちり彼の会社のhpが検索できた。
そこに記載されている彼の学歴に驚いた。
日本最高峰の大学であることは予想はしていたが、
その中でも合格率の極めて低い難関の学部出身で、
しかも大学院まで出ていた。
もちろん会社の業務内容はITといっても
オンラインショップとかではなく、
がっつり最先端技術を駆使した分野で
そりゃああのコミュニケーションになるのかな
と納得できるほどであった。
通常さちこは婚外恋愛の相手の学歴に興味はないが、
今までの人生で出会った中でダントツ一番の学歴を
持つ男には俄然興味が湧いてきた。
どんなに学歴が高くても
自分が仮性包茎とは知らない男。
さちこが彼に教えてあげられることは
意外と多いのかもしれない。
バリバリ文系の普通の学力のさちこが
バリバリ理系のIQの高い彼と
どうやって対等にコミュニケーションできるのか
さちこの好奇心に火がついた。
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