35 / 51
第一章
第35話 混ぜるな、危険!!?
しおりを挟む
紅い荒野にて、夜明けとともに現れた敵──鬼の実力者の一人、浅葱。
それと対峙する篝と天音は、これから始まるだろう派手な戦闘いにヤル気満々。
その様子に後方で見守る幻夜と彼方の溜め息が重なり……守られているだけの俺ではあるが、色々な意味で不安を感じたのは言うまでもない。
俺のそんな不安をよそに……天音と篝は改めて浅葱に向かい、
「待たせたな、相手してやるよ」
「ま…どうせ、ボクらの相手としては物足りないけどねっ」
……どこまでこいつらは敵を挑発したら気が済むのか?
案の定、浅葱は怒りに震えていた…。
正確には、最初の篝たちの“所詮ザコ”的発言への怒りで言葉を失っていたようだけど。
その浅葱が震える手で取り出したのは…… 鞭!?
「貴様等──どこまでも私を侮辱しおって……ッ!!」
うん、その言葉も気持ちももっともだと思うが……相手が悪い。
浅葱は怒りを滲ませて忌々しそうに言うと、革製と思われれる黒い鞭をビシッと構え、ソレに妖気らしきものを纏わせて振り回し始めた…!
「さぁ……っ! 跪くが良い!!」
おいおい……こいつもか。
もうS気質は十分だろ? むしろ出過ぎだろ!?
ただ、こいつの場合、武器が鞭なので余計にそんな感じがするのか……?
……いや、もうこれが妖の本質なのかもしれない。
最早、妖の気質にうんざりしてきた俺の気持ちなんて構うことなく、浅葱は篝と天音目掛け得意げに鞭を振り回している……!
時折地面に当たるその鞭攻撃は地面を大きく抉るような威力を持っていた。
だが、二人は簡単にそれをかわし、反撃の機会をうかがっている──?
その戦いを先ほどよりも離れて見守っている俺たちだったが……
「…うーん、これは面倒かもねぇ」
「え?」
彼方の言葉に思わず聞き返した。
だって…こいつらならどんな相手でも問題なさそうなのに?
──というか、その前にさんざん挑発しちゃってるのに!?
「鞭は元々高い技術を要求される武器…しかも浅葱はそこに妖力を込めている。普通の鞭でだって使い手次第で肉も骨も切れるからね」
幻夜がそう言うのからには、そんな厄介な武器の使い手…浅葱が一応“実力者”の一人というのは伊達ではなさそうだ。酷い言われようではあったけど。
「で…でも、鞭は間合いが広いけど、その中に入っちゃえば……っ」
「その間合いに入るのも簡単ではないし、当然その時の対応策もあるだろ」
必死に考えた俺の作戦(?)もあっさり幻夜に切り捨てられた……しかも溜め息混じりに。
だが確かに、妖気を込められている上、普通の鞭とは思えない予測不可能な動きで攻撃してくる。
そのためか、篝たちは苦戦を強いられているように見えた。
「……まぁ、短銃のままじゃ難しいだろうな」
幻夜の言うように、鞭の隙間を狙って放たれる篝の銃弾も、その真っ直ぐな軌道が読みやすいのか、避けられてしまっている?
「篝も分かってるんだろうけど……このまま刀に変えても間合いが届かないね」
それでも、二人とも上手く鞭攻撃からは身をかわしているようで、致命的な傷…いや掠り傷もほとんどないようだった。
もちろん、戦いを見守る俺たちにその影響はない。
離れた場所で見ているというのもあるが、おそらく幻夜が結界を張って守ってくれているためだろう。
それに天音の言葉からすると、浅葱の標的は俺と篝みたいだが、まずは目の前の篝と天音から…ということもあるか──だいぶ挑発されてたしな。
現時点の戦況は攻防を続ける浅葱と篝に対し、天音は攻撃をかわしつつどう手出ししたものか考え中…といったところだろうか?
……そういえば、天音がどう戦うのか知らないし、まだ見たことがない。
実際に見たのは、河童の流に投石したのくらいだろうか?
