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一巡目(二〇二二)
第033匙 長崎は今日も旨かった:長崎トルコライス食堂(B01)
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書き手は、年に一度は長崎に行っているのだが、今年は未だ長崎に行けていない。
そして、ご当地グルメは現地で食べてこそ、とも考えているので、今年は未だ長崎のご当地グルメである〈トルコライス〉を口にしてはいないのだ。
トルコライスの特徴とは、多種多様なオカズ、例えば、ピラフ、とんかつ、スパゲッティ、サラダなどが一つの皿に載っており、このオカズの盛り合わせゆえに、トルコライスを〈大人のお子様ランチ〉と呼ぶ人もいるそうだ。
一九五〇年代に誕生した、と言われているトルコライスの歴史は、半世紀を優に超えているのだが、九〇年代には、トルコライスは、ほとんど長崎でしか食べられなかったらしい。だが近年、メディアなどで取り上げられる事によって、長崎以外でも食べる事ができるようになってきた、という。
それゆえに、東京においても、長崎トルコライスを食べられる場所がある。
それは、JR秋葉原駅の電気街口からすぐのところ、すなわち、「UDX」を正面に見て、右側の高架下にある「秋葉原ちゃばら」に入っている料理店である。
この地には、かつて「神田青果市場」があったのだが、その跡地に、新たな秋葉原の〈食文化〉の地として出現したのが〈秋葉原ちゃばら〉である。
すなわち、〈ちゃばら〉は日本各地の名産店となっていて、ここに、長崎のトルコライスを提供している、その名も「長崎トルコライス食堂」が入っているのだ。
メニューには、コロッケが主役のトルコライス、メンチカツが主役のトルコライス、アジフライが主役のトルコライス、あるいは、スタンダードトルコライスなどがあった。
例えば、コロッケが主役のメインのプレートは「長崎ポテトのホワイトコロッケ、長崎和牛入りメンチのコロッケ、雲仙ハムのカレーコロッケ」、あるいは、メンチカツが主役のプレートは「長崎和牛メンチカツ」、アジフライが主役のプレートは、「長崎産活き締め」のアジフライやエビフライが載せられている。
つまり、様々なオカズを一皿に載せている長崎式の提供方法という形式面だけではなく、そこに載せる食材もまた長崎産のものにこだわっている、という点もまた、実に興味深い。
もしかしたら、物産店の中に入っているという立地も、長崎の食材利用という、この食堂の特徴に一役買っているのかもしれない。
また、主役不在のスタンダートなプレートは、「雲仙ハムカレーピラフ」に「ナポリタン」や「長崎県産ポークロース」が載せられているワンプレートなのだが、この標準的な皿にも長崎の食材が用いられている。
思うに、このスタンダードなプレートに、独自の発想でトッピングを追加してゆけば、自分だけのオリジナルプレートが作れる分けで、このスタンダードプレートには、無限の可能性さえ感じられるのだ。
とは言えども、である。
この日は、単にトルコライスを食べにきた分けではなく、カレースタンプラリーの一環としての来店で、〈ぼくが考えた最強のトルコライス〉はまた別の機会に挑戦するとして、注文すべき品はカレーなのだ。
この食堂で、提供している料理の中には、例えば、ポークカツカレー、和牛メンチカツカレー、長崎和牛のビーフカツカレーなど、トッピングに、長崎産の豚や牛を使っている、普通のカレーライスもあったのだが、トルコライス専門店で頼むべき品は、やはりトルコライスであるべきで、そこで、書き手は、「カレーが主役のトルコライス」を注文したのであった。
このプレートは、カレーライス、ナポリタン、ポークカツ、ハムカレーコロッケ、そしてサラダによって構成されている。
他のプレートの場合、かかっているソースがデミグラスソースの場合もあるのだが、書き手が注文したトルコライスは、もちろん、カレーソースであり、プレートには、様々なオカズが載っているのだが、ハムカツコロッケという脇役もまた〈カレーコロッケ〉になっている点が、心憎い演出のように思えた。
書き手は、トッピングを付けたカレーの場合、カレーライス単体、トッピングだけ、カレーとトッピングを一緒に食べる、そのような三様の食べ方をするのが常なのだが、今回は、ポークカツという一個のトッピングだけではなく、コロッケやスパゲティもあったので、食べ方の可能性が複数化したのであった。
そして、様々な食べ方を試している時にふと思いついたのだが、今回は、ライスを普通のライスにしてしまったのだが、これをカレーピラフにしていたら、よりカレーの主役性が映え、このプレートの演出効果が増したのではなかろうか、と。
〈訪問データ〉
長崎トルコライス食堂:秋葉原・秋葉原
B01
九月四日・日曜日・十七時四十五分
カレーが主役のトルコライス:一二五〇円(QR)
〈参考資料〉
「長崎トルコライス食堂」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、六十七ページ。
〈WEB〉
『CHABARA(ちゃばら) AKI-OKA MARCHE』、二〇二二年十月十七日閲覧。
