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第3章・炎帝龍の山
三十六話・審査と水晶玉
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審査を受ける為に建物に入った。
「審査を受付は三ヶ所ありますから、三つに分かれて並んで下さい。」
三つの受付に並んでいた。
それぞれの受付の人がいて、全て女性だった
ってことは、受付嬢っていう奴かな?
その受付嬢が審査を受ける人に説明していた。
「犯罪歴の有無を調べますので、こちらの水晶玉に手を置いて下さい。」
両手の手のひらで掴める位の大きさの水晶玉が受付の机の上に置いてある。
「次の方どうぞ、こちらで審査します。この街へは、観光ですか?それとも…」
事務的なものも並行して行っていくようだ。
「観光ですね?滞在は何日ほどを予定されていますか?20日ですか?もしも、30日以上滞在される場合は、更に追加で滞在税がかかりますよ?よろしいですか?」
30日以上の滞在か…
オレ達は、数日間の予定だから大丈夫そうだけど
30日を超えないように気をつけないといけないな。
「では、最後に犯罪歴の有無を調べます。本当に犯罪歴はありませんね?あったら虚偽罪になりますよ?大丈夫ですね?では手をこちらへ」
手を置いた。
すると、水晶玉が青く光った。
「犯罪歴は、無いですね。これで、審査は終ります。」
受付嬢が書類にペンを走らせながら説明している。
話をしながら、手元を全く見ないで書き終えた一枚一枚書類を折り曲げている。
すごい早技だが、シワや折り損じがない全て丁寧に折り曲げている。
「こちらの書類を所属予定のギルドに提出して、ギルドカードを発行して下さい。この書類は、3日以内に必ずギルドに提出して下さい。3日を経過すると再度審査になりますのでご注意下さい。」
折り曲げた書類を封筒に入れて封をして渡していた。
「次の方どうぞ~」
オレ達の番が回って来た。
リオさんが受付の人の前に立った。
「こちらの街へは、今回が初めてですか?」
審査が始まった。
リオさんが受付嬢の質問に答えていく。
前に審査をしていた側の人間だったらしいからかな?
かなり、テキパキと質問に受け答えしている。
隣の受付で審査を受けている人が受付嬢の質問にしどろもどろしていて
最初の方の質問からあまり進んでいないのに比べると歴然だった。
おっと…よそ見をしているうちに、もう次の質問に移っていたよ。
「この魔物は?貴方のですか?」
ボルドーを指差して質問してきた。
「いいえ、違いますよ?この子の従魔の漆黒の狼です。もちろんほら、従魔の証の首輪もしてますよ。」
ボルドーの青い涙石の首飾りを見せる
実際には、ボルドーがしてるのは
フェンリルのボルドーをノアール?ウルフ、って魔物に偽装して見せている幻影魔法が付与されている首飾りなんだけどね。
「綺麗な石の首飾りの首輪ですね。確かに従魔証を着用されていますね。」
その首飾りを受付嬢が受付から身を少し乗り出し確認して、書類に記入している。
・従魔証の着用《有・無》
その項目の《有》の方に丸をつけた。
「漆黒の狼ですか?この付近には生息していない魔物ですね?確かに首輪もしていますね。ですが冒険者ギルドには入っていないんでしたよね?」
受付嬢が後ろの本棚の中から書類を引き出した。
書類の上の方に大きな字で、従魔登録申請書って書いてある。
「こちらの書類も追加しますので、未登録の従魔ですから冒険者ギルドに申告して登録申請して下さい。」
その従魔登録申請書を既に記入した書類に重ねた。
「それでは、貴方方の犯罪歴の有無を調べますので、こちらに手を置いて下さい。」
受付嬢が水晶玉を取り出した。
この水晶玉、よく見ると完全な球体じゃないんだな。
わずかに卵のような形をしている。
その水晶玉が台座の金具によって固定されている。
その台座にも、いくつかビー玉位の小さな石が嵌め込まれている
