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一巡目(二〇二二)
第104食 ポンカリ、それはカレー粉料理:メナムのほとり 神保町テラススクエア店(D18)
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神保町には、二つの「メナムのほとり」があって、一つが神保町駅〈A6〉出口すぐ近くの本店で、もう一つが「メナムのほとり 神保町テラススクエア店」である。この支店の方は、同じ神保町駅の〈A9〉からアクセスできる「テラススクエア」というオフィスビルの二階に入っており、店のホームページによると、二〇一五年五月に開業したそうだ。
この本店と支店、同じ「メナムのほとり」で、さらに、同じ神保町駅に近接しているにもかかわらず、全く違った雰囲気であった。
一九八九年開業の老舗タイ料理店である本店の方は、いかにも〈ザッツ・アジアンレストラン〉な雰囲気だったのだが、テラススクエアの支店の方は、開店から十年も経過しておらず、さらに、オフィスビルに入っているという事情もあってか、客のほとんどはオフィス・レディと思しき女性客であった。
ちなみに、この日の書き手はランチタイムに訪問したのだが、それは、昨今の感染症の影響もあってか、営業の時間帯が、二〇二二年のスタンプラリーの開催時期、ランチのみの営業で、十一時半から十四時半(ラストオーダー)で、店内は十四時まで、十四時以降はフードコートで飲食となっていたからである。
(注:二〇二三年七月現在、その注意書きはサイトから消えているので、ディナータイムも営業する従来の営業スタイルに戻っているのかもしれない)
とまれかくまれ、ランチタイムに女性客が多かったのだが、それは、この日が偶々そうであった分けではなく、築十年以内の新しい建物で、店内の雰囲気も、明るく綺麗で、いかにもオシャレな、オフィス・レディに好まれそうな雰囲気だからであろう。
それゆえに、書き手は、若干のムズムズ感を覚えながら、メニューを眺めたのであった。
タイ料理店である「メナムのほとり」は、ここテラススクエアの支店においても、様々なカレー料理が提供されているのだが、この支店のランチタイムにおいて認められたのは、〈グリーンカレー〉の「メナムセット」あるいは「タイカレーセット」、そして〈魚介のカレー味炒め〉の「ポンカリーセット」であった。
後者の「ポンカリーセット」には、なんと、「平日の数量限定」という但し書きが付いていたため、〈限定〉に弱く、さらに、よく知らない品、つまり〈変わり種〉好きな書き手は、ここでもまた、未だ食した事のない、よくは分からないメニューを注文する事にしてしまった次第なのである。
このポンカリーセットは、魚介のカレー味炒め、グリーンサラダ、トムヤムクンスープで構成されており、本店の方の『食べログ』のページにおいても、〈メナム〉のキャッチコピーが「創業35年グリーンカレーとポンカリ名店」となっているので、ポンカリが、店の看板メニューであるのは確かなようだ。
しかし、〈ポンカリ〉とは、一体どういったカレーなのであろうか?
店の公式サイトを参照してみると、ただ単に「ポンカリー」ではなく、「プー・パット・ポン・カリー」となっていて、その説明書きによると、「ワタリガニをカレー粉、セロリとともに炒め、牛乳とオイスターソースで味付けし、卵でふんわりと仕上げた」、すなわち、「カニのカレー味炒め」である料理だと分かった。つまるところ、「ポンカリー」とは、「プー・パット・ポン・カリー」の略称なのかもしれない。
あとで、「プーパットポンカリー」をネットで調べた結果わかった事は、そもそも、この「プーパットポンカリー」というメニューの発祥は、バンコクにある〈ソンブーン〉という店で、元々は、カニをカレー粉で炒めた料理だったのだが、やがて改良され、カニ、あるいは、ソフトシェルクラブを、甘辛味醤油(チリインオイル)で味付けして炒め、牛乳入りの卵液で混ぜて熱した料理となった、との事であった。ちなみに、牛乳や卵を使うと辛さが和らぐらしい。
さらに、このページには、〈プー〉が〈カニ〉、〈パッ〉が〈炒める〉、そして〈ポンカリー〉が〈カレー粉〉という語義についても書かれていた。
ということは、である。
〈プー・パット〉という名が付くと〈カレー粉のカニ炒め〉と食材や調理法が限定されるが、ただ単に、〈ポンカリー〉という名称ならば、それは〈カレー粉〉を使った料理という事になろう。
もしかしたら、メナムのほとりのキャッチコピーにおいて、「ポンカリ」とだけあったのは、食材をカニに限定せず、カレー粉を使った料理が名物ですよ、という意味なのかもしれないな、と書き手は思ったのであった。
〈訪問データ〉
メナムのほとり 神保町テラススクエア店;神保町・神保町
D18
十一月二十九日・火・十三時
ポンカリーセット:一〇〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「メナムのほとり 神保町テラススクエア店」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、四十七ページ。
〈WEB〉
