手マンの後に手を洗う男

椋のひかり~むくのひかり~

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4話 食欲と性欲は反比例するのか

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その後は、 
さちこが東京に引っ越してきてまもないことや、 
関西の地酒の話で盛り上がった。 

「全然、関西弁じゃないね。関西人ぽくない。」 

(マジか?そんなの言われたの初めてだ。笑) 

「え、そう?良かった~。笑 
周りの人には全然関西弁抜けてない 
って言われるから。笑」 
「全然そんなことないよ。」 
「まあ確かに北部在住だったから 
元々コテコテな関西弁じゃないしね。」 

彼はさちこのほんわりした話し方と 
見た目の雰囲気に飲まれて 
関西弁が耳に入っていないようだった。 

そんな中、酒造メーカーの話になった。 
彼はスマホを手に取り、 
話題にあがった「日本盛」という酒造メーカーを 
ググって「にほんもり」と読んでいた。 

さちこはしばらくその名前にピンとこなかった。 
「<にほんもり>? 
それ本当に関西の酒造メーカー? 
そんな酒造メーカー聞いたことない。」 
「でも書いてあるよ。」 
「。。。あ、それって<にほんさかり>のこと? 
<もり>って書いて<さかり> 
それ<にほんさかり>って読むんだよ。」 
「あー、ごめんなさい。」 
「いやいや、<さかり>とは普通読まないもんね。」 
「ごめんなさい。すごい恥ずかしい。」 

彼がすごく恥ずかしそうにしている姿に 
母性をくすぐられたが 
あまりにも引きずっているので、 
幼少期に厳しく教育された生い立ちなのか、 
もしくはすごくプライドが高くて失敗を許せない性格 
なのかとも思えた。 

彼の表情は時折、気怠い感じになったり、 
甘えん坊な感じになった。 
意図的に変えているのかはわからないが 
真剣な目つきになるとさちこに緊張が走った。 

「どうしたの?なんかこわい表情。」 
「緊張してるの。」 
「そうなんだ。」 

店員が料理を運び、説明すると 
彼は家で料理を作るらしく、 
興味津々で店員に材料や作り方の質問をしたり 
味の感想を述べたりしていた。 

味が気に入った料理に対しては 
「これどうやって作るんだろう」 
とぶつぶつ呟きながら食べ、 
彼の料理に対する情熱が垣間見えた。 

(大体食通男はセックスに興味ないんだよな。) 

普通の主婦なら 
<料理もできて素敵な男>と言うのかもしれないが、 
さちこの期待値は一気に下降していた。 

勝手な思い込みかもしれないが、夫もそうであるし、 
<食とセックスの興味はどちらかに偏る傾向がある> 
というのがさちこの持論である。 

<あまりにも食べ歩きが趣味という男>は 
さちこのイメージでは<=性欲がない男> 
という風に判断されるのである。 
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