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一巡目(二〇二二)
第103匙 侮るなかれバーカレー:J.Tipple Bar(C15)
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「神田カレースタンプラリー2022」のスタンプラリー参加店の中には、かなりの数、昼だけしか営業していない店がある。さらに、昼に加えて夜も営業はしているものの、昼のランチタイムにのみカレー・メニューを提供している店もある。つまり、〈昼店〉は実に攻略難易度が高く、如何にこういった店のスタンプを集めるかが悩みどころで、首を何度も捻りながら、スケジュールを調整して、戦術的な店巡りをしなければならない次第なのである。
しかしながら、その一方で、仕事上がりに、ちょっと気楽に立ち寄れる、こう言ってよければ、いつでも行ける、そんな攻略難易度が低めのカレー提供店も、少ないながらも存在している。
それゆえに、結果的に、そういった〈夜店〉は、〈いつでも行ける〉といった、そんな安心感のせいで、訪店が、スケジュール的にかなり遅めになってしまう。
かくして、この日の夜、二十一時過ぎという深めの時刻に、書き手が訪れた、そうした夜のみ営業の店こそが、「J.Tipple Bar(ジェイ・ティップル・バー)」なのであった。
この店は、日曜日こそ休みではあるものの、それ以外の営業時間帯は、平日が午後五時から深夜二時、土曜が五時から深夜零時までなので、例えば、夜、神保町のどこかのカレー店を訪れた後に梯子して、深夜にこの店を訪れるという訪問法も可能なのだ。
ちなみに、「J.Tipple Bar」は、既に訪れた「パンチマハル」(第78食)と同じ建物に入っているので、書き手は店の場所は確認済みであった。
さて、店名に〈バー〉という文言が入っている事実が示しているように、この店、「J.Tipple Bar」は、主としてお酒を提供する、いわゆる、ショット・バーである。
とはいえども、アルコールだけではなく、食事も提供していて、その食事メニューの中にカレーもある次第なのだ。
だがしかし、この店では、多種多様なカレー・メニューが提供されている分けではなく、カレー・メニューは「チキンカレー」だけである。
だが、主食の方は、なんと、ライスのみならず、ナンも選べるようになっている、との事であった。
しかも、そのカレーは外注している分けではなく、店主の〈手作り〉の品で、「十数種類のスパイスと野菜を煮込んだ」品であるそうで、件のガイドブックによると、そのカレーの調理は「パキスタンの方に直接指導」されているとのことであった。
さて、店に到着した後、書き手は、その、パキスタン仕込みのチキンカレーを、主食はライスで注文した。
注文後、マダムが奥に引っ込んで調理し始めたのだが、やがて提供されたのは、白い皿の上、その三分の一に白いライスが、そして、カレーが入れられた別の円形の器が、同じ白い皿に置かれたカレーライスであった。
そして、書き手は、カレーを少しずつライスに掛けながら食した。
正直に言うと、書き手は、カレー専門店ではないバーが提供するカレーはそこそこにして未だ未だな品であろう、と侮っていたのだが、しかし、この店のカレーは、よくあるバーのカレー、例えば、レトルトや市販のルーで作ったような品ではなかった。
まさに、ガイドブックに偽りなしであった。
ちなみに、時期的に、スタンプラリー終盤という事もあってか、店内には、書き手の他にもカレーを食している方々が認められ、彼らは、十中八九、書き手と同好の士であるのは間違いなかろう。
〈訪問データ〉
J.Tipple Bar:神保町・水道橋
C15
十一月二十八日・月・二十一時
チキンカレー(ライス):一一五五円(現金)
〈参考資料〉
「J.Tipple Bar」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、三十ページ。
〈WEB〉
『J.Tipple Bar』、二〇二三年五月二十六日閲覧。
しかしながら、その一方で、仕事上がりに、ちょっと気楽に立ち寄れる、こう言ってよければ、いつでも行ける、そんな攻略難易度が低めのカレー提供店も、少ないながらも存在している。
それゆえに、結果的に、そういった〈夜店〉は、〈いつでも行ける〉といった、そんな安心感のせいで、訪店が、スケジュール的にかなり遅めになってしまう。
かくして、この日の夜、二十一時過ぎという深めの時刻に、書き手が訪れた、そうした夜のみ営業の店こそが、「J.Tipple Bar(ジェイ・ティップル・バー)」なのであった。
この店は、日曜日こそ休みではあるものの、それ以外の営業時間帯は、平日が午後五時から深夜二時、土曜が五時から深夜零時までなので、例えば、夜、神保町のどこかのカレー店を訪れた後に梯子して、深夜にこの店を訪れるという訪問法も可能なのだ。
ちなみに、「J.Tipple Bar」は、既に訪れた「パンチマハル」(第78食)と同じ建物に入っているので、書き手は店の場所は確認済みであった。
さて、店名に〈バー〉という文言が入っている事実が示しているように、この店、「J.Tipple Bar」は、主としてお酒を提供する、いわゆる、ショット・バーである。
とはいえども、アルコールだけではなく、食事も提供していて、その食事メニューの中にカレーもある次第なのだ。
だがしかし、この店では、多種多様なカレー・メニューが提供されている分けではなく、カレー・メニューは「チキンカレー」だけである。
だが、主食の方は、なんと、ライスのみならず、ナンも選べるようになっている、との事であった。
しかも、そのカレーは外注している分けではなく、店主の〈手作り〉の品で、「十数種類のスパイスと野菜を煮込んだ」品であるそうで、件のガイドブックによると、そのカレーの調理は「パキスタンの方に直接指導」されているとのことであった。
さて、店に到着した後、書き手は、その、パキスタン仕込みのチキンカレーを、主食はライスで注文した。
注文後、マダムが奥に引っ込んで調理し始めたのだが、やがて提供されたのは、白い皿の上、その三分の一に白いライスが、そして、カレーが入れられた別の円形の器が、同じ白い皿に置かれたカレーライスであった。
そして、書き手は、カレーを少しずつライスに掛けながら食した。
正直に言うと、書き手は、カレー専門店ではないバーが提供するカレーはそこそこにして未だ未だな品であろう、と侮っていたのだが、しかし、この店のカレーは、よくあるバーのカレー、例えば、レトルトや市販のルーで作ったような品ではなかった。
まさに、ガイドブックに偽りなしであった。
ちなみに、時期的に、スタンプラリー終盤という事もあってか、店内には、書き手の他にもカレーを食している方々が認められ、彼らは、十中八九、書き手と同好の士であるのは間違いなかろう。
〈訪問データ〉
J.Tipple Bar:神保町・水道橋
C15
十一月二十八日・月・二十一時
チキンカレー(ライス):一一五五円(現金)
〈参考資料〉
「J.Tipple Bar」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、三十ページ。
〈WEB〉
『J.Tipple Bar』、二〇二三年五月二十六日閲覧。
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