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第三章 愛の形

探索開始!

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約束通り投稿、探索パートです。
今回の章はTRPGで言うところのPC1のポジションがユリでカルマはお助けNPC的な感じです。
ハンドアウト的なのがあるとするならば

PC1:アナタは最近発売されたVRを弟と遊んでいた。遊んだ後に都市に帰るといつの間にか弟が消えていた。さらに兄から誘拐事件の話を聞かされ少し焦っている。アナタの使命は弟を探し出し、誘拐されている場合は救出する事だ。

……シノビガミ風になったけど問題無いな
カルマのハンドアウト、もとい使命は後書きにでも書いときます。



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◇scene ~リリィ~


 私はお兄ちゃんに指定された噴水広場に来ていた、よく待ち合わせで使われているのか、かなりの人がいる。

フードを深く被りつつ噴水の近くにある椅子に座っておく
暇なので周りを見ていると、とても活気があってここがVR世界である事を忘れてしまいそうになるほど
でもここって現実と変わらないと思うんだよなぁ
だって外套買いに行った時も店員のお婆ちゃん、凄い人間味溢れてたし私達みたいにちゃんと思考している。これはもう人間って言っていいレベルだと思う

一体どうやってこんな人間と見間違うようなAI作ったんだろ?


私が考えていると周りがざわついている事に気がついた、耳を傾けてみると「何だ、あの美人は?」「綺麗」などと言う声が聞こえて来る。
私は椅子から立ち上がると人の間からその人物を覗き見ると白銀の髪が太陽の光を反射し何か神々しく見えるお兄ちゃんが居た。

ここから見る限りだと私を探してるみたいで辺りを見回している……私も行きたいんだけど周りの人が邪魔でお兄ちゃんの方に行けないんだよね。

退いてもらおうと話しかけてもお兄ちゃんに魅了されていて聞き耳を持っていない……お兄ちゃんは見た目がとにかく綺麗だ。その魅力は異性だけに止まらず同性すらも魅了する程に
……でもお兄ちゃんってばそれに気がついていないんだよね、ランが鈍感なんて言ってるけどお兄ちゃんも大概だよね。

おっとと、こんなこと考えてる場合じゃなかったよ
取り敢えずお兄ちゃんに運んで貰えばいいか
お兄ちゃんはあまり目立つのは好きじゃないとか言ってたけどお兄ちゃんが引き起こしたんだから仕方ないよね。

お兄ちゃんにメッセージを送信して私のメッセージを確認したのか、少し助走を付けてから跳躍して私の隣に丁度着地した。


「ふぅ、少し待たせましたね。では捜索を始めましょう」

「ん、行こうかお兄ちゃん」


お兄ちゃんは私を抱えるとまた跳躍して私を何処かへ連れて行った。




◇move ~混沌都市ケーオス 宿屋バースト~


「で、何かわかったの?」


私達は前も来たことがある宿屋バーストに居た、お兄ちゃんがもしかしたら誰か聞いてるかもしれないとか言うのを危険視して防音があるココに来たみたい、杞憂だと思うけどね。


「確実な情報ではありませんけど掲示板に最近美形の男性を狙った誘拐事件が起こっているようです。それもプレイヤー、住人問わずに」

「ええ……無差別なの? それに何で男なのかな、女性ならまだ分かるけど」

「私もそこは疑問に思ったんですけどもしかすると犯人は女性なんじゃないですか?」

「ん?何で?」

「さぁ?根拠はありませんが男が男を誘拐するなんて考えたくもありませんしありえるとするならば女性なのでは?と思っただけなので」

「…………でも例え性別が分かったとしても犯人が分からなきゃなぁ」

「そこなんですよね、聞き込み調査でもしますか?」

「うーん……そうするしかないんだよね」


ランがログインする度に監禁されてるなんてちょっと可哀想だし張り切って行かないとね。



私は一旦、お兄ちゃんと別れて行動する事にした、二手に別れた方が効率良いしね。
取り敢えず宿屋の女将さんにそれらしい噂みたいなのがないか聞いてみた


「え、美形の男性を狙う誘拐? うーん、悪いけど聞いた事ないね。」

「あ、そうですか。お忙し時に聞いちゃってすみません」

「……あ、そう言えば近所の料理店の一人息子が消えたって話は聞いたことあるね。優しくて良い子だしあの子も美人さんだったから誘拐事件に巻き込まれたらことはあるかもね。」

「そうですか、情報ありがとうございます。」


私はその店の場所を聞いた後にその料理店【朱雀】に行ってみた、のだが閉まっていた。
私がどうしようか迷ってると親切なお爺ちゃんが声を掛けてくれて

「ふむ、確かこの店の息子が消えてしまって息子を溺愛していた両親が倒れてしまったらしい」

という情報もくれた。
流石に病人に行くのは辞めときたい、まぁそんな簡単に情報が手に入るわけないよね。

でも聞き込みを続ければいつかはたどり着くでしょ
幾ら犯人が誘拐するのが得意だからってあんだけ人目があって見てない方がおかしいから誰か絶対に見てるはず、そう思って聞き込みを続けていると

「うん?誘拐事件……あぁ!そうだ確か数時間前に外套を纏った子と儚いって言ったら良いかなそんな感じの美人が一緒になって路地裏に向かって歩いてたけどもしかしたらそうなのかも、場所は東の原初の草原へ行くための門の近くだったかな」

という有力そうな情報を入手した、その事をお兄ちゃんに報告して合流するとその路地裏に行ってみる事にした。



◇move ~混沌都市ケーオス 迷いの路地裏~


「むっ」

「どうしたの?お兄ちゃん」

「何だか空気が変わった気がしましてね」

そう言って本を取り出してページをめくっていると、お兄ちゃんが「ん?」と声を漏らす。
不思議に思って覗き込んでみるとマップのページだったなのだが私達が居るところ以外は空白になっていた、これはもしかして……

「【迷いの路地裏】、ダンジョンでしたか」

お兄ちゃんが空を見上げるのに釣られて上を向くと、さっきまで澄み切った青色だったはずの空が霧に包まれて見えなくなっていた。それと同時に大変な事に気がついた。

「お兄ちゃん!入って来たはずの場所が壁になってる!」

「一度入ったら出られない……確かに迷いの路地裏ですね」

「そう言ってる場合じゃないでしょ……取り敢えず進もうよ」

「それもそうですね行きましょう」

私達は霧が掛かったまさに迷宮ダンジョンと化した路地裏を歩み始めた。



【Tips】混沌都市の中にはダンジョンと呼ばれるものがある。認知されているものだけでも50はあるためにダンジョンに潜るだけならばケーオスに行けなどと言う言葉があるほどに多い、正に混沌都市と言ったところだろう

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カルマの使命:アナタが読書をしていると妹(PC1)から弟が行方不明になったと聞かされた。
その後に情報を探してみると誘拐事件というのを見つけ出しこれに弟が巻き込まれたのでは、と考えた。アナタの使命は弟を救出する事だ。


シノビガミ知っている人ならば分かると思いますが使命があると言うことは勿論【秘密】があります。

知らない人に説明すると【使命】というのは達成しなければならない目標であり、公開情報です。
もう一つの【秘密】は自分以外のプレイヤーには明かされておらずそのキャラクターが隠しておきたい大切な情報の事です。
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