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3話 公務員への偏見

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水曜日、遅れていた生理がようやくきてしまった。
彼に予め伝えるか迷った。
毎日やりとりしていなければ
当日そういう流れになっても
そこで断ればいいかと思ったが、
「それでもその日会いたい」と言える男なのかも
試してみたい気持ちもあった。

前日、やはり彼に伝えることにした。

「友介さん、こんばんは~
今日はお出かけしていました。
返信遅くなってごめんね。
今日はゆっくりできたかな?
昨日生理がきてしまって、
明日はマッサージはお願いしないことは
確定してしまったけどそれでもいい?
私はお茶だけでも
友介さんとお会いしてみたいんだけど。
タイミング悪くてごめんね。」
「。。。。。」

(やっぱりか。めっちゃ考えとるな。
さすが公務員。
やれない女に茶奢るのも惜しいんだろうな。。。)

「こんばんは。
今日はお出かけいいですね。
おれは一日ゆっくりとできました。
明日はマッサージなしかあ。少しも??笑」

(最後に「笑」つけて控えめを装ってるけど
めっちゃ図々しい感じ出てるよな。
こういうところ、あの防衛省の男にそっくり。)

「ゆっくりできて良かったね。
せっかく英気を養ってもらったのにごめんね。
がっつり生理だから明日はマッサージは無理だわ。
マッサージ目的だったら延期になるけど。。。
その方がいい?」
「いや、せっかくだからお茶しましょう。
マッサージは次ってことで。笑」

(「せっかく」ってなんやねん。
それはお前の心の声であって文字にする言葉やないで。
そして、「次ってことで。笑」って。
全然笑えねえし。。。
そういうところなんだよな~。)

さちこは彼の期待を裏切って
申し訳ない気持ちがあったが、
このやり取りでそんなことは一気に吹き飛び、
テンションが下がった。



「ありがとう。良かった。
じゃあ明日14:00△△駅の改札口でいい?
中央改札口っていうのかなあ?
デパートの出入口があるところ
大きい改札口」
「了解です。中央改札で待ち合わせしましょう。」
「はーい。ありがとうございます。」

翌朝、彼からメッセージがきていた。

「おはようございます。
今日なんですが、午後子供の習い事の送り迎えを
急遽頼まれてしまいまして。。。
別日にリスケさせていただけますか?
ごめんなさい。」

(でたよ。ドタキャン。
本当の理由は私が生理だからだろ?
まあいいや。私も今日乗り気じゃなかったし。)

「おはようございます。了解です。
ご連絡ありがとうございます。」

さちこはあえて絵文字を一切無くして送った。
この冷めたエネルギーを察したのかすぐに返信がきた。

「楽しみにしていたのに、本当にごめんなさい。
来週のご予定はいかがですか??」
「残念だけど仕方ないよ。
来週平日は帰省するの。
週末は空いてるけど、また送り迎えあるかな?」
「来週の土曜日はどうかな??」
「オッケー。」
「土曜日なら何もないから大丈夫だよ。
同じように14時に△△でいいかな??」
「うんいいよ。ありがとう。」

さちこのテンションは全く下がったままだった。

(まあ彼のことだから今日は違う女と面談して
そっちが気に入れば来週もドタキャンしてくるだろうし、
こっちも他に面談2件控えてるしね。
タダで性感マッサージを体験できるのなら
それでいいや。)

それから1週間、毎朝毎晩彼からメッセージがきた。
さちこが苦手なつまらない天気の話。
若いイケメンだからまだ許せるが、
おじさんだったらうんざりしているだろう。
ただこのやり取りで、
相手のコミュニケーション能力や
自分への関心度など意外とわかることも多い。

会う約束の前夜、
さちこはあえて自分からはメッセージを送らなかった。

(どうせまた
当日の朝にドタキャンするかもしれねえしな。
キャンセルするならそれでもいいけど
もっと早く言ってこいよな。
っていうか、次キャンセルだったら
もう無言でブロックだし。)

ようやく彼からメッセージがきた。

「明日は14時△△駅でいいですか?」
「はい大丈夫です。よろしくお願いします。」
「こちらこそお願いします。」

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