中級編マッチングアプリの男〜防衛省事務官の男〜

８話 バツイチ男がやりがちな既婚女性への質問と不要なアドバイス

「用事は終わったの？暑いね。」
「暑いね。用事終わったよ。さっき帰ってきた。」
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
「なにしてた？」
「用事？美容室行ってたの。」

（なんかいちいち用事の中身まで聞かれるのって抵抗あるわ。
言いたかったら、わざわざ抽象的に「用事」って言わないで具体的に言ってるしね。）

「そかそか。それは至福の時やね。」
「結構ガッツリ寝てしまってた。」
「普段は旦那さんと日常は話するの？」

（なんでみんな同じ質問してくるんやろうなあ。
既婚者に聞かれるのはお互い様やからええけど、
付き合ってもない独身の男に旦那のこと聞かれるとなんか重く感じる。）

「挨拶はするよ。」
「へー。なんか面白い。」
「土日もお互い出かけたりしてすれ違ってるし、意図的に。」
「ご飯は一緒に食べたりしないの？」
「ほぼしない。」
「へー。面白い。」
「休日の夜くらいかな。」
「そんな生活をどれくらいしてるの？」
「5年くらいかなあ。元々朝は早くて会わないし、夜も食べてくるから。」
「旦那さんは別れたがらないの？」
「知らない。向こうからは言われたことない。」
「さっちゃんは？」
「経済的には感謝してるから。」
「なるほど。」
「前はすごく別れたかったけど、
今は感謝するところは素直に感謝できてる。」
「ある程度割り切れば良い関係なことはよくあるよね。」
「まあ兄弟みたいな感じかな。」
「ふむふむ。旦那さんは彼女いる感じ？」

（それもよく聞かれるけど、知るかよって話なんだよね。
そんなに旦那に興味あるなら、私じゃなくて旦那に聞けよって感じ。
既婚者に手を出す罪悪感を旦那の浮気で薄めようとしてんのか知らんけど、
全く別問題の話だからね。）

「わかんないけどメイドカフェ的なのにハマってそう。笑」
「そういうの好きなんだ？」
「知らんけど。笑
休日も昼間から出掛けて行くから。
なんかしてるんじゃないかな。」
「すごい。不思議な感じ。」
「あと休日なのに会社の人とよく食事行ってるみたい。」
「浮気した事、今なら許せる？」
「許すっていうか、もう興味がない。」
「ははは。笑」
「信頼は戻らないけど。」
「抱いてあげないの？」
「それは無理。そういうのはもう一生ないね。エッチは他の人としたい。」
「踏み込んだら雪解けするかもね。」
「どういうこと？」
「勇気を出して夜の旦那さんの寝室にネグリジェで現れて誘惑してみるの。」

（だからさあ、なんでバツイチの男って
既婚女性に求めてもいない夫婦仲直りのアドバイスをしたがるわけ？
それってほんとに余計なお世話だし、
自分の果たせなかったことの妄想でしかないやん。
そもそも夫婦仲直りのアドバイスは関係修復できなかった人に言われても
全く説得力ないからね。
寝取られのAV実践したいだけなんか？
こっちは離婚したいとも仲直りしたいとも一切言ってないしね。
っていうか＜勇気を出して。。。＞ってなんやねん！）