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一巡目(二〇二二)
第82匙 浪漫咖喱、カレーとうふ:AKL 〜カレーなる酒場〜(B17)
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「十々」にてカレーお好み焼きを食し終えた書き手は、神保町から淡路町方面に徒歩で向かった。
〈軽い物で連荘〉の方針の下、書き手が二軒目カレー場に選んだのが「AKL(あから)」である。ここは、夜はカレーをツマミにした立ち飲み酒場なのだが、昼はカレー屋として営業している。
ランチ・タイムメニューは「カレーボウル キーマ」と「カレーボウル ミートさん(3)」の二種類である。
「カレーボウル キーマ」とは、「老舗肉屋」の「国産豚ひき肉」と「たっぷりの野菜とトマトからでき」た、「20種以上のスパイス入り中辛キーマカレー」で、もう一方の「カレーボウル ミートさん(3)」は、「さん(3)」という名が表わしているように、「牛・豚・鶏」という三種類の肉を使用した「甘口日本風ルーカレー」であるらしい。
そして、この二つのメニューの名称に共通して含まれている「ボウル」という語は、この店のカレーが、平皿ではなく、「深めのボウル」に米飯を盛っている事に由来し、容器にボウルを使うのは、「ライスの乾燥を防ぎ、最後まで美味しく食べてもら」う事を目的としているからだそうだ。
このように、ライスを可能な限りおいしく食すための容器の工夫が為されている事を理解したのは確かなのだが、店に到着した時に、課金さえすれば、ライスの代わりに、豆腐を主食にする事もできるという表示を目にした書き手は、脊髄反射的に、カレー・ボウル・ライスではなく、カレー・ボウル・〈とうふ〉を注文する決意をしてしまったのである。
これまでの食人生の中で、書き手は未だかつて一度たりとも〈豆腐〉をカレーの主食にした事がなかったし、そのような発想を抱いた事もなかった。
しかし、思えば、この日の一軒目には、白米でもナンでもうどんでもなく、〈お好み焼き〉カレーを食べた。いわんや、二軒目の店にて、〈豆腐〉カレーを食べる事に何らおかしな点はないであろう。
きっと、今日はそうゆう流れなのだ。
ちなみに、AKLでは「神田にて創業110年以上つづく『越後屋』のとうふ」を使っているらしい。
書き手は、ご当地の食べ物はその地の食材を使うべきという考えを抱いているので、神田の老舗の豆腐屋の品を使っているという点にロマンを覚えてしまったのであった。
〈訪問データ〉
AKL ~カレーなる酒場~:小川町・淡路町
B17
十一月十四日・月・十二時半
カレーボウル・キーマ・とうふ:六五〇+一五〇:八〇〇円(現金)
〈参考資料〉
「AKL ~カレーなる酒場~」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、五十三ページ。
〈WEB〉
「あからとは」「メニュー」、『AKL あから ~カレーなる酒場~』、二〇二三年二月十六日閲覧。
〈軽い物で連荘〉の方針の下、書き手が二軒目カレー場に選んだのが「AKL(あから)」である。ここは、夜はカレーをツマミにした立ち飲み酒場なのだが、昼はカレー屋として営業している。
ランチ・タイムメニューは「カレーボウル キーマ」と「カレーボウル ミートさん(3)」の二種類である。
「カレーボウル キーマ」とは、「老舗肉屋」の「国産豚ひき肉」と「たっぷりの野菜とトマトからでき」た、「20種以上のスパイス入り中辛キーマカレー」で、もう一方の「カレーボウル ミートさん(3)」は、「さん(3)」という名が表わしているように、「牛・豚・鶏」という三種類の肉を使用した「甘口日本風ルーカレー」であるらしい。
そして、この二つのメニューの名称に共通して含まれている「ボウル」という語は、この店のカレーが、平皿ではなく、「深めのボウル」に米飯を盛っている事に由来し、容器にボウルを使うのは、「ライスの乾燥を防ぎ、最後まで美味しく食べてもら」う事を目的としているからだそうだ。
このように、ライスを可能な限りおいしく食すための容器の工夫が為されている事を理解したのは確かなのだが、店に到着した時に、課金さえすれば、ライスの代わりに、豆腐を主食にする事もできるという表示を目にした書き手は、脊髄反射的に、カレー・ボウル・ライスではなく、カレー・ボウル・〈とうふ〉を注文する決意をしてしまったのである。
これまでの食人生の中で、書き手は未だかつて一度たりとも〈豆腐〉をカレーの主食にした事がなかったし、そのような発想を抱いた事もなかった。
しかし、思えば、この日の一軒目には、白米でもナンでもうどんでもなく、〈お好み焼き〉カレーを食べた。いわんや、二軒目の店にて、〈豆腐〉カレーを食べる事に何らおかしな点はないであろう。
きっと、今日はそうゆう流れなのだ。
ちなみに、AKLでは「神田にて創業110年以上つづく『越後屋』のとうふ」を使っているらしい。
書き手は、ご当地の食べ物はその地の食材を使うべきという考えを抱いているので、神田の老舗の豆腐屋の品を使っているという点にロマンを覚えてしまったのであった。
〈訪問データ〉
AKL ~カレーなる酒場~:小川町・淡路町
B17
十一月十四日・月・十二時半
カレーボウル・キーマ・とうふ:六五〇+一五〇:八〇〇円(現金)
〈参考資料〉
「AKL ~カレーなる酒場~」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、五十三ページ。
〈WEB〉
「あからとは」「メニュー」、『AKL あから ~カレーなる酒場~』、二〇二三年二月十六日閲覧。
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