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第四章 都市防衛戦の波乱
小噺「走れラン」
しおりを挟むやほやほ、ニャル様だよ。今回は少し割り込まさせてもらった。
理由? それはね……この質問に答えるためさ。
@ラン「五時間もの暇な時間何やってたの?」
ということで短編を作者が書いたからどうぞ!
ちなみにタイトルはただの寒いダジャレだから気にせずにね。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
カーテンが閉めてあり、真昼のはずなのに薄暗い部屋でごそこぞと起き上がる影がある。
その人物はゴーグルのようなものを外すとカーテンを思いっきり開く。
眩い太陽の光が入り込み影の正体が露わになる。
草薙蘭。それが彼の名であり、間抜けにもゲームで敵の自爆でやられ現実世界に帰ってきたところであった。
「……VRは、楽しいっ、けど……体が、硬くなるのが、問題、だな」
蘭はストレッチをしながら、一人呟く。本来ならその言葉に返してくれる姉の姿があるのだがまだ夢の中である。
時間をかけてゆっくりとストレッチをするとスマホに着信が来ていることに気がつく。
どうやら蘭の死亡に気が付いたらしく、彼の兄と姉である草薙蓮華と草薙百合がメッセージを送ってきた。
【兄貴:今日はそっちで菊とアリスが泊まることになったので布団などの用意をして下さい。あと私も行きます。】
(布団は確か……客室にあったな、一応干しとくか)
【百合:そろそろアイス無くなってくるからだから補充しといて】
(えぇ……この真夏日にスーパー行けと?)
今日の最高気温34度、ギリギリ猛暑日にならないがそれでも十分に暑い。
(さすがにこの暑さで外に出るのは……いや、買わなかった場合俺もアイスを食べれない…………くそぅやだなぁ!!)
「サイフは持った。保冷バッグはある。サングラス着用よし! 行ってきます。」
結局行く事になった。
冷蔵庫を確認してみたところ食材が残り少ない事に気がつき、半強制的に行く事になったのだ。
ちなみに布団のシーツは洗濯に出し、客室の布団はしっかりと干してある。
ドアを開けた瞬間、むわっと暑苦しい空気が家に入り込む。少し顔を顰め、出たくなくなるが気力を振り絞って足を踏み出した。
平日だが夏休みということもあってスーパーには思ったよりも人がいた。顔をチラチラ見られていることには気にも止めずにカートを押して行く。
「ねぇあの人ってモデルの───」
「あの澄ました顔がかっこいい────」
(あー、スーパー涼しい……世界中を冷やす冷房とか発明されないかな)
サングラスを服に着けているため、注目されているのだが……一応モデルをしている蘭のファンと蘭自身の温度差が凄まじい。
なお、このファンは蘭に会うため、このスーパーに通い詰めることになる。
帰り道、片手にエコバッグを引き下げて、もう片方にガルガル君(ソーダ味)を持って食べながら帰宅している。
この後は洗濯物などを干したり、家を掃除する予定で5時間を使い切ろうとしている。弟は姉の奴隷などと言われたりしているがこの男は自ら仕事を請け負っており、生粋の従者なのではないだろうか。
【Tips】蘭と百合の職業。
本業は基本学生だが、家計を助けるため優れ容姿を活かしてモデルをやっている。
その会社は中々に有名どころで蘭と百合は業界でもかなりのファンを獲得しているらしい。
【Plus】「弟は姉の奴隷」
気の優しい姉ならば仲の良い姉弟に見えるだろうが気の強い姉だと地獄である。
何せ、弟というよりは使いっ走りや従者、奴隷といった扱いであり、弟は姉に絶対従順。逆らうなどしたら“圧”がとんでくる。
訓練された弟ならば相手の気持ちを察することのできる立派な忖度師に育っていることだろう。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
次回でやっとこの章でのラスボスが出てきます。
……ダンジョン編を含ませたから第四章はかなり長くなった印象。
【スケジュール】
2月16日18時(気力があったら)
2月19日18時
【ニャルの語り】
挨拶は前書きで済ませたし、早速質問に答えていこうじゃないか
@KY代表ニャルさんへ「男の娘のおまえ、いるんだろ?呼べやくださいお願いします」
誰がKYだ。ボクは空気を読んで敢えて無視するんだ。ボクだってカップルがいたら微笑んでから爆発させるしね。
質問に触れるけど……なんでいること確定なのかなぁ……まぁ、いるんだけどさ。
なに? もはや作者すら「あれ? カルマって女の子だっけ」と思ってきたカルマくんを置いて他の男に行くの?
言っとくけどボクに他の化身を呼ぶ権限なんてないからね。それができるのは本体だけだよ。
連絡はできなくはないけど……タダでするのもなんだしなぁ……丁寧にお願いしたら連絡してあげるよ?
@にゃるさん「ランと同じ質問はしないよ、いつも暇だもんね 知 っ て た」
え、ボク超忙しいですけど? やること(観察)が沢山あるから大変ですわー
……うん。
実際ボク自身は忙しくないからなんとも言えないんだよね。他のニャルはやることあるけどボクは特にないからいわゆるニートってやつなんだ。
まぁこのゲームに関しては任されてるけどね。
さぁてと今日はここまで、次回も会おう。
しーゆーあげいん。
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