──その時の映像が頭をよぎる中、天音に視線を移すと…
「あれは……羽??」
天音の手には数本の黒い羽!?
「天音の武器ってあの羽なのか?」
驚きつつ訊いた俺に、幻夜はやや首を傾げるように答えた。
「あぁ、確かに羽はいろいろ便利なんだが、武器というほどのものじゃない。一応妖気を込めているから威力はあるかもしれないが……あくまで補助的なものだな」
「天音の武器は別のモノだよ。でも…それも間合いに入れた方が確実かな?」
彼方の言う、別のモノ…というのも気にはなるが、羽でどうするというのだろう?
……よく漫画とかで羽が使われているのを見たことはあるが、実際の羽に威力なんてものはないことくらい…俺でも分かる。
そこへ妖力を込めたとして、どこまでやれるのだろう??
次第に激しくなっていく浅葱の鞭攻撃……。
鞭の特性なのか…そのしなり具合は浅葱の意志を的確に攻撃へと変え、妖力を込められ威力を増している一撃は相当の破壊力を持っていた。
その攻撃の軌道も読み切れない…いや、俺にはすでにその動きすら見切れてもいないが。
「そうだ、宗一郎…あんまり熱心に見ない方がいいよ」
「え?」
ふいにそう言われ、思わず聞き返えすように彼方を見たが、答えてくれたのは幻夜だった。
「篝と蘭丸の戦いですら妖気解放を誘発されたくらいだからね。今回はその比じゃない…もっと激しくなる──…」
“お前も、必ず戦闘いたくなる──”
幻夜の眼鏡越しの紫瞳はそう言っていた。
「相手はともかく、あの二人がノリノリだからねぇ」
困ったように苦笑をうかべながら彼方はそう言った。
──そうだった!
こんな状況…戦いを真剣に見てたら、また俺から妖気が解放されてしまいかねない。
余計に面倒を起こさないためにも気をつけなくては……!
俺が改めて気持ちを落ち着けようとゆっくり深呼吸する中、
「とりあえず、先に手を打っておく方が良いだろう…」
そう言って、幻夜は俺たちを囲う結界をより強化した。
……もしもの時、紅牙の気配を察知されないように。
「ありがとう…幻夜」
とりあえずお礼を言うと、幻夜は溜め息混じりの苦笑をうかべ、
「まぁ、紅牙のこと…だからね。前回くらいで反応したのは予想外だったけど、覚醒のきっかけとも考えられるし…戦闘に過敏になってるのかもしれない。……何より、あの二人が戦闘っているのを目の前にしてあの好戦的な紅牙が黙っているとは思えないからね」
その言葉に申し訳ない気持ちに…いや、その信用のなさの方が気になったが……反論できない。
前回も無意識だったわけだし?
話に聞く紅牙は戦闘マニアらしいし??
まぁ、とにかく……幻夜の結界のおかげで一安心といったところだろうか?
あまり本心からは喜べないが、紅牙の記憶を思い出す…覚醒のきっかけとなるのならそれでいいのかもしれない。
俺だって思い出したいとは思っているが、こればかりはどうも俺の意志とは関係ないようだしな。
そうこうしているうちに、戦況に変化が起こった──!
「弾丸など無意味!! それに逃げてばかりでは勝負にならぬだろうが……ッ」
やや苛立ちすら滲ませながら、鞭をしならせ言う浅葱に、
「いやぁ、そうでもねぇよ?」
そう小さく言うと、天音はその手に持っていた妖気を込めた数本の羽を投げた──!
天音から次々と放たれる黒い羽は、そのまま浅葱を攻撃するでもなく、浅葱の攻撃間合いのやや外側を囲うように宙に浮いた状態で止まっている……!?
「何だと……!?」
予想外の天音の行動に、浅葱だけでなく俺も驚きと戸惑いをおぼえていた。
アレに何の意味があるというのだろう??
──その答えは、直後に判明することになる。
「さぁ、反撃開始だよ?」
篝の好戦的な笑みと言葉によって、本当の戦いの火蓋が切って落とされた──!
