マッチングアプリの男 顔がタイプの男編

椋のひかり~むくのひかり~

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16.それでもやっぱり彼が好き?

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次は展望台に行った。
さちこは彼の手をつないだ。
(優柔不断疑惑があるとはいえ、この風貌にはまだまだかなわないわ。
本当は向こうからつないできてほしいんだけどなあ。。。)

彼はさちこの手を握ると中指を上下に動かしてさちこの手のひらをこする。
まるであそこをさするかのようだ。
さちこにはそれに対して少々違和感があった。
(この動き、前も2軒目に行くときしてたよなあ。
あの時はやる気満々のアピールかと思ったけど、
今日もするってのは、単なるクセなのか?だったらちょっとキモい。)

展望台は室内で360度ガラス張りの窓から景色楽しめた。
人もそれほど多くなくゆっくり歩けた。
さちこは離した手をまたつなぎたかったが、
いつも自分からばっかりするのがなんだかしゃくで我慢した。

「ねえねえ、たーくんの写真撮っていい?」
「いいよ。」

さちこは東京タワーをバックに彼の全身写真を撮った。
彼のバランスの取れた体に惚れ惚れした。

「一緒にも撮ろう。いい?」
「うん、いいよ。」
「たーくん、手長いからシャッターボタン押してね。」

さちこは彼に自分のスマホを預けた。
彼から<一緒に写真撮ろう>と提案がなかったことや
写真を撮った後、<俺にも送ってね>の一言がないことに少しモヤモヤした。

展望台を降りて、駅前のカフェはどこもいっぱいだったので、
彼の家に行く途中のカフェで休憩した。

彼がネットで調べたおしゃれという口コミがあった喫茶店に行った。
1階がヘルスというデイープな建物で、おしゃれなカフェというよりは
副流煙が渦巻くただの喫煙ルームの様な店であった。

さちこはこの後のセックスに備え、
コーヒーはやめてクランベリージュースを頼んだ。

「クランベリージュースって飲んだことない。ちょっとちょうだい。」
(またか?やっぱこいつ、いっつもちょうだいっていうタイプやねんな。)

「うん、いいよ。どうぞ。」
「さっちゃん、疲れてるね。」
「うん、暑いし、マスクしてもっと暑いし。。。でも休んだから大丈夫。」

二人は彼の家に向かった。
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