マッチングアプリの男 顔がタイプの男編

椋のひかり~むくのひかり~

文字の大きさ
上 下
22 / 25

22.別れの予感

しおりを挟む
地元に帰省した日、さちこは夫と離れて一人ホテルに宿泊していた。
ホテルについてから彼にラインした。

「無事着いたよ。
部屋思ったより狭かったけど、久々に独りになれて嬉しい。
今日電話してもいい?」
「今日は明日からの仕事に備えて早く寝るから電話は厳しいかな。
自主練、今日は特訓だね。笑」
(なんじゃそれ?)

「わかった。明日も仕事なんだね。頑張ってね。
有料チャンネルでも観るわ♪笑」
「男だね。笑 フロントでの清算気を付けて。」
「さすが経験者のアドバイスだね。笑 おやすみ。」

翌日もその翌日も「昨日は、こないだは、ごめんね。」のひと言を待っていたが、
とうとうホテル滞在中の1週間彼から連絡してくることはなかった。

東京に戻ってきて、さちこは彼に一応土産を買ってきたので、
様子を探るべくラインした。

「たーくん、ただいま!」
「無事に帰れた?おかえり。」
「うん。元気だった?」
「暑くてへばっちゃった。楽しかった?」
「うん。すごい楽しかったよ。変態の人に変態って褒められたし。笑」
「やっぱりやりまくってきたな。」
「そんなんじゃないよ!たーくんと電話できなくてすごく寂しかったよ。
たーくんこそ3人目と会ってたやろ?」
「ごめんね。どんな変態やった?」

さちこはつらつらと変態のことを書いたが既読にならないので、
一旦メッセージを全部取り消した。

「また今度言うね。おやすみ。」
「あ、なんか取り消してある。笑 楽しみにしてるね。おやすみ~」
「また寝落ちしたんかと思って。笑 
誤解が生じたらあかんからね。笑 おやすみ。」

2日後の夜、さちこは彼にラインした。
「たーくん、おつかれさま。」

ちょうど彼が寝た後かもしれない時刻だったので
この日未読だったのは仕方なかった。

翌日の昼に既読になったものの、その晩も返信はなかった。
翌日返信がこなければ、土産に買ってきた菓子は自分で食べる!
とさちこは決めていた。

これが最後のラインとなった気がした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...