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二巡目(二〇二三)
第04(128)匙 昭和三年、東京開成学校の跡地で札幌農学校の寮食を喰らう:学士会館セブンズハウス(B01)
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竹橋駅近くの「学士会館」の一階に入っているカフェ&ビアパブ「セブンズハウス」は「新クラーク・カレー」というメニューを提供している。
この品名にある「クラーク」とは、「少年よ大志を抱け」の言葉で有名なクラーク博士の事で、それでは何故に、クラーク・〈カレー〉かというと、クラーク博士が、栄養摂取のためにカレー食を札幌農学校の学生に奨励していた、という話があって、これが、「新クラーク・カレー」という商名の由来なのであろう。
実を言うと、日本にカレー料理を〈最初〉に導入したのがクラーク博士といった〈カレー・クラーク起源論〉に関する資料は乏しく、この説は信頼できないものであるそうだ。
だがしかし、〈最初〉とか〈命名者〉という問題は括弧に入れておくとして、札幌農学校の寄宿学校についての回想録である『恵迪寮史』の中に、「ライスカレー」という語が出てきているそうで、これを信頼するのならば、少なくとも、明治九年に札幌農学校で教鞭を取ったクラーク博士の在任期間中に、札幌農学校の寮食においてカレーが出されていた事は、蓋然性の高い事であろう。
いずれにせよ、伝説として、日本のカレーのルーツをクラーク博士に求める事それ自体は、なるほど、話としてのインパクトがあるのは確かであろう。
ところで、「セブンズハウス」が、何故に「クラーク」博士から名を取ったカレーを提供しているのか、というと、「札幌農学校」が「北海道大学」の前身で、「学士会」とは、七つの旧帝国大学、すなわち、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、そして九州大学の〈七〉つの国立大学の合同同窓会組織で、その学士会の建物が、「学士会館」だからである。つまり、店名の「セブンズ」も、旧帝大の数、〈七〉に由来している次第なのだ。
この「セブンズハウス」の開業は、『学士会館精養軒』の「会社案内」によると、今から約二十年前の二〇〇四年八月なのだが、この料理店が入っている建物、「学士会館」それ自体が建てられたのは、一九二八年、昭和三年五月であった。
そして、鉄骨鉄筋コンクリート造である学士会館には、現在、宿泊施設、会議室、結婚式場、そして料理店が入っているのだが、ここで着目したいのは、この学士会館の建物が、昭和初期に建てられた当時のままだという点である。それゆえに、今から二十年前の平成十五年、二〇〇三年には、国の〈有形文化財(建造物)〉に登録されたのだ。
このように、国の有形文化財に登録されたのが〈二〇〇三年〉、「セブンズハウス」を始めとする、三つの料理店の開業が〈二〇〇四年〉なので、レストランの開業は、国の有形文化財登録記念行事の一環なのかもしれない。
ちなみに、この竹橋エリアの、現在の神田錦町(昔の神田一ツ橋)に学士会館が建てられたのは、この地が「東京大学発祥の地」だからである。
明治十年、一八七七年に、東京医学校と〈東京開成学校〉が合併し、東京大学が創立されたのだが、その後者の、東京大学の前身である〈東京開成学校〉が在ったのが、〈神田一ツ橋(現在の神田錦町)〉、すなわち、学士会館が位置している地なのだ。
開成学校は、明治時代初期の官立機関なのだが、より厳密に言うと、明治元年九月から、明治二年十二月(一八七〇年一月)までが〈初期開成学校〉で、これに対して、明治五年八月(一八七二年九月)から、東京大学発足の明治十年、一八七七年四月までが〈後期開成学校〉である。
この〈後期開成学校〉の歴史を追ってゆくと、まず、明治五年八月三日(一八七二年九月五日)に、〈大学南校〉が、〈第一大学区第一番中学〉として改編された。
その〈第一大学区第一番中学〉が、明治六年四月十日、一八七三年に、専門学校に転換され、〈(第一大学区)開成学校〉と称するようになる。
その後、一八七四年五月に、〈東京開成学校〉と改称したのであった。
最終的に、一八七七年に、東京開成学校と東京医学校が合併し、東京大学となったのである。
そして、東京大学となってからもしばらくの間は、東京開成学校が在った地は、法理文、三つの学部の校地として使用されてきたのだが、順次、本郷の校地の方に移転され、やがて一八八五年には、移転は終了したらしい。
その、神田一ツ橋の跡地に、一九二八年に建てられたのが、二〇二三年現在、築百年近い歴史を誇る、現在の「学士会館」なのだ。
八月二日の夜――
七つの国立大学出身ではないのだが、書き手は、東京大学の前身である〈東京開成学校〉が在った地で、北海道大学の前身である〈札幌農学校〉で教鞭を振るっていたクラーク博士の名を冠した、粘り気の強いカレーを、夏野菜と共に口に運び続けているのである。
〈訪問データ〉
学士会館 THE SEVEN’S HOUSE:竹橋エリア
B01
八月二日・水・十九時
新クラーク・カレー:一四〇〇円(クレカ)
『北斗の拳』カード:No.01「ケンシロウ」
〈参考資料〉