その石の一つ、一つが違う色の光りを放っている。
この小さな色におそらくだけど、魔法が付与されているんだろう。
水晶玉を取り出した後に新たに書類を取り出した。
犯罪歴の有無
・軽犯罪
・重犯罪
・重大犯罪
…がある。
そのそれぞれの項目に小さな文字で、犯罪の種類がびっしりと書かれていた。
リオさんが手を出して、水晶玉に手を置いた。
すると、途端に水晶玉が青い光を放った。
「問題ありませんね。次の方どうぞ。」
そう言いながら
犯罪の有無を記入している。
やはり、手元を全く見ない。
受付嬢の目は、常にオレ達を見ている。
ヴァン君が水晶玉に手を置いた。
リオさんと同様に水晶玉が青い光を放った。
「こちらの方も問題ありませんね。最後の方どうぞ。」
オレの番が回ってきた。
審査を受けるのに問題があるとすれば、ここが最大の難関だ。
…おそらくだが、オレの番で問題が起きるはずだからだ。
緊張しながらオレは、水晶玉に手を置いた。
何も起こらない。
水晶玉が光らないんだ。
その事に受付嬢がすぐに気が付いた。
「新たに?どうしたのかしら?故障かしら?ちょっと、失礼しますね。」
そう言って、受付嬢が水晶玉に手を置いた。
やはり、水晶玉が光りを放つ…
「故障じゃない?…少々お待ちください。」
そう言って、受付嬢が受付から離れて行った。
「やっぱり、アイ君にこの水晶玉は、無理か…」
「お父さんどうしよう。このままじゃ怪しまれちゃうよ!!」
リオさんとヴァン君が心配そうにオレを見ている。
「大丈夫。いざという時はお父さんに任せなさい。アイ君も落ち着いて待っていてくれ。」
リオさんの言う通りにオレは、受付嬢が戻って来るのを待つ。
ここである声を聞いた。
後ろで並んでいた人達がひそひそ声で話をしていた。
「水晶玉が光らなかったって?」
「あの子ひょっとして、無能者じゃないの?」
「無能者?あの村の面汚しのか?」
無能者…
その言葉にリオさんが後ろに振り返る。
「何か言ったか?この子は無能者じゃない。この魔物を従魔しているんだ。失礼なこと言うな」
リオさんが後ろに並んでいた人達を睨みつけながらそう言った。
「審査を受付は三ヶ所ありますから、三つに分かれて並んで下さい。」
三つの受付に並んでいた。
それぞれの受付の人がいて、全て女性だった
ってことは、受付嬢っていう奴かな?
その受付嬢が審査を受ける人に説明していた。
「犯罪歴の有無を調べますので、こちらの水晶玉に手を置いて下さい。」
両手の手のひらで掴める位の大きさの水晶玉が受付の机の上に置いてある。
「次の方どうぞ、こちらで審査します。この街へは、観光ですか?それとも…」
事務的なものも並行して行っていくようだ。
「観光ですね?滞在は何日ほどを予定されていますか?20日ですか?もしも、30日以上滞在される場合は、更に追加で滞在税がかかりますよ?よろしいですか?」
30日以上の滞在か…
オレ達は、数日間の予定だから大丈夫そうだけど
30日を超えないように気をつけないといけないな。
「では、最後に犯罪歴の有無を調べます。本当に犯罪歴はありませんね?あったら虚偽罪になりますよ?大丈夫ですね?では手をこちらへ」
手を置いた。
すると、水晶玉が青く光った。
「犯罪歴は、無いですね。これで、審査は終ります。」
受付嬢が書類にペンを走らせながら説明している。
話をしながら、手元を全く見ないで書き終えた一枚一枚書類を折り曲げている。
すごい早技だが、シワや折り損じがない全て丁寧に折り曲げている。
「こちらの書類を所属予定のギルドに提出して、ギルドカードを発行して下さい。この書類は、3日以内に必ずギルドに提出して下さい。3日を経過すると再度審査になりますのでご注意下さい。」
折り曲げた書類を封筒に入れて封をして渡していた。
「次の方どうぞ~」
オレ達の番が回って来た。
リオさんが受付の人の前に立った。
「こちらの街へは、今回が初めてですか?」
審査が始まった。
リオさんが受付嬢の質問に答えていく。
前に審査をしていた側の人間だったらしいからかな?
