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26話 電車で腕が触れ合ってもムラムラしない男
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翌日、昼前にラインがきた。
「ちょっと早めに終わった。13時待ち合わせにしようか。」
「早くて13時過ぎに着くわ。」
「焦らず。山手線で回ってく?」
「うん。」
「じゃあ山手線ホームの間とって5両目の前ってことで。ホーム待ち合わせ。」
「わかった。」
「15番線ね。」
「うん。ありがとう。」
「中央西改札から上がってくる??」
「改札口の名前わかんない。もうすぐ新宿着くから。」
「オッケー。じゃあ後で。」
「はーい。ちゃんと辿り着けるよ。」
「ははは。心配してないっす。」
さちこがホームに着くと彼が立っていた。
相変わら華奢なおっさんでデートのテンションは全くなかった。
新宿から上野駅まで初めて一緒に電車に乗った。
横並びに座ると彼は大きな声で身の上話をペラペラ話し始めた。
「この辺がね、僕が昔住んでたとこらへん。」
「へえ。めっちゃ都会だね。」
「そう。昔さ、すごい豪雨でさ、
この辺一帯が浸水して大変だったことがあったの。」
「へえ。」
「俺がまだ4歳とかで、母親が姉貴を迎えに行くって言い出して、
豪雨の中俺をおんぶして保育園まで出掛けたわけよ。」
「えー。えなり君は小さいから留守番させるか
近所の人に預けた方がよかったんじゃないの?」
「でしょー?で、行く先々で警官とかに止められたんだけど、
大丈夫っていうこと聞かなくてさ。」
「ほー。」
さちこは全く興味が湧かず、
静かに窓からの風景を見ていたい気持ちであった。
結局大声で勿体ぶって話した割には大したオチもなく、
隣に座っているだけで、相方がすべったような感覚であった。
しかもまだ残暑厳しい中、彼の上腕がさちこにあたって暑苦しかった。
好きな相手ならきっとソワソワするほどの密着感であったが、
全くムラムラしないどころか寧ろ不快だった。
ようやく上野駅に着き電車を降りて、
駅構内のハードロックカフェに入った。
「ちょっと早めに終わった。13時待ち合わせにしようか。」
「早くて13時過ぎに着くわ。」
「焦らず。山手線で回ってく?」
「うん。」
「じゃあ山手線ホームの間とって5両目の前ってことで。ホーム待ち合わせ。」
「わかった。」
「15番線ね。」
「うん。ありがとう。」
「中央西改札から上がってくる??」
「改札口の名前わかんない。もうすぐ新宿着くから。」
「オッケー。じゃあ後で。」
「はーい。ちゃんと辿り着けるよ。」
「ははは。心配してないっす。」
さちこがホームに着くと彼が立っていた。
相変わら華奢なおっさんでデートのテンションは全くなかった。
新宿から上野駅まで初めて一緒に電車に乗った。
横並びに座ると彼は大きな声で身の上話をペラペラ話し始めた。
「この辺がね、僕が昔住んでたとこらへん。」
「へえ。めっちゃ都会だね。」
「そう。昔さ、すごい豪雨でさ、
この辺一帯が浸水して大変だったことがあったの。」
「へえ。」
「俺がまだ4歳とかで、母親が姉貴を迎えに行くって言い出して、
豪雨の中俺をおんぶして保育園まで出掛けたわけよ。」
「えー。えなり君は小さいから留守番させるか
近所の人に預けた方がよかったんじゃないの?」
「でしょー?で、行く先々で警官とかに止められたんだけど、
大丈夫っていうこと聞かなくてさ。」
「ほー。」
さちこは全く興味が湧かず、
静かに窓からの風景を見ていたい気持ちであった。
結局大声で勿体ぶって話した割には大したオチもなく、
隣に座っているだけで、相方がすべったような感覚であった。
しかもまだ残暑厳しい中、彼の上腕がさちこにあたって暑苦しかった。
好きな相手ならきっとソワソワするほどの密着感であったが、
全くムラムラしないどころか寧ろ不快だった。
ようやく上野駅に着き電車を降りて、
駅構内のハードロックカフェに入った。
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