カレイなる日々

隠井迅

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一巡目(二〇二二)

第113食 亜細亜折衷という〈夢〉の店:サパナ 水道橋西口店(E22)

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 例えばもし、友人達と、アジア系の料理を食べに行こう、という話になって、Aさんはインド料理を、Bさんはネパール料理を、Cさんはタイ料理を、Dさんはベトナム料理を食べたい、と主張したとする。
 インド・ネパール系の店は、其処彼処で割と見かけるので、AさんとBさんは妥協点を見出す事ができるかもしれない。
 また、タイやベトナムに関しては、〈東南アジア料理〉という括りで経営している店も在るので、CさんとDさんの間にも話し合いの余地はあろう。

 しかし、インドやネパールの〈南アジア〉と、タイやベトナムの〈東南アジア〉は、そもそも、食文化が全く異なるのだ。
 だから、南アジア派、東南アジア派、どちらかが折れなければ、まとまるべくもないのである。

 しかもどうやら、Aさん達は、外国の料理は、日本人の味覚に合うように調整されている物よりも、可能な限り、現地の味に近い品を求める、いわゆる、〈食通〉グループであるらしい。
 それでは、Aさん達のグループが、行き先を決定するためには、いかにすればよいのであろう。
 グループの誰かが折れるか、あるいは、いっそ中華か和食に、行き先を方向転換するしかないのであろうか?

 こういった場合に適している店こそが、「SAPANA(サパナ)」なのである。

 「サパナ」は、千代田区を中心に都内で八店舗を展開している、アジア料理店のグループで、グループのホームページによると、「本場のアジアンフードが200種類以上」で、「カジュアル」な「Asian Kitchen & Bar Sapana」、「ヘルシーフードやスイーツをカフェスタイルで堪能」できる「Cafe & Kitchen オリエンタル SAPANA」、「上質な非日常の空間で本格アジア料理と世界のビールとワインを堪能」できる「Asisn Dining & Bar SAPANA」、そして、テイクアウト専門の「Deli SAPANA」の四つの業務形態に分かれているそうだ。

 そして、この「サパナ」は、本格的なインド、ネパール、タイ、ベトナム料理が楽しめる店なのである。

 こうした、南アジア系の料理も東南アジア系の料理も選べる、「サパナ」の存在を知った今、Aさん達の選択肢は、もはや「サパナ」一択となろう。
 あとは、目的と場所と時間に応じて、行くべき店舗を決めればよい、という事になる。
 ちなみに、「サパナ」のいずれの店舗も、二十三時、あるいは二十四時と、かなり深めの時間帯まで営業しており、誰もが終電近くまで楽しめるのは実にありがたいのだが、なんと、水道橋西口店に関しては二十四時間営業なのである。
 つまり、水道橋では、インドもネパールも、タイもベトナムも、好みのアジア料理が、いつでも食べられる分けなのだ。

 ちなみに、「SAPANA」は、ヒンディー語で〈夢〉を意味するらしい。

 インド、ネパール、タイ、ベトナムと、その日の気分で、いずれかの国の料理を、いや、同時に何か国もの料理を選ぶ事だって可能で、しかも、水道橋に行けば、二十四時間いつでも、それらが味わえるのだ。
 まさに、〈夢〉の店であろう。

 この日の書き手は、グループではなく、お独り様であったのだが、冷たい雨が降りしきる中、二十二時半過ぎという、いささか深めの時刻に、この〈夢の店〉を訪れ、カレーは「インドカレー」のカテゴリーの「めがじきと野菜のカレー」を、ライスは、タイ米の「カオ」という、インドとタイの折衷メニューを注文したのであった。

〈訪問データ〉
 アジアンダイニングバー SAPANA(サパナ) 水道橋西口店;水道橋
 E22
 十二月五日・月・二十二時半
 めかじきと野菜のカレー(一〇五〇);カオ(四五〇):一四五〇円(QR)

〈参考資料〉
 「アジアンダイニングバー SAPANA(サパナ) 水道橋西口店」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、二十六ページ。 
〈WEB〉
 『サパナ』、二〇二三年七月二十四日閲覧。
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