「学士会館 THE SEVEN’S HOUSE」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2023』、五十四ページ。
〈WEB〉
「会社概要」、『株式会社 学士会館精養軒』、二〇二三年八月六日閲覧。
この品名にある「クラーク」とは、「少年よ大志を抱け」の言葉で有名なクラーク博士の事で、それでは何故に、クラーク・〈カレー〉かというと、クラーク博士が、栄養摂取のためにカレー食を札幌農学校の学生に奨励していた、という話があって、これが、「新クラーク・カレー」という商名の由来なのであろう。
実を言うと、日本にカレー料理を〈最初〉に導入したのがクラーク博士といった〈カレー・クラーク起源論〉に関する資料は乏しく、この説は信頼できないものであるそうだ。
だがしかし、〈最初〉とか〈命名者〉という問題は括弧に入れておくとして、札幌農学校の寄宿学校についての回想録である『恵迪寮史』の中に、「ライスカレー」という語が出てきているそうで、これを信頼するのならば、少なくとも、明治九年に札幌農学校で教鞭を取ったクラーク博士の在任期間中に、札幌農学校の寮食においてカレーが出されていた事は、蓋然性の高い事であろう。
いずれにせよ、伝説として、日本のカレーのルーツをクラーク博士に求める事それ自体は、なるほど、話としてのインパクトがあるのは確かであろう。
ところで、「セブンズハウス」が、何故に「クラーク」博士から名を取ったカレーを提供しているのか、というと、「札幌農学校」が「北海道大学」の前身で、「学士会」とは、七つの旧帝国大学、すなわち、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、そして九州大学の〈七〉つの国立大学の合同同窓会組織で、その学士会の建物が、「学士会館」だからである。つまり、店名の「セブンズ」も、旧帝大の数、〈七〉に由来している次第なのだ。
この「セブンズハウス」の開業は、『学士会館精養軒』の「会社案内」によると、今から約二十年前の二〇〇四年八月なのだが、この料理店が入っている建物、「学士会館」それ自体が建てられたのは、一九二八年、昭和三年五月であった。
そして、鉄骨鉄筋コンクリート造である学士会館には、現在、宿泊施設、会議室、結婚式場、そして料理店が入っているのだが、ここで着目したいのは、この学士会館の建物が、昭和初期に建てられた当時のままだという点である。それゆえに、今から二十年前の平成十五年、二〇〇三年には、国の〈有形文化財(建造物)〉に登録されたのだ。
このように、国の有形文化財に登録されたのが〈二〇〇三年〉、「セブンズハウス」を始めとする、三つの料理店の開業が〈二〇〇四年〉なので、レストランの開業は、国の有形文化財登録記念行事の一環なのかもしれない。
ちなみに、この竹橋エリアの、現在の神田錦町(昔の神田一ツ橋)に学士会館が建てられたのは、この地が「東京大学発祥の地」だからである。
明治十年、一八七七年に、東京医学校と〈東京開成学校〉が合併し、東京大学が創立されたのだが、その後者の、東京大学の前身である〈東京開成学校〉が在ったのが、〈神田一ツ橋(現在の神田錦町)〉、すなわち、学士会館が位置している地なのだ。
開成学校は、明治時代初期の官立機関なのだが、より厳密に言うと、明治元年九月から、明治二年十二月(一八七〇年一月)までが〈初期開成学校〉で、これに対して、明治五年八月(一八七二年九月)から、東京大学発足の明治十年、一八七七年四月までが〈後期開成学校〉である。
この〈後期開成学校〉の歴史を追ってゆくと、まず、明治五年八月三日(一八七二年九月五日)に、〈大学南校〉が、〈第一大学区第一番中学〉として改編された。
その〈第一大学区第一番中学〉が、明治六年四月十日、一八七三年に、専門学校に転換され、〈(第一大学区)開成学校〉と称するようになる。
その後、一八七四年五月に、〈東京開成学校〉と改称したのであった。
最終的に、一八七七年に、東京開成学校と東京医学校が合併し、東京大学となったのである。
そして、東京大学となってからもしばらくの間は、東京開成学校が在った地は、法理文、三つの学部の校地として使用されてきたのだが、順次、本郷の校地の方に移転され、やがて一八八五年には、移転は終了したらしい。
その、神田一ツ橋の跡地に、一九二八年に建てられたのが、二〇二三年現在、築百年近い歴史を誇る、現在の「学士会館」なのだ。
八月二日の夜――
七つの国立大学出身ではないのだが、書き手は、東京大学の前身である〈東京開成学校〉が在った地で、北海道大学の前身である〈札幌農学校〉で教鞭を振るっていたクラーク博士の名を冠した、粘り気の強いカレーを、夏野菜と共に口に運び続けているのである。
〈訪問データ〉
学士会館 THE SEVEN’S HOUSE:竹橋エリア
B01
八月二日・水・十九時
新クラーク・カレー:一四〇〇円(クレカ)
『北斗の拳』カード:No.01「ケンシロウ」
〈参考資料〉
「学士会館 THE SEVEN’S HOUSE」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2023』、五十四ページ。
〈WEB〉
「会社概要」、『株式会社 学士会館精養軒』、二〇二三年八月六日閲覧。
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