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3話 四半世紀以上ぶりに着る制服
しおりを挟む当日の朝、1時間遅らせてくれと連絡が入った。
さちこのモチベーションは高くも低くもなく
いたって平常心でスーパーに買い物に行くぐらいの
日常的なテンションだった。
「駅に着いた。今向かってます。」
「オッケー。」
誰が相手でも何度経験しても
相手の待つ部屋に向かうこの行動は
自分がデリヘル嬢にでもなったかのような
ビジネスライクな気分になる。
つまりは事務的で一切ウキウキした気分には
ならない。
ホテルに着いて無人のフロントの前を通り過ぎて
そのまま部屋に向かおうとすると
従業員が出てきた。
「どちらへ行かれますか?」
「310号室。」
「わかりました。
今エレベーターが修理中ですので
こちらの階段で上がってください。」
「はい。」
このホテルは過去に何度も
第一彼氏ときたことがあるから
従業員には会いたくなかった。
部屋の前に着いてベルを鳴らした。
彼がドアを開けた。
「おう。」
「お待たせ~。久しぶり。」
さちこは部屋に入った。
鞄を椅子に置いた。
「とりあえず手洗いうがいするわ。」
「うん。」
マスクを外して洗面所に行った。
前回のホテルよりも少し広めの部屋だったが
昭和感満載のビジネスホテルには変わりなかった。
第一彼氏と来た時はこんな部屋でも
数時間彼と過ごせるだけで
ありがたい空間だと思ったものだが、
相手が変われば部屋の印象も変わる。
さちこは椅子に座った。
彼はテーブルにノートパソコンを広げたまま
テレビを見ていた。
しばらくテレビを観ながら世間話をした。
彼は相変わらずセクシーな声ではあるが
いかんせん顔が好みでないから
目の前にベッドがあるのに一切そそられなかった。
「そういや、ほら、これ持ってきたんだ。」
(おお~とうとう持ち出してきたか。)
「あー、コスプレね。笑
もう冬終わったから暑くないかな?」
「大丈夫、年間着れそうなやつだよ。」
「そっか。じゃあ着てみようか。」
「あと、これ。」
「あー、ディルド!笑
ちょっとデカくない?」
「そう?」
「入るかな。笑」
「シャワーする?」
「うん。じゃあシャワーしてこれ着るね。」
さちこはシャワーを浴びて下着をつけず
女子高生の制服を着た。
白いシャツのボタンを閉じて
チェックのミニスカートを履き、
白いベストを頭から被った。
シャツの腕を捲って、
首に棒帯のリボンをつけた。
髪はいつもシャワーから出ると下ろすが
今回は女子高生の衣装に合わせて
ポニーテールにした。
プリーツスカートの裾は
しつけ糸がしっかりつけられていた。
洗面所から出て彼に聞いた。
「これって切っていいよね?」
「うん。」
「ハサミある?」
彼がこちらに近寄ってきて
スカートの裾を持ち上げ、
しつけされている部分を
一つ一つ手で糸を切っていった。
プリーツがフワッと開いて
ようやくコスプレが完成した。
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