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一巡目(二〇二二)
第004匙 マスを埋めに行きます:Cozy(A04)、JR神田駅南口(Bjr)、メトロ神田駅(Em)
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Aコースから、神田カレー街スタンプラリーの攻略に取り掛かる事にした書き手は、昼食に関しては、飯田橋の南エリアに位置し、Aコースに分類されている、インド・パキスタンカレー店〈スルターン〉を訪れたのだが、飯田橋界隈での用事を済ませた書き手は、夕食に関しては、飯田橋から少し足を延ばしてみることにした。
現時点において訪問したのは三店舗、Aコースだけでも、まだ二十二店も残っている。そこで、何処に行くべきか悩みながら、書き手は、Aコースのスタンプ・シートのページを眺めていた。
そのスタンプ・シートに既に押されているマスは、最初の横の行の左隅、一・一の「ボンディ神田小川町店」、一番上の横行、左から三つ目、一・三の「スルターン飯田橋本店」、そして、三・五の「ジャンカレー」の三つであった。
そして、このスタンプ・シートを眺めているうちに、書き手は、左上コーナーにおける、一・一のボンディと、一・三のスルターンの間の、一・二のマスに、未だ印が押されていない事が気になって気になって仕方がなくなってしまった。
かくして、書き手は、メトロに乗って、一・二のマスの店舗に向かうべく、神田にまで移動する事にしたのであった。
そのスタンプ・シートのAコースの一・二に配置されていた店こそが〈Cozy(コージー)〉で、店舗は、JRの神田駅の南口・西口の改札を背にして右手の西口を出て、その出た所すぐにある〈神田駅西口通り〉をまっすぐに進んでゆき、大きな外堀通りに達する前に、その一本手前の路地を右折した所に位置している。
『神田カレー街公式ガイドブック』を左手に、マップ・アプリを表示させたスマフォを右手に握った書き手は、細い路地に面しているCozyに入店した。
店に足を踏み入れたところ、木造りの調度品をふんだんに使っている店内は喫茶店のような雰囲気で、実に、アットホームな印象であった。
店のメニューを見てみたところ、おつまみやお酒も提供しているようで、カレー目的ではなく、この落ち着いた雰囲気で、軽く一杯という客もいそうであった。
メニューに書かれていたカレーのラインナップは、カレーライス、チキンローストカレー、ビーフカレー、ロースカツカレー、特大エビフライカレーの五種類だったのだが、書き手は「ビーフカレー」を注文した。
例の如く、待っている間、書き手は冊子を読んでいたのだが、この店のページによると、Cozyのカレールーは、「野菜(玉ねぎ、人参、トマト、にんにく、生姜)などを炒め」、「フォンは3種の材料から」取って、「野菜の甘みとフォンの旨味を香辛料で纏めた欧風カレー」とのことであった。
やがて運ばれてきた料理は、平皿の上に、ライスとルーが半々ずつ盛られた、典型的な日本のカレーライスであった。
店の紹介ページにあった「時間と愛情をかけて真面目に作ったカレー!」という文句は、日本人が安心して食べられる、そんなジャパニーズ・カレーライスのことを意味しているのかな、と書き手は思ったのだった。
会計は、PayPayでのQR決済もできて、スタンプは、会計の際に店員が押してくれた。
店を出て、神田駅に向かっていた書き手は、気になっていた「特大エビフライカレー」のことを考えていた。エビの長さは二十五センチオーバーであるらしく、ネット上では「ビジュアル系」と評されていたので、次に店を訪れる機会があったら、エビフライ・カレーを注文してみよう、と思ったのだった。
*
やがて神田駅に到着した書き手は、まず、JR神田駅の南口に配されている、Bコース分類のスタンプを押さんとした。そのスタンプには「神田駅南口」と書かれていたのだが、その実、スタンプ台は駅の西口側に置かれていた。
それから、帰途につくべく、東京メトロの神田駅に向かったのだが、中央通りに面した、三番出入口の階段を降りると、最初の踊り場に、東京メトロ・神田駅のスタンプ台を見付けたので、ここでもスタンプを押すことにしたのだった。
これで今日だけで四つ、夜だけで三つのマスが埋まったことになる。
銀座線に乗ってから、今日押したスタンプを確認していた際に気付いたのは、メトロの神田駅はEコース分類で、「スタンプシート④」の六・五に置かれていたのだが、そのすぐ左隣の六・四は「JR神田駅北口」だったという事である。
まじかっ!
JR神田駅の南口のスタンプを押して、それで、完全に油断していた。神田駅って南口だけではなく、北口にもスタンプ台があったのかよっ!