かなり、テキパキと質問に受け答えしている。
隣の受付で審査を受けている人が受付嬢の質問にしどろもどろしていて
最初の方の質問からあまり進んでいないのに比べると歴然だった。
おっと…よそ見をしているうちに、もう次の質問に移っていたよ。
「この魔物は?貴方のですか?」
ボルドーを指差して質問してきた。
「いいえ、違いますよ?この子の従魔の漆黒の狼です。もちろんほら、従魔の証の首輪もしてますよ。」
ボルドーの青い涙石の首飾りを見せる
実際には、ボルドーがしてるのは
フェンリルのボルドーをノアール?ウルフ、って魔物に偽装して見せている幻影魔法が付与されている首飾りなんだけどね。
「綺麗な石の首飾りの首輪ですね。確かに従魔証を着用されていますね。」
その首飾りを受付嬢が受付から身を少し乗り出し確認して、書類に記入している。
・従魔証の着用《有・無》
その項目の《有》の方に丸をつけた。
「漆黒の狼ですか?この付近には生息していない魔物ですね?確かに首輪もしていますね。ですが冒険者ギルドには入っていないんでしたよね?」
受付嬢が後ろの本棚の中から書類を引き出した。
書類の上の方に大きな字で、従魔登録申請書って書いてある。
「こちらの書類も追加しますので、未登録の従魔ですから冒険者ギルドに申告して登録申請して下さい。」
その従魔登録申請書を既に記入した書類に重ねた。
「それでは、貴方方の犯罪歴の有無を調べますので、こちらに手を置いて下さい。」
受付嬢が水晶玉を取り出した。
この水晶玉、よく見ると完全な球体じゃないんだな。
わずかに卵のような形をしている。
その水晶玉が台座の金具によって固定されている。
その台座にも、いくつかビー玉位の小さな石が嵌め込まれている
その石の一つ、一つが違う色の光りを放っている。
この小さな色におそらくだけど、魔法が付与されているんだろう。
水晶玉を取り出した後に新たに書類を取り出した。
犯罪歴の有無
・軽犯罪
・重犯罪
・重大犯罪
…がある。
そのそれぞれの項目に小さな文字で、犯罪の種類がびっしりと書かれていた。
リオさんが手を出して、水晶玉に手を置いた。
すると、途端に水晶玉が青い光を放った。
「問題ありませんね。次の方どうぞ。」
そう言いながら
犯罪の有無を記入している。
やはり、手元を全く見ない。
受付嬢の目は、常にオレ達を見ている。
ヴァン君が水晶玉に手を置いた。
リオさんと同様に水晶玉が青い光を放った。
「こちらの方も問題ありませんね。最後の方どうぞ。」
オレの番が回ってきた。
審査を受けるのに問題があるとすれば、ここが最大の難関だ。
…おそらくだが、オレの番で問題が起きるはずだからだ。
緊張しながらオレは、水晶玉に手を置いた。
何も起こらない。
水晶玉が光らないんだ。
その事に受付嬢がすぐに気が付いた。
「新たに?どうしたのかしら?故障かしら?ちょっと、失礼しますね。」
そう言って、受付嬢が水晶玉に手を置いた。
やはり、水晶玉が光りを放つ…
「故障じゃない?…少々お待ちください。」
そう言って、受付嬢が受付から離れて行った。
「やっぱり、アイ君にこの水晶玉は、無理か…」
「お父さんどうしよう。このままじゃ怪しまれちゃうよ!!」
リオさんとヴァン君が心配そうにオレを見ている。
「大丈夫。いざという時はお父さんに任せなさい。アイ君も落ち着いて待っていてくれ。」
リオさんの言う通りにオレは、受付嬢が戻って来るのを待つ。
ここである声を聞いた。
後ろで並んでいた人達がひそひそ声で話をしていた。
「水晶玉が光らなかったって?」
「あの子ひょっとして、無能者じゃないの?」
「無能者?あの村の面汚しのか?」
無能者…
その言葉にリオさんが後ろに振り返る。
「何か言ったか?この子は無能者じゃない。この魔物を従魔しているんだ。失礼なこと言うな」
リオさんが後ろに並んでいた人達を睨みつけながらそう言った。
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