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39話 わがままな男
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「荷物持ってあげるから、もう少し我慢してね。」
「嫌だ。もう無理。おんぶして。」
「もうすぐだから。それでなかったら諦めるから。」
「あるわけないじゃん。こんなところ店なさそうな道じゃん。」
「あ、ここ大丈夫じゃない?」
どこからどう見てもさちこが苦手な南アジアのカレー屋だった。
店の外までスパイスの匂いが充満していた。
「ここカレー屋さんでしょ?」
「仕方ないじゃん。ここしかビール飲めるとこなさそうだし。」
「私がカレー苦手なこと知ってるよねえ?」
「うん。知ってるよ。」
そう言いながら彼は店に入って行った。
さちこが店の外で立ってると彼がさちこ呼びに出てきた。
「席空いてるって。ビールも置いてるって。」
「だから?」
「ね、わがまま言わないで、ここは我慢してね。」
(どっちがわがままなんだよ。ふざけんな。)
とはいえ、さちこは足が痛いし、喉も乾いていたので店に入った。
「いい匂いだね~。なんか食べる?」
その一言がさちこの怒りに火をつけた。
(おめえ、それ嫌味で言ってんの?マジふざけんな。)
「私カレー苦手なのに、この店で食べれるものなんかあるわけないじゃん。」
大声で言いたいところ抑え目に言ったはずだったが、
怒りのエネルギーと共に店内に響き渡っていたのか、
美味しそうにカレーを食している客が一斉にこちらを見た。
気まずそうに席につくと
顔の濃い外国人の店員が睨みながら水とメニューをおきにきた。
(日本語通じるんだね。笑)
彼はどのビールにするかご機嫌そうにメニューを見ていた。
彼はさちこに一切気を使わず、
スパイスの香りがプンプンする辛そうなツマミとビールを注文した。
彼がビールと辛いものが苦手なさちこに当てつけのように飲食しているのが
手にとるようにわかった。
さちこは黙々とまずいコーヒーを飲みながら
手にとると砂のように粉と化して手から皿にこぼれ落ちる
魔法のクッキーもどきをスプーンで掬って食べるという格闘をしていた。
店を出てしばらく歩くと原宿駅に着いた。
環状線で新宿駅まで乗った。
「嫌だ。もう無理。おんぶして。」
「もうすぐだから。それでなかったら諦めるから。」
「あるわけないじゃん。こんなところ店なさそうな道じゃん。」
「あ、ここ大丈夫じゃない?」
どこからどう見てもさちこが苦手な南アジアのカレー屋だった。
店の外までスパイスの匂いが充満していた。
「ここカレー屋さんでしょ?」
「仕方ないじゃん。ここしかビール飲めるとこなさそうだし。」
「私がカレー苦手なこと知ってるよねえ?」
「うん。知ってるよ。」
そう言いながら彼は店に入って行った。
さちこが店の外で立ってると彼がさちこ呼びに出てきた。
「席空いてるって。ビールも置いてるって。」
「だから?」
「ね、わがまま言わないで、ここは我慢してね。」
(どっちがわがままなんだよ。ふざけんな。)
とはいえ、さちこは足が痛いし、喉も乾いていたので店に入った。
「いい匂いだね~。なんか食べる?」
その一言がさちこの怒りに火をつけた。
(おめえ、それ嫌味で言ってんの?マジふざけんな。)
「私カレー苦手なのに、この店で食べれるものなんかあるわけないじゃん。」
大声で言いたいところ抑え目に言ったはずだったが、
怒りのエネルギーと共に店内に響き渡っていたのか、
美味しそうにカレーを食している客が一斉にこちらを見た。
気まずそうに席につくと
顔の濃い外国人の店員が睨みながら水とメニューをおきにきた。
(日本語通じるんだね。笑)
彼はどのビールにするかご機嫌そうにメニューを見ていた。
彼はさちこに一切気を使わず、
スパイスの香りがプンプンする辛そうなツマミとビールを注文した。
彼がビールと辛いものが苦手なさちこに当てつけのように飲食しているのが
手にとるようにわかった。
さちこは黙々とまずいコーヒーを飲みながら
手にとると砂のように粉と化して手から皿にこぼれ落ちる
魔法のクッキーもどきをスプーンで掬って食べるという格闘をしていた。
店を出てしばらく歩くと原宿駅に着いた。
環状線で新宿駅まで乗った。
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