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「カハッ……ゲホ」
胃液の酸味が喉を焼くようで激しく咳き込んでしまう。
周囲の人達は皆何の変哲も無いように、時には小さく声を上げながら脇を通り過ぎて行く。
「あの、大丈夫ですか?」
頭上から降ってきた細々とした声に顔を上げると、心配そうにこちらを真っ直ぐ見つめる淡いブラウンの瞳と目が合った。
「だ、大丈夫なら良いんですけど!その、僕そこで働いてるんで」
彼が指差した先を辿るように見上げると、先程まで拙い足取りで向かっていた、あの小さな薬局が見える。
いまだ続く喉の違和感と吐き気が収まった代わりに襲ってきた頭痛に、何も返せずうずくまる。
「とりあえず運びますね」
返事を待つこと無く、彼は頼り無さげな雰囲気に似合わない大きな背中に俺を担ぐ。
『誰かにおんぶされたのなんていつぶりだろう…』
そんなことを、もうほとんど働かなくなった頭でぼんやりと考えながら、彼に身を任した。
胃液の酸味が喉を焼くようで激しく咳き込んでしまう。
周囲の人達は皆何の変哲も無いように、時には小さく声を上げながら脇を通り過ぎて行く。
「あの、大丈夫ですか?」
頭上から降ってきた細々とした声に顔を上げると、心配そうにこちらを真っ直ぐ見つめる淡いブラウンの瞳と目が合った。
「だ、大丈夫なら良いんですけど!その、僕そこで働いてるんで」
彼が指差した先を辿るように見上げると、先程まで拙い足取りで向かっていた、あの小さな薬局が見える。
いまだ続く喉の違和感と吐き気が収まった代わりに襲ってきた頭痛に、何も返せずうずくまる。
「とりあえず運びますね」
返事を待つこと無く、彼は頼り無さげな雰囲気に似合わない大きな背中に俺を担ぐ。
『誰かにおんぶされたのなんていつぶりだろう…』
そんなことを、もうほとんど働かなくなった頭でぼんやりと考えながら、彼に身を任した。
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