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一巡目(二〇二二)
第90匙 四ツ谷の南極シェフ・カレー:レストランエフ(D17)
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南極において、「昭和基地」や「ドームふじ基地」で生活しながら、地学的な観測を行うのが「南極地域観測隊(JARE)」である。
二〇二三年三月現在、二〇二四年出発予定の第六十六次の南極観測隊員の募集が為されているそうだ。
ちなみに、南極地域観測隊のうち、その全員が越冬する分けではないそうで、冬を越さないのが「夏隊」、一年間、南極で観測を続けるメンバーが「越冬隊」であるらしい。ちなみに、隊は、通常は、約六十名から成り、うち約四十名が越冬隊員である、との事であった。
二〇二三年三月十六日付けの「観測隊ブログ」によれば、「しらせ」に乗船した第六十三次越冬隊と、第六十四次夏隊は、あと一週間ほどで、日本に帰国するらしい。
その南極観測隊の歴史は、一九五六年の、五十三名から成る第一次南極地域観測隊にまで遡る事ができる。
書き手も含め、大多数の人にとっては、〈南極観測隊〉といえば、一九八三年の夏に劇場公開された『南極物語』のイメージが強い。実際、書き手も、小学生時代の夏休みに、親戚に連れられて映画館に行き、大混雑であったため、立ち見で観る事になった記憶がある。
その『南極物語』といえば、タロとジロという南極犬なのだが、この映画は、第一次・第二次・第三次南極観測隊をモデルにした話であるらしい。
ちなみに、名古屋港の「ふじの広場」には、タロ・ジロの像がある事も、ここに指摘しておこう。
また、直近の南極を題材にした物語としては、「民間南極観測隊」を目指す女子高生を作中人物とする、二〇一八年の一月期に放映された『宇宙よりも遠い場所』というアニメが記憶に新しい。
さて、資料を見てみたところ、観測隊の中には、食事を担当する隊員もいて、タレントの小堺一機さんのお父様である小堺秀男氏が、第九次と第十五次に参加し、「食事係」を務めたらしい。
そして、四ツ谷にある「主婦会館プラザエフ」の二階に位置している「レストランエフ」のシェフを務める古畑さんもまた、元・南極観測隊員であり、エフのメニューの一つにはカレーがある。
ガイドブックによると、エフの南極カレーは、「玉葱、フルーツ、スパイス」を十種類以上使った「濃厚でフルーティーな味わい」の品で、具材には、時期に応じた「旬の食材」を使っている、との事であった。
お一人様で来店した書き手は、窓際の眺めのよい席をスタッフに案内され、着座後、セルフサービスでスープとサラダをとった後、窓からJRの四ツ谷駅方面に視線を送りながら、料理の提供を待つ事になった。
やがて提供されたのは、ワンプレートの〈ライスカレー〉であった。
付け合わせは、薄い赤いニンジン、薄緑色のキャベツ、そして、濃い緑のブロッコリー、ライスは、黄色く、その黄色いライスの上には、真っ赤なプチトマトが載っていて、見た目、実に彩り豊かであった。
調べてみたところ、南極の観測地では、海軍や海自と同じように、毎週金曜日にはカレーを食べる習慣があるそうだ。
シェフの古畑さんが第何次に参加したかは分からないけれど、南極観測隊の隊員も、もしかしたら、毎週金曜日に、このカレーを食べていたのかな、そんな風に考えながら、書き手は、四ツ谷にて金曜日の昼を過ごしたのであった。
〈訪問データ〉
レストランエフ;四ツ谷
D17
十一月十八日・金・十一時半
南極シェフの特製エフカレー:一一〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「レストランエフ」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、七十三ページ。
〈WEB〉
「レストランエフ」、『主婦会館プラザエフ』、二〇二三年三月十九日閲覧。
「南極観測のホームページ」、『国立極地研究所』、二〇二三年三月十九日閲覧。
〈虚構作品〉
