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2話 前向きな男
しおりを挟む「もしもし?」
「。。。。。」
相手からの応答はなく、
ザーザーと雑音だけが聞こえてきた。
「もしもし?」
「。。。。。」
(これって彼の奥さんが浮気を疑って片っ端から
電話かけまくってるのか?
それとも子供がスマホいじってかかってしまったのか?)
さちこはヒヤリとして無言で耳を傾けた。
「。。。もしもし?」
彼の声が途切れ途切れに聞こえた。
とりあえず、
彼自身が意図的にかけてきたことがわかって安心した。
「もしもし?」
「もしもし。」
「あ~久しぶり~。」
「元気?」
「うん、元気。」
「どうした?」
「どうしたって、こっちのセリフだよ。どうしたの?」
「だって何回もラインしてるのに全然返事こないし。」
「あー。」
(そりゃそうだ、
ブロックしてたんだから気づかないよ。笑)
「ごめんね~。色々バタバタしてて。」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫。ありがとう。元気?」
「うん。」
「そっか、それは良かった。」
「良かったら今度久々に会わない?」
「いいよ。」
何となく自然に口が動いていた。
「じゃあ今週と来週だったらどっちがいい?」
「うーん、来週かな。」
「わかった。」
「今もリモートあるの?」
「うん、たまにあるよ。来週の何曜日がいい?」
「じゃあ月曜は?」
「わかった。じゃあリモートできたら昼間、
ダメだったら夜、
とりあえず月曜日空けといてね。」
「うん、わかった。」
「リモートの日わかったら連絡するね。
多分金曜にわかるから。」
「うん、ありがとう。」
(あれ?
なんかホテルに行く約束みたいになってしまった。
まあいっか。
今度はちゃんと歯を磨けって言おうっと。)
「ねえねえ、ところで最近どうなの?」
「まあ積もる話はまた会った時にね。」
「う、うん、わかった。」
(積もる話なんかねえよ。
ただ今度会うためのテンション
上げようと思っただけだよ。)
電話を切って数日後、木曜日に彼から連絡がきた。
「リモートになったよ。」
「オッケー。何時にどこに行けばいい?」
数時間後、近隣のホテルのhpが送られていた。
「ここでいいかな?13時くらい。
先に入って部屋番号連絡するね。」
「オッケー。探してくれてありがとう。
そこでいいよ。
じゃあ当日連絡待ってるね。」
(前回果たせなかったデートは
11時に駅で待ち合わせしてランチを食べてから
ホテルに行くというプランだったが
今回は久々だしランチ代削ったのかな。
まあ一緒にいる時間短くなって
効率的だから別にいいけど。)
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