鈴木亮平似のキン肉マン

椋のひかり~むくのひかり~

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最終話 別れ

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さちこは自然に自分から手を繋いだ。

「ねえ、手繋ぐのはあり?」
「うん。手繋ぎたいの?」
「うん。だめ?」
「いいよ。可愛いね。」

彼のふっくらした手が心地よかった。
身長180cmとはいえ、繋ぎにくい距離感ではなかった。

交差点まで来た。

「さっちゃんの路線はあっちだよ。」
「あ、こっちか。」
(あれ?送ってくれないのか?そんなに急いでるのか?)
「じゃあそこまで行くよ。」

横断歩道を渡り終えた。

「じゃあ俺こっちだから。」
「うん。じゃあまたね。」

彼はジムに行くと奥さんに言って来た手前
早く帰らなくては怪しまれるとのことだった。

急いで帰るのは仕方ないとはわかっていても
改札口まで見送りがないのはなんとなく寂しく思えた。

家に帰ってから夜にラインがきた。
また興味のないURLの嵐だった。

いつまで続くんだろう。。。

明後日の新規面談が楽しみだった。

毎日昼夜問わず、興味のないURLが送られてきた。
唯一役に立ったのは女子のボディビルダーの人の
YouTubeで腹筋の仕方の解説だった。
さちこは最近毎晩腹筋100回するのを再開していたが
一向に効果が現れないので彼に相談していたからであった。

結局腹筋のやり方を間違っていたようだった。

しかし、彼はさちこがYouTubeを観た感想を
メッセージしてもそれについて何ら返信はない。

例えば、おしゃれなカフェを厳選したYouTubeを
送りつけてくるが、<2番目に出てきたカフェが美味しそうだね>
と返信してもそれについての返信はなく、
全く関係ない歌手のYouTubeを送ってきたりする。

いくらラインの履歴をすぐに消去しているとはいえ、
自分の送ったYoutubeを覚えているだろうし、
見返せば、それについて話題は続くと思うが、
どうやらそういうのはしたくないらしい。

さちこは馬鹿馬鹿しくなって
<もう寝るね。おやすみなさい。>
と送り、機内モードにして寝た。

翌朝起きると6件のメッセージが入っていた。
そのうち3件は自身の大学生の頃のスナップ写真だった。

「自分のも送ってみ。」

というメッセージが添えられていた。
なぜ突然そんなものを送ってきたのか意味不明であるし、
なぜ私の写真を送らないといけないかも意味不明だし、
しかもなぜ上から目線で言われなければならないのかも
意味不明だったので速攻ブロックして削除した。

最初のスヌーピーのスタンプでサインが出ていたのかもしれない。

やっぱり筋肉バカとは合わない。
確信したさちこであった。
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