実写映画:『南極物語』、配給:日本ヘラルド映画;東宝、一九八三年七月二十三日、日本公開。
アニメ:『宇宙よりも遠い場所』、制作:マッドハウス、二〇一八年一月期、全十三話。
二〇二三年三月現在、二〇二四年出発予定の第六十六次の南極観測隊員の募集が為されているそうだ。
ちなみに、南極地域観測隊のうち、その全員が越冬する分けではないそうで、冬を越さないのが「夏隊」、一年間、南極で観測を続けるメンバーが「越冬隊」であるらしい。ちなみに、隊は、通常は、約六十名から成り、うち約四十名が越冬隊員である、との事であった。
二〇二三年三月十六日付けの「観測隊ブログ」によれば、「しらせ」に乗船した第六十三次越冬隊と、第六十四次夏隊は、あと一週間ほどで、日本に帰国するらしい。
その南極観測隊の歴史は、一九五六年の、五十三名から成る第一次南極地域観測隊にまで遡る事ができる。
書き手も含め、大多数の人にとっては、〈南極観測隊〉といえば、一九八三年の夏に劇場公開された『南極物語』のイメージが強い。実際、書き手も、小学生時代の夏休みに、親戚に連れられて映画館に行き、大混雑であったため、立ち見で観る事になった記憶がある。
その『南極物語』といえば、タロとジロという南極犬なのだが、この映画は、第一次・第二次・第三次南極観測隊をモデルにした話であるらしい。
ちなみに、名古屋港の「ふじの広場」には、タロ・ジロの像がある事も、ここに指摘しておこう。
また、直近の南極を題材にした物語としては、「民間南極観測隊」を目指す女子高生を作中人物とする、二〇一八年の一月期に放映された『宇宙よりも遠い場所』というアニメが記憶に新しい。
さて、資料を見てみたところ、観測隊の中には、食事を担当する隊員もいて、タレントの小堺一機さんのお父様である小堺秀男氏が、第九次と第十五次に参加し、「食事係」を務めたらしい。
そして、四ツ谷にある「主婦会館プラザエフ」の二階に位置している「レストランエフ」のシェフを務める古畑さんもまた、元・南極観測隊員であり、エフのメニューの一つにはカレーがある。
ガイドブックによると、エフの南極カレーは、「玉葱、フルーツ、スパイス」を十種類以上使った「濃厚でフルーティーな味わい」の品で、具材には、時期に応じた「旬の食材」を使っている、との事であった。
お一人様で来店した書き手は、窓際の眺めのよい席をスタッフに案内され、着座後、セルフサービスでスープとサラダをとった後、窓からJRの四ツ谷駅方面に視線を送りながら、料理の提供を待つ事になった。
やがて提供されたのは、ワンプレートの〈ライスカレー〉であった。
付け合わせは、薄い赤いニンジン、薄緑色のキャベツ、そして、濃い緑のブロッコリー、ライスは、黄色く、その黄色いライスの上には、真っ赤なプチトマトが載っていて、見た目、実に彩り豊かであった。
調べてみたところ、南極の観測地では、海軍や海自と同じように、毎週金曜日にはカレーを食べる習慣があるそうだ。
シェフの古畑さんが第何次に参加したかは分からないけれど、南極観測隊の隊員も、もしかしたら、毎週金曜日に、このカレーを食べていたのかな、そんな風に考えながら、書き手は、四ツ谷にて金曜日の昼を過ごしたのであった。
〈訪問データ〉
レストランエフ;四ツ谷
D17
十一月十八日・金・十一時半
南極シェフの特製エフカレー:一一〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「レストランエフ」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、七十三ページ。
〈WEB〉
「レストランエフ」、『主婦会館プラザエフ』、二〇二三年三月十九日閲覧。
「南極観測のホームページ」、『国立極地研究所』、二〇二三年三月十九日閲覧。
〈虚構作品〉
実写映画:『南極物語』、配給:日本ヘラルド映画;東宝、一九八三年七月二十三日、日本公開。
アニメ:『宇宙よりも遠い場所』、制作:マッドハウス、二〇一八年一月期、全十三話。
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