「秋葉原ちゃばらの「長崎トルコライス食堂」で“大人のお子様ランチ”を堪能してきた」(二〇二二年八月十八日)、『あきばる』(秋葉原の地域情報メディア)、二〇二二年十月十七日閲覧。
そして、ご当地グルメは現地で食べてこそ、とも考えているので、今年は未だ長崎のご当地グルメである〈トルコライス〉を口にしてはいないのだ。
トルコライスの特徴とは、多種多様なオカズ、例えば、ピラフ、とんかつ、スパゲッティ、サラダなどが一つの皿に載っており、このオカズの盛り合わせゆえに、トルコライスを〈大人のお子様ランチ〉と呼ぶ人もいるそうだ。
一九五〇年代に誕生した、と言われているトルコライスの歴史は、半世紀を優に超えているのだが、九〇年代には、トルコライスは、ほとんど長崎でしか食べられなかったらしい。だが近年、メディアなどで取り上げられる事によって、長崎以外でも食べる事ができるようになってきた、という。
それゆえに、東京においても、長崎トルコライスを食べられる場所がある。
それは、JR秋葉原駅の電気街口からすぐのところ、すなわち、「UDX」を正面に見て、右側の高架下にある「秋葉原ちゃばら」に入っている料理店である。
この地には、かつて「神田青果市場」があったのだが、その跡地に、新たな秋葉原の〈食文化〉の地として出現したのが〈秋葉原ちゃばら〉である。
すなわち、〈ちゃばら〉は日本各地の名産店となっていて、ここに、長崎のトルコライスを提供している、その名も「長崎トルコライス食堂」が入っているのだ。
メニューには、コロッケが主役のトルコライス、メンチカツが主役のトルコライス、アジフライが主役のトルコライス、あるいは、スタンダードトルコライスなどがあった。
例えば、コロッケが主役のメインのプレートは「長崎ポテトのホワイトコロッケ、長崎和牛入りメンチのコロッケ、雲仙ハムのカレーコロッケ」、あるいは、メンチカツが主役のプレートは「長崎和牛メンチカツ」、アジフライが主役のプレートは、「長崎産活き締め」のアジフライやエビフライが載せられている。
つまり、様々なオカズを一皿に載せている長崎式の提供方法という形式面だけではなく、そこに載せる食材もまた長崎産のものにこだわっている、という点もまた、実に興味深い。
もしかしたら、物産店の中に入っているという立地も、長崎の食材利用という、この食堂の特徴に一役買っているのかもしれない。
また、主役不在のスタンダートなプレートは、「雲仙ハムカレーピラフ」に「ナポリタン」や「長崎県産ポークロース」が載せられているワンプレートなのだが、この標準的な皿にも長崎の食材が用いられている。
思うに、このスタンダードなプレートに、独自の発想でトッピングを追加してゆけば、自分だけのオリジナルプレートが作れる分けで、このスタンダードプレートには、無限の可能性さえ感じられるのだ。
とは言えども、である。
この日は、単にトルコライスを食べにきた分けではなく、カレースタンプラリーの一環としての来店で、〈ぼくが考えた最強のトルコライス〉はまた別の機会に挑戦するとして、注文すべき品はカレーなのだ。
この食堂で、提供している料理の中には、例えば、ポークカツカレー、和牛メンチカツカレー、長崎和牛のビーフカツカレーなど、トッピングに、長崎産の豚や牛を使っている、普通のカレーライスもあったのだが、トルコライス専門店で頼むべき品は、やはりトルコライスであるべきで、そこで、書き手は、「カレーが主役のトルコライス」を注文したのであった。
このプレートは、カレーライス、ナポリタン、ポークカツ、ハムカレーコロッケ、そしてサラダによって構成されている。
他のプレートの場合、かかっているソースがデミグラスソースの場合もあるのだが、書き手が注文したトルコライスは、もちろん、カレーソースであり、プレートには、様々なオカズが載っているのだが、ハムカツコロッケという脇役もまた〈カレーコロッケ〉になっている点が、心憎い演出のように思えた。
書き手は、トッピングを付けたカレーの場合、カレーライス単体、トッピングだけ、カレーとトッピングを一緒に食べる、そのような三様の食べ方をするのが常なのだが、今回は、ポークカツという一個のトッピングだけではなく、コロッケやスパゲティもあったので、食べ方の可能性が複数化したのであった。
そして、様々な食べ方を試している時にふと思いついたのだが、今回は、ライスを普通のライスにしてしまったのだが、これをカレーピラフにしていたら、よりカレーの主役性が映え、このプレートの演出効果が増したのではなかろうか、と。
〈訪問データ〉
長崎トルコライス食堂:秋葉原・秋葉原
B01
九月四日・日曜日・十七時四十五分
カレーが主役のトルコライス:一二五〇円(QR)
〈参考資料〉
「長崎トルコライス食堂」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、六十七ページ。
〈WEB〉
『CHABARA(ちゃばら) AKI-OKA MARCHE』、二〇二二年十月十七日閲覧。
「秋葉原ちゃばらの「長崎トルコライス食堂」で“大人のお子様ランチ”を堪能してきた」(二〇二二年八月十八日)、『あきばる』(秋葉原の地域情報メディア)、二〇二二年十月十七日閲覧。
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