今から戻ろうかとも考えたのだが、神田にはまだ行っていないカレー店もあるので、神田界隈を再訪する機会はきっとある。
だから、書き手は思った。
近いうちに、このマスを埋めにゆき〼、と。
〈訪問データ〉
Cozy:神田・神田駅南
A04
八月十九日・金曜日・十八時半
ビーフカレー:一〇〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「スタンプシート①~④」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、四十~四十三ページ。
「Cozy」、『前掲本』、二十四ページ。
現時点において訪問したのは三店舗、Aコースだけでも、まだ二十二店も残っている。そこで、何処に行くべきか悩みながら、書き手は、Aコースのスタンプ・シートのページを眺めていた。
そのスタンプ・シートに既に押されているマスは、最初の横の行の左隅、一・一の「ボンディ神田小川町店」、一番上の横行、左から三つ目、一・三の「スルターン飯田橋本店」、そして、三・五の「ジャンカレー」の三つであった。
そして、このスタンプ・シートを眺めているうちに、書き手は、左上コーナーにおける、一・一のボンディと、一・三のスルターンの間の、一・二のマスに、未だ印が押されていない事が気になって気になって仕方がなくなってしまった。
かくして、書き手は、メトロに乗って、一・二のマスの店舗に向かうべく、神田にまで移動する事にしたのであった。
そのスタンプ・シートのAコースの一・二に配置されていた店こそが〈Cozy(コージー)〉で、店舗は、JRの神田駅の南口・西口の改札を背にして右手の西口を出て、その出た所すぐにある〈神田駅西口通り〉をまっすぐに進んでゆき、大きな外堀通りに達する前に、その一本手前の路地を右折した所に位置している。
『神田カレー街公式ガイドブック』を左手に、マップ・アプリを表示させたスマフォを右手に握った書き手は、細い路地に面しているCozyに入店した。
店に足を踏み入れたところ、木造りの調度品をふんだんに使っている店内は喫茶店のような雰囲気で、実に、アットホームな印象であった。
店のメニューを見てみたところ、おつまみやお酒も提供しているようで、カレー目的ではなく、この落ち着いた雰囲気で、軽く一杯という客もいそうであった。
メニューに書かれていたカレーのラインナップは、カレーライス、チキンローストカレー、ビーフカレー、ロースカツカレー、特大エビフライカレーの五種類だったのだが、書き手は「ビーフカレー」を注文した。
例の如く、待っている間、書き手は冊子を読んでいたのだが、この店のページによると、Cozyのカレールーは、「野菜(玉ねぎ、人参、トマト、にんにく、生姜)などを炒め」、「フォンは3種の材料から」取って、「野菜の甘みとフォンの旨味を香辛料で纏めた欧風カレー」とのことであった。
やがて運ばれてきた料理は、平皿の上に、ライスとルーが半々ずつ盛られた、典型的な日本のカレーライスであった。
店の紹介ページにあった「時間と愛情をかけて真面目に作ったカレー!」という文句は、日本人が安心して食べられる、そんなジャパニーズ・カレーライスのことを意味しているのかな、と書き手は思ったのだった。
会計は、PayPayでのQR決済もできて、スタンプは、会計の際に店員が押してくれた。
店を出て、神田駅に向かっていた書き手は、気になっていた「特大エビフライカレー」のことを考えていた。エビの長さは二十五センチオーバーであるらしく、ネット上では「ビジュアル系」と評されていたので、次に店を訪れる機会があったら、エビフライ・カレーを注文してみよう、と思ったのだった。
*
やがて神田駅に到着した書き手は、まず、JR神田駅の南口に配されている、Bコース分類のスタンプを押さんとした。そのスタンプには「神田駅南口」と書かれていたのだが、その実、スタンプ台は駅の西口側に置かれていた。
それから、帰途につくべく、東京メトロの神田駅に向かったのだが、中央通りに面した、三番出入口の階段を降りると、最初の踊り場に、東京メトロ・神田駅のスタンプ台を見付けたので、ここでもスタンプを押すことにしたのだった。
これで今日だけで四つ、夜だけで三つのマスが埋まったことになる。
銀座線に乗ってから、今日押したスタンプを確認していた際に気付いたのは、メトロの神田駅はEコース分類で、「スタンプシート④」の六・五に置かれていたのだが、そのすぐ左隣の六・四は「JR神田駅北口」だったという事である。
まじかっ!
JR神田駅の南口のスタンプを押して、それで、完全に油断していた。神田駅って南口だけではなく、北口にもスタンプ台があったのかよっ!
今から戻ろうかとも考えたのだが、神田にはまだ行っていないカレー店もあるので、神田界隈を再訪する機会はきっとある。
だから、書き手は思った。
近いうちに、このマスを埋めにゆき〼、と。
〈訪問データ〉
Cozy:神田・神田駅南
A04
八月十九日・金曜日・十八時半
ビーフカレー:一〇〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「スタンプシート①~④」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、四十~四十三ページ。
「Cozy」、『前掲本』、二十四ページ。
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