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20話 1杯目のシャンパンを強要する男
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彼はさちこを馴染みのイタリアンの店に連れて行った。
「ここはまずシャンパンね。」
「私、炭酸苦手だからやめとく。」
「大丈夫。大丈夫。」
「大丈夫じゃないって。」
「すみません。シャンパン2つください。」
「は?私シャンパン飲まないよ。」
「いいから一口飲んでみ。他の頼んでいいから。」
なんかその強引さにムカついた。
そのまま帰りたくなったが、
お腹は空いていたのでとりあえず食べたいものを食べることにした。
「どう?あれからいいね、いっぱいきた?」
「相変わらずよ。」
「あら。なんで?」
「プロフの写真のせいじゃないの?!」
「おかしいね。笑」
お互い知恵を出し合ってパートナーを作ろうという
彼のとってつけたような茶番劇に乗ってあげていたが、
いくら毎度奢ってくれるとはいえ、その強引さには我慢できなかった。
さちこは少々不機嫌に見せたが、彼はお構いなしに話し出した。
「結局さー、独身の人はダメなのかねえ。」
「なんで?」
「なんか子供がいるって言うとみんな引くんだよね。
自分との子供しか欲しくないみたいなこと言う。」
「ふーん。」
(そうじゃなくて、今みたいな態度したら誰だって速攻帰るわ。)
「でも俺は子供と一緒に住んでないし、住めないからさ、
新しい人とまた子供作りたいんだけどね。
そしたらいいじゃんって思うんだけど。」
「でも兄弟になるわけだからそりゃ気にするでしょ。
そういうのが嫌っていう人もいるんじゃない?
まあ離婚歴や子供いる人のがその辺は寛容なんじゃない?」
「そうだねえ。」やっぱあのアプリではできないのかな。
姐さんも彼氏できないんでしょ?」
(いや、もう2人いるけどね。笑)
「うん。既婚者は難しいからね。」
「俺、あのアプリが向いてないんじゃないかな?」
(まあ私は使いこなしてるけどね。笑)
「そうだね~。他のアプリやったことないの?」
「ない。姐さんやってるの?教えて。」
「嫌だ。見るでしょ?」
「探す。」
「ほら~。でもそっちはすぐやめたから今は顔載せてないの。
載せなくても登録できるし。」
「顔載せてないとマッチングなんかしないでしょ?」
「まあね。」
「俺、顔出してない人からいいねきても絶対スルーするよ。
何考えてんのって思っちゃう。」
「なんで?」
「顔わかんないのに押すわけないでしょ。」
「まあそうだね。
でも<仲良くなってから見せます>とかいう人もいるでしょ?」
「そんなのどうでもいいわ。とにかく顔出してない奴は絶対スルーする。」
「へー。」
(自分は詐欺みたいな写真載せといてそれ言うか~。
そういや本命の彼は顔を出してない女と待ち合わせして
えらいがっかりしたって話してたな。笑)
「ここはまずシャンパンね。」
「私、炭酸苦手だからやめとく。」
「大丈夫。大丈夫。」
「大丈夫じゃないって。」
「すみません。シャンパン2つください。」
「は?私シャンパン飲まないよ。」
「いいから一口飲んでみ。他の頼んでいいから。」
なんかその強引さにムカついた。
そのまま帰りたくなったが、
お腹は空いていたのでとりあえず食べたいものを食べることにした。
「どう?あれからいいね、いっぱいきた?」
「相変わらずよ。」
「あら。なんで?」
「プロフの写真のせいじゃないの?!」
「おかしいね。笑」
お互い知恵を出し合ってパートナーを作ろうという
彼のとってつけたような茶番劇に乗ってあげていたが、
いくら毎度奢ってくれるとはいえ、その強引さには我慢できなかった。
さちこは少々不機嫌に見せたが、彼はお構いなしに話し出した。
「結局さー、独身の人はダメなのかねえ。」
「なんで?」
「なんか子供がいるって言うとみんな引くんだよね。
自分との子供しか欲しくないみたいなこと言う。」
「ふーん。」
(そうじゃなくて、今みたいな態度したら誰だって速攻帰るわ。)
「でも俺は子供と一緒に住んでないし、住めないからさ、
新しい人とまた子供作りたいんだけどね。
そしたらいいじゃんって思うんだけど。」
「でも兄弟になるわけだからそりゃ気にするでしょ。
そういうのが嫌っていう人もいるんじゃない?
まあ離婚歴や子供いる人のがその辺は寛容なんじゃない?」
「そうだねえ。」やっぱあのアプリではできないのかな。
姐さんも彼氏できないんでしょ?」
(いや、もう2人いるけどね。笑)
「うん。既婚者は難しいからね。」
「俺、あのアプリが向いてないんじゃないかな?」
(まあ私は使いこなしてるけどね。笑)
「そうだね~。他のアプリやったことないの?」
「ない。姐さんやってるの?教えて。」
「嫌だ。見るでしょ?」
「探す。」
「ほら~。でもそっちはすぐやめたから今は顔載せてないの。
載せなくても登録できるし。」
「顔載せてないとマッチングなんかしないでしょ?」
「まあね。」
「俺、顔出してない人からいいねきても絶対スルーするよ。
何考えてんのって思っちゃう。」
「なんで?」
「顔わかんないのに押すわけないでしょ。」
「まあそうだね。
でも<仲良くなってから見せます>とかいう人もいるでしょ?」
「そんなのどうでもいいわ。とにかく顔出してない奴は絶対スルーする。」
「へー。」
(自分は詐欺みたいな写真載せといてそれ言うか~。
そういや本命の彼は顔を出してない女と待ち合わせして
えらいがっかりしたって話してたな。笑)
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