13 / 20
13話 埋まらない写真との乖離
しおりを挟む
いよいよご対面の日がやってきた。
さちこは待ち合わせの駅に20分前に着いた。
トイレで身だしなみを整えて、
改札口の横にある宅配ローカーの前で深呼吸をして
女性性を開花すべく瞑想していた。
剥けていないとはいえ、あの素敵なイケメンサーファーの写真を信じ、
彼の顔を思い浮かべながら待っていると
見知らぬ小さなおっさんがニコニコしながら近づいてきた。
確かに目元は写真の彼と似ている雰囲気はあったものの
マスクをしているし、写真よりかなり老けてるし、
167cmとは聞いていたが、167cmってこんなに小柄だったっけ?
というがっかり感は否めなかった。
その場ですぐ改札口に戻るわけにもいかず、
お店まで天気の話をしながら歩いた。
「今日は晴れて良かったね。」
「そうだね。」
店に着くとすでに入り口の外まで客の行列ができていた。
川の上にある有名なカフェレストランらしかった。
確かにこの季節は川沿いに緑が生い茂って天気が良ければ最高の景色である。
人気があるのも納得であった。
彼は予約をしていてくれたので列に並ばずに席を案内してもらえた。
「すごい人並んでるね。人気のお店なんだね。」
「いつも人がいっぱいだから予約しないとと思って。」
テラス席はいっぱいって言われたから中の方にしたけど大丈夫?」
「うん全然大丈夫。ちょうど日に焼けないし。ありがとう。」
彼はさちこの座る椅子を引いて、「どうぞ。」と言ってくれた。
(私のブログでも読んでるのか?)
と思うほどの紳士っぷりに驚いた。
席についてさちこはマスクを外した。
彼はマスクを外さないので聞いた。
「マスク外さないの?気にする人?」
「じゃあ外そうか。」
マスクを外すと若干印象は若返ったが、
やはり写真との乖離は埋まらなかった。
彼はメニューをこちらに向けてくれた。
ランチメニューはパスタ、ピザ、肉料理の3タイプしかなかった。
「パスタが美味しいって書いてあったよ。」
「そーなんだ。よく来るの?」
「前1回来たことある。」
「ふーん。何食べたの?」
「ピザ。」
「そーなんだ。美味しかった?」
「うん。美味しかったよ。」
とはいえ、ピザは食べにくいので パスタを選んだ。
彼ももう一種類のパスタを選び、
食後のコーヒーがついたセットを注文した。
さちこは待ち合わせの駅に20分前に着いた。
トイレで身だしなみを整えて、
改札口の横にある宅配ローカーの前で深呼吸をして
女性性を開花すべく瞑想していた。
剥けていないとはいえ、あの素敵なイケメンサーファーの写真を信じ、
彼の顔を思い浮かべながら待っていると
見知らぬ小さなおっさんがニコニコしながら近づいてきた。
確かに目元は写真の彼と似ている雰囲気はあったものの
マスクをしているし、写真よりかなり老けてるし、
167cmとは聞いていたが、167cmってこんなに小柄だったっけ?
というがっかり感は否めなかった。
その場ですぐ改札口に戻るわけにもいかず、
お店まで天気の話をしながら歩いた。
「今日は晴れて良かったね。」
「そうだね。」
店に着くとすでに入り口の外まで客の行列ができていた。
川の上にある有名なカフェレストランらしかった。
確かにこの季節は川沿いに緑が生い茂って天気が良ければ最高の景色である。
人気があるのも納得であった。
彼は予約をしていてくれたので列に並ばずに席を案内してもらえた。
「すごい人並んでるね。人気のお店なんだね。」
「いつも人がいっぱいだから予約しないとと思って。」
テラス席はいっぱいって言われたから中の方にしたけど大丈夫?」
「うん全然大丈夫。ちょうど日に焼けないし。ありがとう。」
彼はさちこの座る椅子を引いて、「どうぞ。」と言ってくれた。
(私のブログでも読んでるのか?)
と思うほどの紳士っぷりに驚いた。
席についてさちこはマスクを外した。
彼はマスクを外さないので聞いた。
「マスク外さないの?気にする人?」
「じゃあ外そうか。」
マスクを外すと若干印象は若返ったが、
やはり写真との乖離は埋まらなかった。
彼はメニューをこちらに向けてくれた。
ランチメニューはパスタ、ピザ、肉料理の3タイプしかなかった。
「パスタが美味しいって書いてあったよ。」
「そーなんだ。よく来るの?」
「前1回来たことある。」
「ふーん。何食べたの?」
「ピザ。」
「そーなんだ。美味しかった?」
「うん。美味しかったよ。」
とはいえ、ピザは食べにくいので パスタを選んだ。
彼ももう一種類のパスタを選び、
食後のコーヒーがついたセットを注文した。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説


隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。


規約違反少女がマッチングアプリで無法すぎる!
アメノヒセカイ
恋愛
『更新』
週1更新。
毎週土曜日23時
番外編
エブリスタにて、「新年、悪夢で目覚めたんだが?」と同じ内容です。
『あらすじ』
学生専用マッチングアプリに登録したヒウタは、一人の女性と出会う。
しかし、その女性は高校の制服を着ていて。
これは、恋愛を全くしてこなかったヒウタが、マッチングアプリに出会い、自身の恋活と様々な恋愛の形に奮闘する物語である。
☆略は『キヤマチ』です。
・お気に入り登録、感想で更新を頑張ります!
応援よろしくお願いします!
オフィーリアへの献歌
夢 浮橋(ゆめの/うきはし)
恋愛
「成仏したいの。そのために弔いの歌を作ってほしい」
俺はしがないインディーズバンド所属の冴えない貧乏ギタリスト。
ある日部屋に俺のファンだという女の子……の幽霊が現れて、俺に彼女のためのオリジナルソングを作れと言ってきた。
祟られたら怖いな、という消極的な理由で彼女の願いを叶えることにしたけど、即興の歌じゃ満足してもらえない。そのうえ幽霊のさらなる要望でデートをするはめに。
けれど振り回されたのも最初のうち。彼女と一緒にあちこち出掛けるうちに、俺はこの関係が楽しくなってしまった。
――これは俺の、そんな短くて忘れられない悪夢の話。
*売れないバンドマンと幽霊女子の、ほのぼのラブストーリー。後半ちょっと切ない。
*書いてる人間には音楽・芸能知識は微塵もありませんすいません。
*小説家になろうから出張中
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる