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第二章 常夏の参戦
双子と信仰者
しおりを挟むクトゥルフ要素が無いと言ったな? あれは嘘だ。
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◇move ~混沌都市ケーオス 宿屋バースト~
探索者ギルドから離れた私たちは、宿屋の1部屋に居た、なぜ宿屋なのかは宿屋に防音効果があるらしく会話が聞かれる心配がないそうだ。
今回は避難的な意味でここに来たが密会などに便利そうだと思っていると金髪碧眼というイケメンにしか使いこなせない色をしているラン…ゲームでは名前をそのまま英訳して“オーキッド”というそう
とにかく、オーキッドが口を開いて口早にこう語る。
「いやさ、あんな目立つ予定は無かったんだよ、兄貴と合流しようと思ったんだけどユリ……リリィのやつが『お兄ちゃん、よく探索者ギルドに行くらしいし行こうよ』とか言い出してその時は人は少なかったんだがそこから急に増えていって抜け出そうにも抜け出しにくい雰囲気で………」
怒られるのに怖がっているのかは分からないが私は別に怒っていないのにこの子はすぐにこうやって弁解し出すので止める隙が中々無く止めたら止めたらで涙目で何かを訴えかけてくるので取り敢えず弁解させとく
それをリリィ、ユリが呆れたように見ているがその視線にいつもは気がつくだろうが弁解に夢中で気が付いていないようだ。
流石に長いのでチョップを頭に叩き込む、普通ならステータスの差でダメージを負うのだが都市はセーフティーゾーンなのでダメージを与えられない、というかプレイヤーはプレイヤーにダメージが入らないのでダメージは無い。まぁそんなこと関係無しに都市中で戦闘なんて行ったら衛兵さんに連れてかれるけど
「ーーと言うわけで俺らは悪く、あぐっ!」
喋っている途中でチョップをしたので舌を噛んだのか口元を押さえながら私に文句を言ってくる
「なにふんだよ、兄貴! 舌噛んじまったじゃえぇか」
「いやいや、私が怒ってないのに急に弁解を始めるランが悪いのですよ?」
「そうだよ、ランはそうやってすぐ突っ走るんだから猪突猛進もいい加減にしなよ?」
「うぐ、反論できねぇ」
「ま、ランが猪突猛進なのは置いておいてカオスをやるなら連絡くらいくれれば良かったじゃないですか、私かなり驚いたのですよ?」
カオス、Chaos Edenをやるとは聞いたけど今すぐやるとは聞いなかったので驚いたのだ。
ちゃんと言って欲しい、私が気が付かなかったらどうしてたのやら
「う、うんそれはそれとしてお兄ちゃん! 一緒に遊ばない?」
「遊ぶ、ですか」
「うん!現実でも話は聞いたけど百聞は一見にしかずて言うし直接やったほうが分かると思うからね」
「まあそうですね、私とユリとランにはかなりのステータス差があるので正直私の無双ゲーとかしますよ?」
「そんなにお兄ちゃん強くなってるの?」
「そりぁそうだよ、兄貴は最強だからな」
「流石に最強では無いですが……あ、1番これが分かりやすいですかね」
そう言って私はホルダーから本を取ってステータスのページを開く、2人も覗き込んできた。
『STATUS』
NAME :カルマ・マグナス
JOB :信仰者
HP:36/36
SP:25/25
SAN:63/63
STR:18 (+4%)
VIT:12
MAG:4
MND:21 (+4%)
AGL:9
DEX:9
LUK:9
○BATTLE
格闘5 防御3
○MAGIC
回復3 神聖4
○ASSIST
鑑定2 識別4 武道4 身軽4 筋力4 精神4 解体5
○UNIQUE
クトゥルフ神話
○ORIGINAL
気配探知1
これを見た双子は、
「「は?」」
と言い自分の目がおかしくなったのかと目を擦ったりしていたが残念ながらこれは現実(VRだけど)なのでこのステータスは変わらない
「え、私のステータス……低過ぎ?」
「いえ、私が早くやったのでそれだけ成長したのでしょう、ユリもしっかりと楽しめば良いのですよこれは別にステータスを上げるだけのゲームじゃないですからね」
「精神力ヤベェ、それにオリジナルとユニークってなんだよ!?」
「それは勝手に生えてきたので知りません」
「俺とユリとで対応が違わないか!?」
「妹と弟で対応が違うのは当たり前では?」
「辛辣じゃないですかねぇ!」
「あーあー聞こえないー、私は優しい信仰者さんですよーたまに狼を虐殺したりアンデット相手に無双するだけの信仰者なのでね、優しいですよね?」
「アッハイ」
さぁて、遊ぶとしても何処いきましょうか
原初の草原は無いですね、狼はしばらく見たくありません。だったらあそこにいきますかね。
【Tips】オリジナルカテゴリのスキルはそこまで獲得難易度が高いわけでは無い、カオスに無い行動をすれば勝手に獲得できるのでどんどん試すのが吉だろう。
補足として誰かにオリジナルスキルを教えたらユニークとして獲得が可能である。
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ユリのゲームアバターが描写できていなかったのでここに書いときます。
銀髪碧眼で見た目としてはプロローグの最後に置いたカルマのアバターの目を穏やかな感じにして天真爛漫な感じにしたイメージです。
宿屋バーストには猫がいて掲示板では猫と触れ合える宿屋として有名。
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