それと対峙する篝と天音は、これから始まるだろう派手な戦闘いにヤル気満々。
その様子に後方で見守る幻夜と彼方の溜め息が重なり……守られているだけの俺ではあるが、色々な意味で不安を感じたのは言うまでもない。
俺のそんな不安をよそに……天音と篝は改めて浅葱に向かい、
「待たせたな、相手してやるよ」
「ま…どうせ、ボクらの相手としては物足りないけどねっ」
……どこまでこいつらは敵を挑発したら気が済むのか?
案の定、浅葱は怒りに震えていた…。
正確には、最初の篝たちの“所詮ザコ”的発言への怒りで言葉を失っていたようだけど。
その浅葱が震える手で取り出したのは…… 鞭!?
「貴様等──どこまでも私を侮辱しおって……ッ!!」
うん、その言葉も気持ちももっともだと思うが……相手が悪い。
浅葱は怒りを滲ませて忌々しそうに言うと、革製と思われれる黒い鞭をビシッと構え、ソレに妖気らしきものを纏わせて振り回し始めた…!
「さぁ……っ! 跪くが良い!!」
おいおい……こいつもか。
もうS気質は十分だろ? むしろ出過ぎだろ!?
ただ、こいつの場合、武器が鞭なので余計にそんな感じがするのか……?
……いや、もうこれが妖の本質なのかもしれない。
最早、妖の気質にうんざりしてきた俺の気持ちなんて構うことなく、浅葱は篝と天音目掛け得意げに鞭を振り回している……!
時折地面に当たるその鞭攻撃は地面を大きく抉るような威力を持っていた。
だが、二人は簡単にそれをかわし、反撃の機会をうかがっている──?
その戦いを先ほどよりも離れて見守っている俺たちだったが……
「…うーん、これは面倒かもねぇ」
「え?」
彼方の言葉に思わず聞き返した。
だって…こいつらならどんな相手でも問題なさそうなのに?
──というか、その前にさんざん挑発しちゃってるのに!?
「鞭は元々高い技術を要求される武器…しかも浅葱はそこに妖力を込めている。普通の鞭でだって使い手次第で肉も骨も切れるからね」
幻夜がそう言うのからには、そんな厄介な武器の使い手…浅葱が一応“実力者”の一人というのは伊達ではなさそうだ。酷い言われようではあったけど。
「で…でも、鞭は間合いが広いけど、その中に入っちゃえば……っ」
「その間合いに入るのも簡単ではないし、当然その時の対応策もあるだろ」
必死に考えた俺の作戦(?)もあっさり幻夜に切り捨てられた……しかも溜め息混じりに。
だが確かに、妖気を込められている上、普通の鞭とは思えない予測不可能な動きで攻撃してくる。
そのためか、篝たちは苦戦を強いられているように見えた。
「……まぁ、短銃のままじゃ難しいだろうな」
幻夜の言うように、鞭の隙間を狙って放たれる篝の銃弾も、その真っ直ぐな軌道が読みやすいのか、避けられてしまっている?
「篝も分かってるんだろうけど……このまま刀に変えても間合いが届かないね」
それでも、二人とも上手く鞭攻撃からは身をかわしているようで、致命的な傷…いや掠り傷もほとんどないようだった。
もちろん、戦いを見守る俺たちにその影響はない。
離れた場所で見ているというのもあるが、おそらく幻夜が結界を張って守ってくれているためだろう。
それに天音の言葉からすると、浅葱の標的は俺と篝みたいだが、まずは目の前の篝と天音から…ということもあるか──だいぶ挑発されてたしな。
現時点の戦況は攻防を続ける浅葱と篝に対し、天音は攻撃をかわしつつどう手出ししたものか考え中…といったところだろうか?
……そういえば、天音がどう戦うのか知らないし、まだ見たことがない。
実際に見たのは、河童の流に投石したのくらいだろうか?
──その時の映像が頭をよぎる中、天音に視線を移すと…
「あれは……羽??」
天音の手には数本の黒い羽!?
「天音の武器ってあの羽なのか?」
驚きつつ訊いた俺に、幻夜はやや首を傾げるように答えた。
「あぁ、確かに羽はいろいろ便利なんだが、武器というほどのものじゃない。一応妖気を込めているから威力はあるかもしれないが……あくまで補助的なものだな」
「天音の武器は別のモノだよ。でも…それも間合いに入れた方が確実かな?」
彼方の言う、別のモノ…というのも気にはなるが、羽でどうするというのだろう?
