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第一章 混沌の目覚め
プロローグ
しおりを挟む自分が書くと毎回女っぽい主人公になるのは何故なのか、今回は男の娘である。
さて、尽くVRで失敗した作者が今回は上手く行くのか、では本編をどうぞ
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
それは■■なる神。
それは超常的な存在、それには優しさなど無い。
それは人ならざるもの、決して同じでは無い。
それは狂気に溢れるもの、正気を保てはしない。
それは嗤うもの、微笑むなどあり得ない。
◇
──仮想現実。
それは今まで夢物語だと思われていたモノ、そんなモノが何故か誕生したのだ。
以前の技術では視覚と聴覚までしか再現出来なかったのがこの仮想現実の技術は何と五感、いやそれ以上の“何か”すらも再現するという。
最初は首を捻っていた世間もその技術が凄まじいモノだと知れば手のひらを簡単にひっくり返した。
そこから様々な医療関係のものなども生まれつつもゲームも作られて行った、それはどれも高評価で次々と現実としか思えないゲームを作り出した。
そしてその会社は「自分達が総力を上げてMMOを作る」と宣言した、これにはゲーマー達が湧き上がった。
何せただでさえ凄い物を総力を上げて作ると言うのだから、きっと想像も出来ないゲームを作るのだろうと日々ゲーマー達は楽しみにしていた。
そうして発表されたのが【Chaos Eden】である。初のVRMMO作品と言うことで予約は殺到したがサーバーの負荷などの理由から百万人までとした。これについて質問されると
「実はサーバーにどれ程の負荷がかかるかなどの観測も目的でして、その具合を見て第二陣、第三陣と追加して行きます。」
と言っていた。
そしてこの物語は幸運なる百万人に選ばれた1人の男から始まって行く。
◇side ~主人公~◇
今回【ケイオス】(会社名)で発売された新作VRMMO、通称カオスをやっていく、まさか本当に自分が当選するとは思わなかったので詐欺なのでは? と考えたくらいだ。
姉弟達に報告すると欲しいとまで言われたがこのゲーム、予約時に身体検査をしているためにその予約した人にしか遊べない事を知ったのだが姉さん曰く、ツテで二つ程度なら手に入るとのこと。
流石、私の敬愛するスミレ姉さんである。嫉妬で暴言を吐いてくる阿呆共…失礼、愚者共とは違いますね。
私は働かなくて良い(ニートでは無い)のでいつでも遊べる為に大急ぎでこのゲームをやる為の機材を用意する、どうやら普通のデバイスでは遊べないらしく専用の物を購入した。
高性能なだけあって高かったがゲームをする為だ、致し方ない犠牲である。
VRの機械を起動させて予めダウンロードしてあるカオスを選択すると私の意識はプツリと消えて、気がつくと目の前に鏡のみある白い部屋にいた。
周りを見渡すと何処までも続くように錯覚する白い風景が広がるだけで鏡以外はここに無いみたいことが分かる。鏡の近くまで歩いて行くと鏡は私の姿を写さないようだった。
それを不思議に思っていると何処からか本のような物が現れた。それは革のような上等な表紙であり、金の金具が取り付けられている見るからに高級そうな本であった。
その本には題名が書いていなかったがなんと無く“コレ”がなんなのかを“理解”した、いやさせられた。
“コレ”はこの世界での私を表す物なのだと、まぁゲーム的に言えばステータスウィンドウのような物だろう。
そんな風に考えていると、本は勝手に表紙を開かれる。そこにはこの本で出来る事が書かれているようだ。
『CONTENTS』
0 コンテンツ (目次と頁移動)
1 ステータス&スキル (能力の確認)
2 アビリティ (技の確認)
3 タイトル (称号の装備)
4 インベントリ (収納と装備)
5 コネクション (通信やフレンド登録)
6 マップ (周辺の地図)
7 ブレティン (情報掲示板)
8 オプション&ヘルプ (設定とヘルプ)
9 ログアウト (ゲームを終了)
と言った具合に表記されていた。
それを確認したかと思うとまた勝手にページが捲られて行き、白紙のページで止まると文字が書き出されて行く
《ステータスとは》
STR=筋力、戦闘に関係する
VIT=防御力、体力に関係する
MAG=魔術力、魔術に関係する
MND=精神力、回復に関係する
AGL=俊敏性、速度に関係する
DEX=器用、生産に関係する
LUK=幸運、運命に関係する
実際はもっと詳しかったのだが簡潔に言えばこうなる。
このゲームではHPはVIT×3であり、技術や魔術の発動に使用するSPはMAG+MNDの合計値がその量となる。
さらにこのゲームなんと現実での身体能力をキャラの能力として組み込んでいるらしく、その値は最大10、最低でも3の数値となるようだ。
次はスキルのようだが、これはまた別の機会に、アビリティは才能と言う意味よりも能力の意味らしく、バフや魔術などの技の事らしい。
そして気になるのがタイトルである。称号と言う何とも仰々しい響きのモノがある。
読んでみると、どうやら何かの偉業や異端を達成した時に獲得できるらしく、装備した物のみに特殊効果が働くらしい(STR5%上昇など)
残りはどうやらコンテンツにあった横の文字と同じようだった。
すべての説明を読み切るとまたページが捲られた。
ステータスとスキルのページだった。
ジョブの欄とスキルの欄には〈選択して下さい〉の文字があり、ここでは10個のスキルしか選べないのだがその前にジョブを選ばねばならないらしい。
ジョブは数え切れないほどに多く、放浪者と言う一見何をしたらいいのか分からないジョブや魔術師などのファンタジーなジョブまで様々だ。
このジョブというのは免許のようなもので例えば魔術師だったら【火炎】魔術などが獲得可能となり剣士ならば【剣術】などそれぞれ対応したスキルが解放される。
「これは……」
私はとあるジョブに決めてスキルを手に入れた。そのステータスこちらである。
『STATUS&SKILL』
NAME :カルマ・マグナス
JOB :信仰者
HP:18
SP:15
STR:8 (+1%)
VIT:6
MAG:4
MND:10 (+1%)
AGL:5
DEX:6
LUK:8
○BATTLE
格闘1 防御1
○MAGIC
回復1 神聖1
○ASSIST
鑑定1 識別1 武道1 身軽1 筋力1 精神1
という感じである。ステータスはMNDが高かった為に神聖魔術や回復の判定にMNDが必要な信仰者を選んだ。
スキルは趣味で格闘技を嗜んでいるので格闘と防御を、魔術は信仰者になると解放される回復と神聖を選択、補助としていろいろ詰め込んだので紹介して行く。
【名前:格闘】
【武術が使用可能。肉体を使う攻撃に『レベル×3%』補正をかける。】
【名前:防御】
【防御に『レベル×1%』の補正をかける。】
【名前:回復】
【回復に『レベル×5%』補正をかける。】
【名前:神聖】
【神聖魔術が使用可能。神聖に『レベル×5%』補正をかける。】
【名前:鑑定】
【物の価値を知る。】
【名前:識別】
【生物の詳細を知る。】
【名前:武道】
【肉体を使った行動に『レベル×1%』の補正をかける。】
【名前:身軽】
【体の重量を軽減させる。『レベル×5%』の補正をかける。】
【名前:筋力】
【STRに『レベル×1%』の補正をかける。】
【名前:精神】
【MNDに『レベル×1%』の補正をかける。】
実に簡単な説明だが何か隠された要素がありそうでゲーマーの血が騒ぐ。
ステータスの設定が終了すると本がパタンと閉じたと思ったら何も写さなかった鏡が私の姿を写し出す。
日本人特有の黒髪黒目だが自分でも美人に見える顔をしており、肌は病的な程に白いわけではないがそれでもかなり白い。
この美人というのは男性的な美人では無く女性的な美人である。
私は、というか私の家族は誰もが美人なのだが私はその中でも女顔に見える……と言うか男性なのにまるで女性なのである、このせいで周りにいじめられたが相手をまるで存在しないかのように扱ったら泣いて謝ってきたので許したというエピソードがあったりする。
ただ、「おや? 誰かにぶつかったのに誰もいないなぁ」とワザとぶつかりそう言ったり、給食の配膳時にその子が来たら、「不思議だな、おぼんが浮いている」と言ったりしていただけなのに本当に不思議である。
そして鏡をジッと眺めていると、何と無く鏡の中の髪の毛を触ってみたくなったので触ってみると、そこから空中にディスプレイが表示された。