「タイレストラン メナムのほとり」、『西インド会社』、二〇二三年七月一日閲覧。
「メナムのほとり」;「メナムのほとり 神保町テラススクエア店」、『食べログ』、二〇二三年七月一日閲覧。
「タイ名物『プーパッポンカリー』とは?」、『macaroni』、二〇二三年七月一日閲覧。
この本店と支店、同じ「メナムのほとり」で、さらに、同じ神保町駅に近接しているにもかかわらず、全く違った雰囲気であった。
一九八九年開業の老舗タイ料理店である本店の方は、いかにも〈ザッツ・アジアンレストラン〉な雰囲気だったのだが、テラススクエアの支店の方は、開店から十年も経過しておらず、さらに、オフィスビルに入っているという事情もあってか、客のほとんどはオフィス・レディと思しき女性客であった。
ちなみに、この日の書き手はランチタイムに訪問したのだが、それは、昨今の感染症の影響もあってか、営業の時間帯が、二〇二二年のスタンプラリーの開催時期、ランチのみの営業で、十一時半から十四時半(ラストオーダー)で、店内は十四時まで、十四時以降はフードコートで飲食となっていたからである。
(注:二〇二三年七月現在、その注意書きはサイトから消えているので、ディナータイムも営業する従来の営業スタイルに戻っているのかもしれない)
とまれかくまれ、ランチタイムに女性客が多かったのだが、それは、この日が偶々そうであった分けではなく、築十年以内の新しい建物で、店内の雰囲気も、明るく綺麗で、いかにもオシャレな、オフィス・レディに好まれそうな雰囲気だからであろう。
それゆえに、書き手は、若干のムズムズ感を覚えながら、メニューを眺めたのであった。
タイ料理店である「メナムのほとり」は、ここテラススクエアの支店においても、様々なカレー料理が提供されているのだが、この支店のランチタイムにおいて認められたのは、〈グリーンカレー〉の「メナムセット」あるいは「タイカレーセット」、そして〈魚介のカレー味炒め〉の「ポンカリーセット」であった。
後者の「ポンカリーセット」には、なんと、「平日の数量限定」という但し書きが付いていたため、〈限定〉に弱く、さらに、よく知らない品、つまり〈変わり種〉好きな書き手は、ここでもまた、未だ食した事のない、よくは分からないメニューを注文する事にしてしまった次第なのである。
このポンカリーセットは、魚介のカレー味炒め、グリーンサラダ、トムヤムクンスープで構成されており、本店の方の『食べログ』のページにおいても、〈メナム〉のキャッチコピーが「創業35年グリーンカレーとポンカリ名店」となっているので、ポンカリが、店の看板メニューであるのは確かなようだ。
しかし、〈ポンカリ〉とは、一体どういったカレーなのであろうか?
店の公式サイトを参照してみると、ただ単に「ポンカリー」ではなく、「プー・パット・ポン・カリー」となっていて、その説明書きによると、「ワタリガニをカレー粉、セロリとともに炒め、牛乳とオイスターソースで味付けし、卵でふんわりと仕上げた」、すなわち、「カニのカレー味炒め」である料理だと分かった。つまるところ、「ポンカリー」とは、「プー・パット・ポン・カリー」の略称なのかもしれない。
あとで、「プーパットポンカリー」をネットで調べた結果わかった事は、そもそも、この「プーパットポンカリー」というメニューの発祥は、バンコクにある〈ソンブーン〉という店で、元々は、カニをカレー粉で炒めた料理だったのだが、やがて改良され、カニ、あるいは、ソフトシェルクラブを、甘辛味醤油(チリインオイル)で味付けして炒め、牛乳入りの卵液で混ぜて熱した料理となった、との事であった。ちなみに、牛乳や卵を使うと辛さが和らぐらしい。
さらに、このページには、〈プー〉が〈カニ〉、〈パッ〉が〈炒める〉、そして〈ポンカリー〉が〈カレー粉〉という語義についても書かれていた。
ということは、である。
〈プー・パット〉という名が付くと〈カレー粉のカニ炒め〉と食材や調理法が限定されるが、ただ単に、〈ポンカリー〉という名称ならば、それは〈カレー粉〉を使った料理という事になろう。
もしかしたら、メナムのほとりのキャッチコピーにおいて、「ポンカリ」とだけあったのは、食材をカニに限定せず、カレー粉を使った料理が名物ですよ、という意味なのかもしれないな、と書き手は思ったのであった。
〈訪問データ〉
メナムのほとり 神保町テラススクエア店;神保町・神保町
D18
十一月二十九日・火・十三時
ポンカリーセット:一〇〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「メナムのほとり 神保町テラススクエア店」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、四十七ページ。
〈WEB〉
「タイレストラン メナムのほとり」、『西インド会社』、二〇二三年七月一日閲覧。
「メナムのほとり」;「メナムのほとり 神保町テラススクエア店」、『食べログ』、二〇二三年七月一日閲覧。
「タイ名物『プーパッポンカリー』とは?」、『macaroni』、二〇二三年七月一日閲覧。
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