……よく漫画とかで羽が使われているのを見たことはあるが、実際の羽に威力なんてものはないことくらい…俺でも分かる。
そこへ妖力を込めたとして、どこまでやれるのだろう??
次第に激しくなっていく浅葱の鞭攻撃……。
鞭の特性なのか…そのしなり具合は浅葱の意志を的確に攻撃へと変え、妖力を込められ威力を増している一撃は相当の破壊力を持っていた。
その攻撃の軌道も読み切れない…いや、俺にはすでにその動きすら見切れてもいないが。
「そうだ、宗一郎…あんまり熱心に見ない方がいいよ」
「え?」
ふいにそう言われ、思わず聞き返えすように彼方を見たが、答えてくれたのは幻夜だった。
「篝と蘭丸の戦いですら妖気解放を誘発されたくらいだからね。今回はその比じゃない…もっと激しくなる──…」
“お前も、必ず戦闘いたくなる──”
幻夜の眼鏡越しの紫瞳はそう言っていた。
「相手はともかく、あの二人がノリノリだからねぇ」
困ったように苦笑をうかべながら彼方はそう言った。
──そうだった!
こんな状況…戦いを真剣に見てたら、また俺から妖気が解放されてしまいかねない。
余計に面倒を起こさないためにも気をつけなくては……!
俺が改めて気持ちを落ち着けようとゆっくり深呼吸する中、
「とりあえず、先に手を打っておく方が良いだろう…」
そう言って、幻夜は俺たちを囲う結界をより強化した。
……もしもの時、紅牙の気配を察知されないように。
「ありがとう…幻夜」
とりあえずお礼を言うと、幻夜は溜め息混じりの苦笑をうかべ、
「まぁ、紅牙のこと…だからね。前回くらいで反応したのは予想外だったけど、覚醒のきっかけとも考えられるし…戦闘に過敏になってるのかもしれない。……何より、あの二人が戦闘っているのを目の前にしてあの好戦的な紅牙が黙っているとは思えないからね」
その言葉に申し訳ない気持ちに…いや、その信用のなさの方が気になったが……反論できない。
前回も無意識だったわけだし?
話に聞く紅牙は戦闘マニアらしいし??
まぁ、とにかく……幻夜の結界のおかげで一安心といったところだろうか?
あまり本心からは喜べないが、紅牙の記憶を思い出す…覚醒のきっかけとなるのならそれでいいのかもしれない。
俺だって思い出したいとは思っているが、こればかりはどうも俺の意志とは関係ないようだしな。
そうこうしているうちに、戦況に変化が起こった──!
「弾丸など無意味!! それに逃げてばかりでは勝負にならぬだろうが……ッ」
やや苛立ちすら滲ませながら、鞭をしならせ言う浅葱に、
「いやぁ、そうでもねぇよ?」
そう小さく言うと、天音はその手に持っていた妖気を込めた数本の羽を投げた──!
天音から次々と放たれる黒い羽は、そのまま浅葱を攻撃するでもなく、浅葱の攻撃間合いのやや外側を囲うように宙に浮いた状態で止まっている……!?
「何だと……!?」
予想外の天音の行動に、浅葱だけでなく俺も驚きと戸惑いをおぼえていた。
アレに何の意味があるというのだろう??
──その答えは、直後に判明することになる。
「さぁ、反撃開始だよ?」
篝の好戦的な笑みと言葉によって、本当の戦いの火蓋が切って落とされた──!
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異能力と妖と
彩茸
ファンタジー
妖、そして異能力と呼ばれるものが存在する世界。多くの妖は悪事を働き、異能力を持つ一部の人間・・・異能力者は妖を退治する。
そんな異能力者の集う学園に、一人の少年が入学した。少年の名は・・・山霧 静也。
※スマホの方は文字サイズ小の縦書き、PCの方は文字サイズ中の横書きでの閲覧をお勧め致します
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる