手マンの後に手を洗う男

椋のひかり~むくのひかり~

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19話 噛み合わない会話

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「あ、そうだ。 
こないだ帰省したときにお土産買ってきたの。 
せっかく買ってきたのに持ってくるの忘れちゃった。 
ごめん。」 
「いいよ。」 
「お菓子食べないって言ってたから佃煮買ったの。 
それだったら怪しまれないかなと思って。」 
「それなら全然大丈夫。 
よくスーパーで買って食べてるし。」 
「そっか。じゃあ良かった。 
ただ持ってくるの忘れちゃったんだよね~。」 
「俺、お菓子食べないなんか言ったっけ?」 
「うん。前回会ったとき言ってたよ。」 
「チョコじゃない?」 
「いや~。お菓子って言ってたと思う。」 
「言った覚えがない。」 
「じゃあお菓子食べるの?」 
「食べるよ。甘い物好きだし。」 
「それデザートとかでしょ? 
スナック菓子とか食べなさそうじゃん。食べるの?」 
「確かにチョコとかポテトチップスとかは食べない。」 
「ほら~。 
よくある土産のお菓子ってそういうの多いでしょ?」 
「うん、確かに。」 
「だからそういうのは食べないだろうな 
って思ったから買わなかったの。」 
「うん、食べないし、家に持って帰ると怪しまれる。 
今このご時世で従業員も帰省してないし、出張もないし。」 
「そっか。そうだね。じゃあ佃煮にしといて良かった。 
今度会った時渡すね。」 
 
彼がさちこの隣に座り顔を近づけてきた。 
 
「私、昨日誕生日だったの。」 
「え?そうなの? 
なんで言ってくれなかったの?水くさい。」 
「だって自分から言うとなんか恩着せがましいじゃん。 
結局今言ってるけど。笑」 
「そだね。」 
 
だからと言って彼から 
「おめでとう。」と言う言葉はなかった。 
 
それよりも彼は今日は酒を呑みたいと言い、 
ルームサービスのカクテルが運ばれてきた。 
 
彼は玄関で受け取ったカクテルをテーブルに置き、 
さちこの服を1枚1枚脱がせて 
サイドボードに畳んで置いていった。 
 
そしてとうとうパンティ一枚になったとき 
さちこはライナーをつけたままであったことを思い出した。 
 
デートする時はパンティが汚れないよう 
ライナーをつけて出掛けることが多い。 
大抵頃合いをみてトイレで外すのであるが、 
今日は待ち合わせの駅のトイレに行く時間がなかったから 
すっかり外すのを忘れていた。 
 
「お風呂入れる?」 
「うん。」 
 
さちこは風呂場に湯を溜めに行くついでに 
トイレでライナーを外した。 
 
二人はソファからベッドに移り少し戯れた。 
 
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