(こんなこと出来るのなら本じゃなくてこれで良かったんじゃ)
と思ったのは仕方ないだろう。
だってこの本って絶対に嵩張るし何とか仕舞えな……仕舞えた。出てこい、と思えば今度は出てくる。
どうやらこの本、私の意思で何処かに仕舞えるようだ。
一々持ち運ばなくていいというのは楽で良いいんですけど何でホログラム的なのにしなかったんですかね。
私はそのディスプレイをよく見てみることにした。
そこには配色、つまり髪の色を変更出来るようだったどうやらこの鏡ではアバターの色を変更できるようだ。
肌にも触れてみるとそこも変更可能なようだが私はそのままにしておき、髪の毛を銀色に目の色を赤にしておいた。厨二病? そんな言葉知らないですね。
そんなことは置いておいて、私の姿はかなり幻想的になった。我ながら可愛いですね。
さて、今更ながらこのゲームの趣旨を説明しよう。
このゲームのテーマは【自分の物語】である。
プレイヤーは九つあるスタート地点のどれかを選択して、そこから様々な経験を積んで行く、することは自由。
穏やかな風が吹く草原で寝そべるも良し、戦闘を楽しむも良し、何かを作るも良しのテスターからは「まるで第二の人生」とまで呼ばれていたらしい。
まぁ自由過ぎるせいで目的を見失う者が多いようなので私は目標を決める事にした。
『ゲームを楽しむ』だ、言いたい事は分かるがそれ以外に思いつかなかったから仕方ない
他にも色々したい事はあるが取り合えずこんな感じだろう。
あとNPCには高度なAIが付いており、ケイオス社が開発したArtificial Intelligence Liberalization Supportと言うもので意味としては最初のAIは除いてリとスは自由に過ごす者達と言う意味らしい、英語は苦手なのでよく分からないのだが姉さんが言っていたので間違い無いと思う。
(さぁて、私はどうすればここから抜け出せるのでしょうか)
と考えていると本がまた勝手に現れて触れと言わんばかりに何も書いていない題名が発光する。
少し戸惑うがそこに触ってみる。
すると何も書いていなかった題名に【カルマ・マグナス】と書かれたかと思うとさっきのように空中にディスプレイが表示された。
○自然都市ピースフル
平和である為、戦闘の苦手な人がオススメ!
生産活動がしたい方もここがオススメ!
○神聖都市クトルフ
綺麗な街が並ぶ都市、聖職者はココがオススメ!
○水上都市ルールィエ
海の上に存在する都市、釣り人はココがオススメ!
○生産都市クラフト
生産施設が揃った都市、生産活動したい人に最もオススメ!
○賭博都市ゴールデン
カジノなどが揃った都市、賭博好き必見!
○戦場都市バトルウォー
その名の通りに戦いばかり起こる都市、戦闘狂必見!
○科学都市ガーディア
銃などが開発されている都市、ガンナー必見!
○開発都市ディベロップ
開発途上中の都市、物価が安いが品質は悪い
○混沌都市ケーオス
中央にある都市、様々な文化が混じり合った不思議な場所。
と言った具合である。どうやら初期地点の選択みたいだ。
多分触った場所に行くのだろう他の姉弟達を待つ為にもあそこが良いかな。
ちなみに都市の場所としてはこんな感じ。
自然都市ー水上都市ー生産都市
| × | × |
開発都市ー混沌都市ー戦場都市
| × | × |
神聖都市ー科学都市ー賭博都市
※線は道、×は交差している道
さて、折角の幸運で手に入れたゲームだから、楽しみますか
そうして私は■■都市を選択した。
すると視界がどんどん歪んで行き私の視界は暗転する。
【Tips】近年急速的にVR技術が開発されており、ついに五感全ての感覚を再現できるまでになった。
その開発陣の中心にケイオス社の姿があったという
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
タグにクトゥルフ神話と言う不穏な文字がありますがさて、一体このVRは“誰”が作ったのでしょうね。
あと作者は感想乞食なので感想をくれると更新しやすくなります。
というかモチベが上がります。
↓これが主人公カルマ君のアバター
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